ミュージアム鉱研 地球の宝石箱
塩尻と岡谷の境界くらいの山の中に、鉱石のミュージアムがぽつんとあるので驚きである。岡谷ICから車で20分ほど。公共交通機関は期待するだけ無駄な立地なので諦めましょう。
鉱研工業という企業が開設しました。ボーリングマシン(球転がす方じゃなくて、地面掘る方)メーカーらしい。岩盤ぶちぬいて温泉とか井戸とか開発してる。過去には黒部ダムや青函トンネルなど大事業に関わっていた。キミ意外と凄いのね。
温泉ほってるついでに見つけたかは分かりませんが、鉱石や化石がメインの展示。国内だけでなく、世界各地から集めたコレクションです。その数2,000点。
入館料は600円。冬季は閉館しているので要注意。
展示室に入室して早々、ドでかい鉱石がごろごろ並んでいます。
左はコロンビア産の水晶。横幅2mほどありますが普通はこんな巨大にならないらしい。
右の紫色はアメジスト。この量だけで1000個の指輪が出来るとのこと。両手の指・両足の指・耳・鼻・ヘソ、どれだけ付けても付けきれませんね。金ぴかの時計を両腕につけて「成金ゴリラ」と呼ばれていた本田圭佑もビックリである。
岩石のところどころに光るきれいな銀色は、ペルーから来たパイライト。高価な品に見えますが実はただの鉄+硫黄です。おバカさんがよく騙されるので「愚者の黄金」という失礼な名前が付けられている。
この辺はさらに珍しい枠。
左はガーネット。日本ではザクロに似ているので「ザクロ石」と呼ばれています。あれ、一気に高級感なくなったな。なんと南極大陸で雪氷の下に埋もれていたのを持ち帰ったのだ。
右は南アフリカに落下した隕石です。ついに大気圏外の話になってしまった。240㎏の重さがあり、力士の小錦と同じだとか。・・待て、小錦ってそんなに重いのか。むしろそっちに驚いてしまった。宇宙と肩を並べる男 小錦。
今度は小さくなりました。緑がかった「ブルーダイヤモンド」。同種のものがアメリカのスミソニアン博物館にあるのですが、所有者が次々に謎の死を遂げる不幸の石なのです。狼に食い殺されるとか、発狂して自殺するとか、交通事故で家族全員死ぬとか。おお恐ろしい。ただの青りんごキャンディでは無いのです。
化石ゾーンに来ました。人の頭10個分くらいありそうな、ティラノサウルス君の頭蓋骨がお待ちかね(レプリカです)。お待ちかねっていっても、恐竜界屈指の狂暴肉食動物なので入室前にセーブしておいたほうが良い。
右のサンゴはベトナムのもの。桜の模型かと見間違えた。綺麗ですねえ。
専用の台が設けられて、その中にあるのは・・あまり見栄えのしない石ですねぇ。
しかしこれ、エベレストの山頂から採ってきたものです。1998年に日中の調査団が地質調査のため”だけ”に登頂したのだ。エベレストに登る人って、普通は「世界最高峰の山を制覇するぞ」と登山そのものを目的として来るのに、彼らは石を持ち帰るためだけに行ったのです。そんな登山隊は他にいないらしい。当たり前だ。
さきほど「アホの黄金」が登場しましたが、今度は本物のゴールドです。鹿児島県の菱刈鉱山で採取されたもの。全然しらんのですが日本最大の鉱山で、現在でも採掘がおこなわれているそうです。
菱刈鉱山の金含有量は世界No.1クラスで、通常の金鉱山の5倍以上はあるそうな。
左の画像が金を掘っているところですが、白い石英に混じっているので肉眼で探すのは難しい。ダイナマイトでぶっ飛ばして精錬所に運び、右の写真のように溶かして出すようです。
鉱山の近くには温泉も湧いているのですが、採掘しすぎたせいか地盤沈下したそうな。大丈夫なのか。
あとは一風変わった岩石が紹介されています。左は「砂漠のバラ」。砂漠の砂の中のカルシウムと硫黄が、年に一度しか降らない雨によって合体し、花びらのような姿を形どるのだ。ロマンティックがとまらない。
右は亀甲石といってメロンの皮みたいにしわしわが出来るのが特徴ですが、ここに置かれているのは別な理由である気がします。某RPGのモンスターに似ているとか。
という面白鉱石・化石を楽しめる博物館でした。
最後に本棚を見つけたので覗いてみたら、、、大川総裁の著書がありますねぇ(遠い目)。他はだいたい地球の歴史とか地学の本なのに。信州では共産党のポスターを各地で見ますが、ここは幸福実現党の統治下にあるようです。
おしまい
【滞在時間】1時間
【混雑度】★★★(ちらほら)
【URL】ミュージアム鉱研 地球の宝石箱_展示案内