C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

諏訪湖博物館・赤彦記念館

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諏訪湖の湖畔にある、下諏訪町の博物館です。諏訪湖の自然環境や生活史の資料を展示しています。併設されている赤彦記念館は、アララギ派の主要歌人 島木赤彦を扱っております。

下諏訪駅から徒歩20分です。入館料は350円。

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まずは諏訪湖博物館を見たいと思います。展示室・・というより、通路に展示物を置いている。天井が迫っているロフト感。おしゃれさを出したかったのかな?

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展示物は多くはありません。ゆっくりみても20分。通路行き来するだけなので。

左は諏訪湖の生態系のジオラマ、右は漁業の道具ややり方解説になっています。

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諏訪湖の動物や植物たちです。1970~80年代は水質汚染が激しくて湖面が緑色になったりユスリカ(コバエみたいなやつ)が大量発生するなど世紀末状態でしたが、今ではそれなりに改善した模様。ただ水泳をする際は生命保険への加入をお勧めします。

そして右側の機雷みたいな植物はなんなんでしょうね。触ると爆発するのかな?

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魚とりは幾つか面白い方法がありました。諏訪湖独自の「やつか漁」。これを冬の前に湖底に設置します。中には石が数百個積んであり、魚が冬ごもりしに集まってくるのです。

諏訪湖の水面が結氷したころ、仕掛け地点まで行って上部の氷を割り、集まった魚を一網打尽。虐殺ゲームすぎる。フナやエビ、ウナギにナマズが獲れます。

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こちらは藻草地帯に棲むエビを獲る漁法で、湖面を網でゴリゴリやるパワー系の技です。1人でやる場合は、エビを獲りつつ船の操縦もするので高難易度になります。

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湖面が結氷するとスケートリンクが出現します。明治の中頃から行われるようになり、東京からの客もあったそうですが、地元民はスケート靴なぞ買わず、下駄をスケート用に改造していました。足めっちゃ寒そう。

なお温暖化の影響か、今では結氷しても氷が薄いので、スケートをやる際も生命保険に(略)

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あとは武田信玄感が満載の兜がありました。正式名称は「諏訪法性兜」。もとは諏訪大社に伝わる兜だそうですが、浮世絵とか浄瑠璃武田信玄がこれを被って登場するので、信玄のアタッチメントになったそうです。初出は『甲陽軍鑑』とのこと。

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諏訪湖博物館はこれでおしまいで、赤彦記念館に移ります。同じ建物で、フロアも一緒です。こちらの展示室もこじんまりとしています。

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(展示は遺品や書き残した手紙がメイン)

諏訪出身の島木赤彦は明治・大正期の主要歌人で、短歌雑誌『アララギ』の出版に携わり、多くの歌人の出現に貢献しましたと。

元々この雑誌は別の歌人が出していたものでしたが、編集者の間で分裂があり、そのグダグダっぷりを知ってブチ切れた島木が長野からわざわざ上京し、編集者の首をすげかえて経営に全面的に関わりだし、その後発行部数は上昇していきました。

経営に乗り出すなんてお金もってる感が強いですが、島木の職業は学校教師です。

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(島木赤彦さん)

会社経営も出来る学校教師って素敵ね!と思いきや、30代の時に養鶏場経営に乗り出すも盛大に失敗し、困窮していて笑ってしまった。

ただそのあと小学校の校長という堅い役職を手にしているのでやはり強い。この小学校は塩尻の広丘にあったのですが、太田水穂ら当時の有名歌人が集まっており、一時代を築いていたことを、先日記事を書いた塩尻短歌館で知りました(宣伝)

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これは島崎藤村の書です。藤村が諏訪にいる知人に送ったもの。

知人がとある仕事をしてくれたので藤村はお礼として書いたそうですが、内容は宮城県の松島について謡ったもの。諏訪の知人にお礼として送るのだから諏訪ネタで書いて欲しかったところですが、藤村の頭は松島でいっぱいだったようです。

そして島木赤彦くん何も関係ないですね。博物館の趣旨にあってない気がしますが、まぁ藤村の方が有名だし、いいか!という学芸員の判断かもしれません。

 

おしまい

 

【滞在時間】40分

【混雑度】★(誰も居ない)

【URL】諏訪湖博物館・赤彦記念館 | 下諏訪町