茅野市尖石縄文考古館
尖石(とがりいし)と読みます。この地域には縄文時代の遺跡が多くありますが、国宝に指定されるほどの土器が発掘されているのだ。拝みましょう。
コレクションが多様で、普通の縄文系資料館とは一線を画しております。あとリニューアルでもしたのか、館内が綺麗である。100点。
立地は、蓼科の山の中にあるので諏訪ICから30分弱かかります。
バスも茅野駅から複数系統あるっちゃありますが、平日しか走ってなかったり、1日3本くらいしか来なかったりと、資料館に行かせる気は無いようです。諦めよう!
入館料は500円。
さて、いきなりですが国宝です。その名も「仮面のビーナス」。
逆三角形の頭、両手を開いてヘソを突き出している胴体、踏みつけ攻撃が強そうな足。いちおう土偶らしいですが、一般的な物とは異なる風貌です。古代神殿で秘密の小部屋を守る兵(中ボス)のようである。
しかし三角形の仮面とは面白い。コロナ対策かな?サイレントヒルの三角様のような禍々しさとまでは言わないが、威圧感はあります。鼻や口っぽい部分もあるので呼吸には困らなさそうです。
発掘されたときの状態が模型で再現されていましたが、横にぶっ倒れていた上に土台が壊れていたそうな。威厳なさすぎて憐憫の情を禁じ得ない。
この仮面ライダーは墓と思われる地点から発掘されました。土偶は安産を願うものなので、墓に埋め込むのは違和感がありますね。死と再生の祭りにでも使われたのではないか、考古学者が盛り上がっているようです。
お土産売り場にもちゃっかり居るんですが、1体5,000円もするのだ。さすが国宝。見た目的に結構こわいと思うので、家のトイレまでの廊下に10体くらい並べておくと夜な夜なホラーを味わえて夏っぽいのでお勧めです。
個性豊かな土器がおおぜい並んでいます。取っ手にブタ・・ではなくてイノシシの顔が取り付けられたもの。ブタは弥生時代に大陸から持ち込まれたので、縄文時点では居ないんですブー。
そのイノシシ部分ですが、背中の模様は左右で異なっているのだ。右の画像は渦巻でナルトっぽくて可愛らしい。わざわざ描き方を変えている縄文人の遊び心を垣間見ることができます。
こちらの取っ手は人の顔。フクロウでも日清の宇宙人でもありません。目の角度から、ちょっと笑顔っぽく見えているところがチャームポイント。学者的には「フレーム付きメガネ」というらしい。レンズよりフレーム面積の方が大きいという、実用性をかなぐり捨てた画期的メガネです。
こちらの壺はオシャレ系。胴体のスマートさと曲線美もさることながら、線と丸による繊細な模様が素晴らしい。家に飾りたい度合だと、さっきのキワモノ三角頭よりこっちの方が高い(国宝disは不敬罪)
縄文中期の土器には、このようにヘビっぽい紋様がよく描かれているそうです。蓼科とか八ヶ岳の山の中ではマムシなぞ幾らでも居ると思うので、縄文人の物語にご登場されても不思議ではない。
縄文人がそんなマムシを捕まえ、マムシドリンクを作ったかは分かりませんが、石棒をこれだけ作っているのだから精力増強に対する願望はあったかもしれません(適当)
しかし太いのばっかりですね、たまげたなぁ。
最後に、縄文土器と関連がある?かは分かりませんが、西洋の土器も紹介されてました(実物は無く、写真だけ)
紀元前6世紀イタリア、葡萄酒の神ディオニュソスの仲間である男を描いたワイン用土器だそうです。・・なぜ神様ご本人ではなく、その”仲間の男”にしたんですかね。我が国で言うと「スサノオノミコトの飲み友達が作ったお守り」くらい、どうでもいい感がハンパない。サークル内でやってください。
ともかく、こんな男臭いオッサンを土器全面に描かない人種の子孫で良かったなと思いました。おしまい。
【滞在時間】45分
【混雑度】★★★(ちらほら)