C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

萬松山 興禅寺

 

木曽福島にある興善寺は、枯山水の庭園で有名です。

パンフレットによると「日本一広い石庭」とあるし、別のページでは「東洋一の広さ」と書いてある。夢が広がるなぁ。でも記載は統一したほうがいいよ(提案)。

 

木曽福島駅からは徒歩20分ほど。山村代官屋敷や林野庁の旧庁舎など、このエリアには見学施設が固まっている。

 

 

内部には枯山水を含めて4つの庭と宝物館がある。ただ11月下旬~3月下旬は、そのうち庭2つと宝物館が閉鎖されてしまうので時期には気を付けよう。

夏場なので豊富な緑が綺麗で、山中の名刹感を出しております。

 

 

庭園は課金制です。500円を支出する勇気のある者だけが入れるのだ。

なお山村代官屋敷と関所資料館とのセット券もあり、それを使うとトータルで200円安くなります。集金はこの先にある宝物館にて。

 

 

4つの庭園のうち最初は「昇竜の庭」です。鯉が滝を上って竜になる「登竜門」の故事を元ネタにしたもの。

ここでは、ミッションをクリアした親子3体の竜が天に昇るところと、これからその滝にチャレンジしようという鯉の姿が描かれているという。果たしてどのような様なのでしょうか。

 

 

横に長い庭園の中央付近にありました、登竜門。

・・この中のどれかが3体の竜であり、どれか1つが鯉で、どれかが滝なんでしょうね。禅の心を感じますね(棒)

 

 

2つ目は「須弥山の庭」。仏教の世界観では、須弥山という山が世界の中心にあってその周囲に9つの山と8つの海が広がっている、ことになっている。

なので須弥山を象った石がどこかにあるはずなのだが近くには見当たらない。この庭はまた横長になっていて、奥の方へ続いている。

 

 

その奥の方に行きたいんですけどね、通路に思いっきり植物が広がって通せんぼされているのだ。たぶん左奥にちろっと見える岩山が須弥山だと思う(推定)。

世界の中心に行くには困難が待ち構えているのですね。

 

 

宝物館がこちら。ここで料金を払うことになります。

最初の2つの庭だけ見て引き返せばここを通らないで済むので、盗み見勢が出そうな気もするが、肝心のNO.1枯山水はこの奥にあるのでちゃんとお布施していきましょう。

 

館内には、大きな屏風に描かれた木曽の四季がテーマの絵があってなかなか壮観であった。あとは時の権力者@木曽が使っていた道具とか。

 

 

3つ目の庭は万松庭で、ここだけ石庭ではなくて池泉鑑賞式。

実はこの庭が一番古くて江戸時代の作庭であり、これまで見た2つは平成のものなのだ。ずいぶんと最近だな。この寺にとって平成は空前の枯山水ブームだったのであろう。

 

 

惜しむらくはこの庭、入れるスペースがかなり狭い。

全体的な広さ自体はこれまで見てきたものと変わりないと思うのだが、庭の入り口から1m×4m程度の区域を除いて立ち入り禁止です。さっきの池を映している写真はかなりズームしており、普通に撮るとこうなります。

 

まぁ中を歩き回るスペースもそんなに無さそうだし、無理に通ろうとして荒れる位ならこうしてブロックしたほうが良いであろう。

 

 

さてとうとう肝心の枯山水「看雲庭」です。東洋一ィ!

うーん、なんか、砂と岩がいっぱいあって、広くてすごいですね(小学生)

 

 

とまぁ素人が見ても何の感想も言えないわけだが、住職のご家族が話されていたところによると、これは「雲の上に突き出ている山々の姿」を表しているそうな。

引かれている白い線が雲、石は木曽の山たち。天にも届く雄大で神々しい山岳風景である。

なお敷かれている砂で模様が描かれているが、これは住職が描いたもので、気分次第で変えているらしい。

 

私がボケーっと庭を眺めている横で、住職のご家族らしい人々が(恐らくプライベートな)お客さんに説明をしていたのだ。それをこっそり盗み聞きしたのです。

他の庭の分も全部教えていただきたいくらいであった。そうすればどれが竜でどれが鯉なのか分かったのに。

 

 

庭&課金ゾーンはおしまいです。最後に木曽義仲のお墓を見ます。義仲の墓って滋賀県の義仲寺にも、宮ノ越の徳音寺にもあるのだが、さらにここにもあるのだ。チェーン店か。

 

義仲に従っていた女武者 巴御前が、義仲から髪を遺品として渡されており、それを木曽に持ち帰ってここで供えたという。

この寺、15世紀の開山なので義仲の時代には存在してないんですけどね。ただボロボロになっていた寺を再築して創建したというので、元のボロボロ寺(仮名)に墓か何か作られていたのだろうか。

 

 

階段を上った正面、木柵に囲われているのがそれと思われます。パンフレットだと木柵は赤い色してるんですけど、もう剥げてしまったのだろうか。

15世紀開山の理由が義仲の追悼供養なので、となると義仲の墓なり何なり無いといけませんなってことで作られたのではないか。

 

この寺は戦国大名の木曽氏、江戸時代の代官 山村氏も菩提寺としていたので、時の権力者も葬られております。

 

 

ところで、この墓地に立っている説明看板に義仲+付き従った4人のイラストが載っているんだけれど。

 

 

この4人、2人1組になっておんぶしているような恰好になってるんだよなぁ。運動会の種目ですかね。

 

おしまい

 

【交通手段】木曽福島駅から徒歩20分

【入場料】500円

【滞在時間】40分

【混雑度】★★★(ちらほら)

【URL】公式は無いので、木曽おんたけ観光局のサイト