C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

おんばしら館よいさ

f:id:wandercspot:20200615222502j:plain

諏訪大社 下社春宮そばにある資料館です。名前通り、御柱祭について展示しています。

下諏訪駅から徒歩20分。入館料は300円です。

 

御柱祭りは当ブログで何度も関わっているので蛇足ではありますが、下記の特徴があります。

・6年に1度開催され、諏訪大社を構成する上社本宮・前宮、下社春宮・秋宮の計4カ所の柱を立て替える珍しい神事。

・柱となる大木は近隣の山で切り落とされ、人がそれに乗った状態で坂を猛スピードで滑り落ちたり、担いで大きな川を渡ったりして大社まで運ぶ。

たまに人が死んでいる。

f:id:wandercspot:20200615222803j:plain

祭りの進め方は上社と下社で異なります。この資料館は下社の近くにあるので、展示内容は下社についてです。

まずは柱にする用の木を用意するのですが、開催1年前にもう伐採しておくのだ。樹齢100年越えの大木ですが、1年間置いておくことで水分が抜けて少し軽くなるそうです。それでも8トンほどありますが。

祭り当日になったら、柱に縄を付けてずりずり引っ張って、山から大社を目指します。

f:id:wandercspot:20200615222516j:plain
f:id:wandercspot:20200615222532j:plain

祭りの模様がビデオ放映されていました。

これが最大の見どころ「木落とし」。柱の上に乗って傾斜のキツい坂を滑走するわけですが、ほとんどの人が振り落とされます。柱に轢かれたり、地面と柱の間に挟まれたりしないよう気を付けよう(どうやって)

f:id:wandercspot:20200615222617j:plain
f:id:wandercspot:20200615222439j:plain

(右の写真は下諏訪町HPより おんばしら館 よいさ | 下諏訪町

なんと、この「木落とし」アトラクションが館内にあります。死と隣り合わせになる感覚は味わえないかもしれませんが、まぁまぁ面白いです。

しかし、これ別料金200円取られるんですよね。なんでじゃい!

f:id:wandercspot:20200615230705p:plain

(H28御柱祭HPより http://www.onbashira.jp/shimosha/ticket/

本番の木落とし、観覧するにはチケットが必要です。最安値のB席だと3,000円、SS席は7,000円となっております。良い商売してるなぁ神社さんよぉ(チンピラ並感)。

部外者が柱の近くにひょこひょこ近づいて、巻き込まれて爆死ってのを防ぐためかもしれません。

そこそこのお値段ですが、6年に1回開催のプレミアムだし、年に100回くらいやってるCATSでも1万円取るんだから、別に良いんでないの。

f:id:wandercspot:20200615222547j:plain
f:id:wandercspot:20200615232050j:plain

無事に死者もでず、柱が坂を下り切ったら、次は「里曳き」。これは一般的な祭りですね(安堵)

担いでいるのは神輿ではなくて「長持ち」です。町内会だけでなく企業もそれぞれ1台ずつ所有していて、持ち出してくるんだそうな。長持ちを担ぐ練習は、下諏訪町では幼稚園の頃から行うらしい。英才教育。

f:id:wandercspot:20200615222633j:plain
f:id:wandercspot:20200615222648j:plain

んで最後に柱を大社の境内に立てる「建御柱」をやってハッピーエンド。。。ですが、実はこの部分が最も危険なのだ。1980年以降、御柱祭では5件の死亡事故が起こっているのですが、うち3件はこの「建御柱」絡みなのです。

木落としが派手過ぎて感覚がマヒしてますが、地上数mの位置まで人を乗せて柱を立てているので、よく考えなくとも危険な行事である。落下したり、柱が倒れて下敷きになったり。それでも続けるんだから懲りないですねぇ。。

 

しかしなぜこうまで危険なのかと思っていると、館員さん曰く「下社の神様は女性(八坂刀売神 )。女性は命を賭して新たな命を出産するので、下社の祭りは同じように命を懸けている」とのこと。下社の神様に現代医療の進歩を教えてあげたらどうかしら。

f:id:wandercspot:20200615222906j:plain

(上社の御柱

じゃあ上社は安全なのかと言うと、こちらの木落としは下社ほど坂の傾斜が厳しくなく、距離も短いんですね。なので迫力は下社の方が強いかもしれません。

その代わり、柱がY字になっていて、枝の部分に人が乗ってるんですよねぇ・・君らは柱があると乗らずにはおれんのか。インドの列車か。んでこれが横倒しになるとまたカオスなことになるので、危なっかしいことに変わりないのであった。

f:id:wandercspot:20200615222603j:plain

そういえば諏訪大社の神事では女性も活躍しています。「神聖な場所は女人禁止」「土俵に立ち入るな」なんて古めかしい規則はなく、里曳きでは花笠踊りがメイン種目だし、木落としにも参戦するのです。勇ましい(白目)。

歴史的に諏訪の産業である製糸・精密機械は女性労働力を必要としていたので、それが大きいという話を聞きました。

www.sankei.com

そんな御柱祭、次の開催は2022年です。前回2016年は186万人もの動員数だったそうな。大社が位置している下諏訪町諏訪市茅野市の人口あわせても13万だから、もう溢れんばかりである。

上の記事によると、6万人減ったとあるのは人気が下がったからではなく、あまりにも人が来すぎてしまうので御柱祭さんサイドが抑制策を採ったから。コミケの入場制限か。

 

下社のすぐ近くにあるので、予習にはうってつけの資料館でした。おしまい。

 

【滞在時間】40分

【混雑度】★★(他に数人)

【URL】おんばしら館 よいさ | 下諏訪町