星ヶ塔ミュージアム 矢の根や
諏訪の北東にそびえ立つ霧ケ峰山塊では、縄文時代の必須アイテム黒曜石が大量に見つかっています。縄文人が立ち入った痕跡が多く残り、またここで採取された黒曜石は北海道や東海地方でも発見されているので、意外にも縄文人はモンスターハントだけでなく交易をしていたという証になっているのです。
なので諏訪と言えば、諏訪大社とウナギと黒曜石なのだ(個人差があります)。その採掘品や遺跡を扱うミュージアムです。
この資料館ですが、「しもすわ今昔館おいでや」という施設の1つになっています。施設内にはもう1つ時計のミュージアムがあって、それと合わせて入館料600円です。
下諏訪駅からは徒歩15分程度です。
ミュージアムの名前にもなっているのは星ヶ塔(ほしがとう)遺跡。標高1,500m、35,000㎡という山奥の膨大な土地の中に、200か所ほどの採掘跡が残されています。
年代は縄文前期(5700年前)~晩期(3000年前)と、2700年間にもわたって採掘されていたのです。あんなとこまでよう行きますわな。
星ヶ塔というのは素敵な名前ですが、地面に散らばっている黒曜石を見た江戸時代の人が、これを星のカケラに例えたことが由来だそうです。
ただ当時は星の欠片のことを「ホシクソ」と呼んでいたらしい。あのさぁ(呆れ)。急に黒曜石が鹿のフンに見えてきた。
採掘跡が館内で再現されていました。黒く見えるのが黒曜石です。2~3mほどの穴を掘ると出現するので、ハンマーで削り落として地上に運搬していたようです。
当時のハンマーがこちら。そのへんで採れる石です。これを手に持って、埋まっている巨大な黒曜石をコンコン叩いて削り落とすのです。削り痕から、鹿の角も使っていたと考えられています。
削り取られた黒曜石たち。ここから加工して、棒の先端に付けて槍にしたり、弓矢の矢部分に用いたようです。
ガラス質で切れ味鋭いのでナイフ的な役割が多いです。海外では現代でも医療用メスとして使われているらしい。
黒曜石は交易品として様々な地方に輸送されたので、その返送品かどうか分かりませんが風変わりな出土品がありました。
左の石板は東北地方で見つかる形式のものですが、諏訪まではるばる運ばれてきたのです。用途は不明。見た目が禍々しいから魔王でも降臨させるんじゃないですか(適当)
右は独鈷石といい、これまた用途が分からん品ですが、資料館では「縄文ダンベル」と呼んでいるそうな。縄文人も鹿を素手で殴り倒すためにライザップしてたのかな。
規模的にあまり大きくないミュージアムなので、これでおしまいです。
【滞在時間】30分
【混雑度】★★(他に数人)
【URL】星ヶ塔ミュージアム 矢の根や – しもすわ今昔館おいでや