義仲館
源平合戦は、京都を支配する平氏をまず源義仲が追い出して、そのあと義仲が源頼朝勢に討たれる展開なわけですが、源義仲は木曽出身なので資料館があるわけです。
宮ノ越駅から徒歩5分。
公式HPが無いので開館時間などの詳細が分かりづらかった。
ここで貰ったパンフレットによると、午前9時~午後5時まで。
月曜休館、12月~3月は冬季閉鎖です。
入場料は300円。
入り口前の像は、右が義仲で左が巴御前。実在したのかどうか分らんが、義仲の幼馴染で戦場にも付いてった女武者。妻ではありません。
宮ノ越付近にはこの2人関係のスポットが幾つかあるのです。
義仲の菩提寺である徳音寺、義仲の屋敷がある&打倒平氏の旗挙をした八幡宮、巴御前の伝承が残る巴が淵など。合わせて回ってみてはいかがでしょうか。
どうせ宮ノ越駅に電車は2時間に1本くらいしか来ないので、全部回っても尺が余るくらいである。
館内ではまずビデオを眺めます。義仲の一生が扱われているが、いきなり地元の祭りやゴルフ場の映像が流れるなど観光PR要素をぶっこんで来るので油断できない。
ただ制作年を見たら平成5年であった。ビデオに登場した観光施設、まだ現存しているのだろうか。
20分くらいのビデオを流し見しながら館内をふらつきます。
義仲と、その主要な部下たちの等身大の人形だ。
豪華だなあと感心する前に、すごい費用かかってそうなことを心配してしまうのは経営の危ない資料館を見てきたからです。
義仲さんはこちら。享年31歳なので見た目若め、かつイケメンに設定されている。踏んでいるのはカモシカの毛皮だろうか。
司馬遼太郎の『義経』だと「木曽の田舎から出てきた山猿」くらいの酷い書かれ方をされているので、この人形を見たとき「あれ、猿じゃなくて人間だ」と違和感を覚えたのは私だけではないと思う。
まぁ敗者はろくな書かれ方しないからな。
大規模人形セットはもう一つ。
以仁王の令旨を受けるシーンですね。
令旨を運んできたのは新宮(源)行家だが、外人みたいな顔つき+長髪でイエス・キリストもしくは天狗のようなキャラデザにされている。
行家は打倒平氏の挙兵を各地に説きまくって実現させてしまった策士だが、戦は壊滅的に下手でほぼ全戦全敗ながら毎回死にかけつつ生き残り、口八丁でまた権力者に取り入って戻ってくるのだ。ヤッターマンの悪党とかロケット団の先祖だと思えばよい。
歴史の表舞台ではボコボコにされて酷い書かれ方をしている義仲さん。
名誉挽回のため、当館では大判の絵画で義仲の経歴をダイナミックに振り返っております。
・・これなんのシーンだか忘れてしまった(無能)
たぶん義仲が母に連れられて木曽に逃れてきたところじゃないか。義仲は埼玉の嵐山うまれなのだが、父が源義平(頼朝の兄に当たるが母は異なり、接点も少ない)に領地争いで殺されてしまったので、周りの勧めで2歳の時に木曽にやってきた。
これは倶利伽羅峠の戦い。牛の角に松明つけて平氏の陣地に突撃させパニくらせるという有名な奇襲。
ただ実際「角に火を付けられた牛が正面に突進できるのか?」という疑問は呈されている。確かに、視界に火が映っていたら普通はビビって後退しませんかね。
いずれにしろ牛は最後にはBBQになりますが、この時代の人は牛肉食べないので炭になっておしまいです。もったいない。
しかしこの資料館の面白いところはハンドメイドな展示品がたくさんあるところです。
それも手書き。気合入ってるなぁ。行政系資料館の文字詰込みパワポよりよほど良いと思う。
自力でやるならお金かけずに資料を充実させられますね。
「一口メモ」という名の一問一答集も。受験生のノートかな?
これで義仲について、いつ何時に質問されても即答でき、日本史の先生を憤死させられます。
行燈にも義仲フレンズみたいな人たちが。資料集から画像切り抜いてきて貼ったのだろうか。DIY精神がすばらしい。
ここまできたらさっきの大型人形も手作りのぬいぐるみとかに入れ替えて、ハンドメイド系歴史資料館として売り出してはどうだろうか。マツコに取り上げられるか、すごいキワモノ系施設になるかの二択ではあるが。
館内おしまい。
ちなみに木曽町の人の義仲万歳っぷりは結構強いようで、木曽福島の駅に義仲と巴御前をモチーフにしたキャラがいる。
名前はまんま「義仲くん」と「巴ちゃん」。これは人気でないな(直球)
郵便ポストにも名前が付けられていて「義仲くん」だそうだ。さっきのキャラと駄々被りやんけ!
おしまい
【交通手段】宮ノ越駅から徒歩5分
【入館料】300円
【滞在時間】40分
【混雑度】★(だれもいない)
【URL】公式は無いので木曽おんたけ観光局のページ