今井邦子文学館
下諏訪の女流歌人 今井邦子(1890-1948)をあつかう資料館です。下諏訪駅から徒歩15分。
建物はその実家で、江戸時代には茶屋をやってたのを復元しました。面している道路はかつての中山道だそうな。
入館料は無料です。
主たる功績としては、女性のみによる歌誌『明日香』を創刊し、多くの女性歌人を輩出したことがあります。
諏訪には当時の有名歌人 島木赤彦が居たのですが、この人に師事して短歌雑誌『アララギ』に参加。万葉集など古典の研究・女性参政権の主張・恋愛や育児、家庭をテーマにした作品多数など、多方面で活動していたようです。
・・・そんなことより見てほしいのは、この写真。あれ、なんだか、めちゃめちゃ綺麗な清楚系メガネ淑女じゃないですか。
しかもこの写真、40歳の時だそうです。
若い時の写真がこちら。左が(おそらく)20代後半、右は30代前半。
いやぁ、これだけでも来たかいがあったな!短歌とか全然わかんないけど(中並感)
父は国家官僚であり、完全なる箱入りお嬢様かと思いきや、なかなか難しい人生を歩んでいます。
・19歳の時に親に結婚を強制されそうになったので家出して上京
・父危篤のため帰省して看病するも、死後また家出して上京。新聞記者になり、結婚して2児の母に。
・夫の浮気が発覚して通算3回目の家出。「懺悔奉仕 光泉林」とかいう不安な名前の団体に10カ月身を寄せる。なおこの団体は今でも存在していて、大自然に感謝しつつ社会奉仕しているそうですが、主な活動は「便所掃除」とのこと。
17歳の時の写真がこれ。左側の人です。なんだか別人である。
しかしこんだけ美人なのに10年後に浮気する夫ェ、、と思いましたが、美女を嫁にしておきながら3年ちょっとで六本木ヒルズの多目的トイレに駆け込んでしまう殿方も最近登場していたので、まぁ人間の欲望にキリは無いのでしょう(唐突なまとめ)
・・で、なんでしたっけ。あぁ、短歌か。
館内にもいくつか作品展示されていますが、この3つは作品集に載っていない未発表のものだそうです。ファン垂涎じゃん。
「ふるさとは 初雪降ると聞くころを あ*をかかげて大根ほすなり」
↑ の*は、文字が潰れていて判読不明だそうです。一体何を掲げて大根ほしてたんでしょうね。アゴ?
原稿です。師匠である鳥木赤彦に添削してもらっています。
鳥木はコメントで「総体的に良い」と言っているんですが、そのわりにがんがん修正されてて笑った。「がんばりましたね」って言いながら40点/100点つけられているようなものである。
あとは遺品や出版した作品が並んでました。何故かレコードまでありましたが、万葉集の朗読をしていたそうです。
展示室は2Fにありまして、1Fはこの和室だけ。特に何も置いてないです。
下諏訪町はこんなにスペースを余らせるのではなく、今井邦子について真剣に調査を行い、もっと多くの写真を出せ 展示品を充実させるべきだと思います。
おしまい。
【混雑度】★(だれもいない)
【滞在時間】20分
【URL】今井邦子文学館(旧松屋) | 下諏訪町