C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。車が無いので公共交通機関利用で粘っております。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

野尻湖ナウマンゾウ博物館

野尻湖は長野県北部、新潟県との県境近くの信濃町にある湖です。

標高600mの高原に位置するので、1920年代に外国人が避暑地として別荘開発したのが始まり。カヌーやヨットに遊覧船、あとナウマンゾウが楽しめます。

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最後に変なのが混じっていましたが、お使いのパソコンは正常です。
野尻湖ではナウマンゾウの化石がぼろぼろ見つかっていて、その調査成果を飾っているのがナウマンゾウ博物館です。
入館料は500円。


普通は車で来ると思いますが、そんなの知らんという人は黒姫駅からバスを使うことになります。
7月~9月は観光バスが黒姫駅野尻湖を運行しており、1乗車500円。他にホテルタングラムへのバスが4月~11月にあり、こちらは200円。駅前の観光協会ではタクシーの初乗料金割引券も貰えるので、バスと時間が合わなければこれを使おう(野尻湖まで割引適用で2,000円ちょっと)。

www.town.shinano.lg.jpなお信濃町は結構な降雪地帯なので、これ以外の季節だとステージがアイスクライマー仕様となり難易度が爆上げされるから死ぬ覚悟が必要である。まぁ博物館、冬季閉館ですけどね。

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さて入館すると、まずは象の系統図がありました。
そもそもナウマンゾウって何なんでしょうね。

ゾウはゾウ目(長鼻目とも言う)に属しますが、その中で幾つかの科に分かれているようです。

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初期の象と呼ばれるのは5600万年~2800万年前のアフリカで見つかったフォスファティリウムですが、どう見てもカバである。君の姿で「ゾウです(迫真)」と言っても、90歳のお婆さんですら騙されず、農協の通帳を持ってATMまでたどり着きすらしないだろう。

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もうちょい進化すると象っぽい姿になってきますが、厳しい生存競争を生き残るためか、強烈な武器を携えています。
ゴンフォテリウム科に属するアナンクスは牙が相手の顔に向かって伸びる自動目つぶし性能を備えており、友達いなさそうです。
ステゴドン科のステゴテトラペロドンは牙増量中で、草を食むというよりその辺のシマウマを突き刺してバーベキューにしそうである。

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ナウマンゾウが属するゾウ科は、我々のイメージする象って感じですね。
見た目の特徴として、頭頂部に出っ張りと平らな部分があります。人間でもこういう髪型の人がたまにいますね。

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ナウマンゾウの名の由来はドイツ人研究者エドモンド・ナウマンです。彼はナウマンゾウを見て「インドで見つかった象と同じ種類のものだ」と発表しましたが、全然別の種類であることがのちに分かりました。ナウマンの嘘つき!ケチ!河童!

それなのに、最初に研究した人だから・・ということで、彼の名を取ってナウマンゾウと名付けたそうです。おそらくナウマン氏は人格者だったので、日本側も厚遇したのでしょう。オリンピック直前の会見で「最も重要なのは中ごk・・ではなくて日本」と言い間違えたり、楽器ケースに入って出国したりしなかったのかもしれません。

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ようやく展示室にたどり着きました。等身大に再現した巨大ナウマンゾウがお出迎えです。
このナウマンゾウくんは鳴声も再現されていて、博物館HP掲載の電話番号に掛けると聞くことができるという、どこまで喜んでいいのか分からないサービスがあります。

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出土品は様々ありますが、多いのは歯ですね。
長生きなナウマンゾウは60歳以上まで生きるそうですが、生涯で歯は5回生え変わり、古いものはその辺に落とされます。
上あごと下あごに2本ずつしか生えないので、その分サイズが大きい。草をすり潰して食べるので、こういう形状をしています。

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こちらは牙。江戸時代の水道管みたいな太さである。中身は空洞。

 

ところでナウマンゾウ自体は日本全国で出土しているので珍しいわけではないようですが、野尻湖の特徴として、狩りの道具が一緒に発掘されていることがあります。つまり人がナウマンゾウを捕えていた狩場だったと。
ゾウの肉は当然たべるわけですが、展示によると血液まで食用として使っていた。沖縄には豚の血を使った炒め物料理があるそうですが、旧石器時代人だからもっと豪快に、血を口の中いっぱいに含んで高笑いするバンパイアごっことかやったのだろうか。

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狩りの様子を描いた絵ですが、迫力のシーンなのに脱力感いなめませんね。ゾウも驚いた様子で「ファー!?」って表情です。左端で一人おぼれています。

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旧石器時代野尻湖ピープルのお菓子だそうです。クルミです。
その近くに似たような形の物がありましたが、こっちはヘラジカの糞でした。
「現生」と書いてますが、たぶん現代のヘラジカの糞ってことです。生の糞という意味ではないですし、刺身にはできません。

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特筆ポイントその2として、一般人が発掘に参加できる点があります。普通は専門家集団が幸せな調査をして終了ですが、ここでは希望すれば誰でも発掘マンになれるのです。世界でも珍しい手法だそうです。

 

1962年から始まり、3年に1回ペースで開催され、2018年で第22回を迎えています。
希望者は野尻湖発掘調査団までお電話を。申込書を郵送するので、記入して返送してね。ネット申込とか想定すらしてなさそうですが、調査団はほとんど高齢者なので今どきの機械は分からないのじゃよ。

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調査は野尻湖の水位が下がって地底調査が可能になる春先に、数日間かけて行われます。1日のタイムスケジュールが載っています。
時代を感じさせる写真ですね。石原裕次郎みたいなグラサンで発掘現場に来るんじゃない。

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夜はその日の発掘成果をまとめる会が行われるほか、催し物もあったようです。写真を見る限り、コンパの定義が現代と違いそうですが。

と結構なボリュームで1Fの展示室は終了。

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まだ2F展示室があります。

ただ2Fはナウマンゾウ関係なくて、よくある縄文土器展示室でした。私は大コンパで疲れ果てたので、持ち時間は2分といたします。

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奥に水槽があって、片方は魚、もう片方にはカメが居ました。魚は野尻湖の固有種でしたが、カメは外来のアカミミガメで生態系ぶっ壊しマンだからここに軟禁されています。

ペットを捨てる無責任な飼主には「ナウマンゾウの新種を見つけるまで野尻湖の湖底掘り続けるの刑」に処しましょう。

 

おしまい

 

【滞在時間】90分

【混雑度】★★(ほかに数人)

【URL】野尻湖ナウマンゾウ博物館