千葉市立加曽利貝塚博物館
加曾利貝塚って日本史の教科書に未だに出てくるんですかね。 ここがその現地です。グラウンドゼロ。
千葉駅東口から京成バスで20分、「ほおじろ台」か「桜木町」で降りて徒歩15分。
本数は結構あるのだけれどバス系統も複数あってややこしいので、京成バスのHPでルート検索するのが一番楽だと思います。
いちおう千葉都市モノレールでも来れるんですけどね。桜木駅から徒歩15分。
ただアレは高くて遅くて本数も少ないんでね(ぼろくそ) 。よほどモノレールに乗りたいって人以外にはお勧めしない。
入館料は無料です。
地元では有名な史跡と言うこともあり、引率されているお子様の姿もチラホラ。市内の小学校の格好の遠足の場になっております。
館内はこんな感じ。1966年開館だっていうから、けっこう古さを思わせる内装でした。洋式トイレあるのだろうか(不安)
逆に昭和レトロ建築が好きな方はテンション上がると思います。私がそうでした。
さて最初にこんな円グラフがありました。貝塚の個数を示したものです。
日本全国にある縄文貝塚は約2400基。うち千葉県に600以上あるそうです。つまり日本の貝塚の1/4は千葉県に存在しているのだ。貝塚大国じゃないか。
千葉には銚子のイワシと舞浜ネズミのほかに貝塚が大量に存在する。覚えておきましょう。あとドイツ村も(小声)
(1907年調査時の写真)
加曾利貝塚を世に知らしめたのは上田英吉という学者です。1887年に出した論文で「貝と土器まみれや」と書いたのが最初。その20年後の1907年に本格的な調査が入り、「加曾利は本邦第イチィィの貝塚」と認められたのだ。
その本格調査のときの写真がこれですが、よくみると真ん中で思いっきり寝そべっている人が居ますね。ここは貝殻だらけのビーチでは無いのですよ。
そんな加曾利貝塚も、戦後の都市開発の中で破壊される危機があったのだ。1960年代に貝塚が含まれている土地を購入した開発業者が、貝塚の一部を破壊。
これにブチ切れた高校の先生 武田さんが保存運動を開始。マスメディアや学生など多くを巻き込んで、最終的には千葉市が土地を買収して遺跡としましたとさ。めでたしめでたし。
発掘した貝殻はどのように扱われるのでしょうか。
まずこの袋に入っているのが、貝塚から持ってきた貝殻たちです。
面倒なので土ごとまとめて掘り出してきました。土まみれや。
ふるいにかけて余計な土を落とし、ついでに貝の大きさごとに分けることができます。
大きいのはハマグリ、中くらいはアサリ、小さいのはシジミみたいな感じですね。
あとは水をドバーっとぶっかけて綺麗にします。以上、終了!QED.
これは2014年に行われた調査の写真なのですが、発見された貝の97%がハマグリとイボキサゴであったとのこと。
イボキサゴは現代では生息数が激減してしまったが、木更津で僅かに採れるらしく、加曾利貝塚で試食イベントを行ったこともあるそうです。
身は1cm程度で、サザエのような味がするんだとか。食べたい(本音)
なので土器の研究もしており、なんなら自分らで作ってみるかという試みもやっている。写真は屋外で盛大にファイアーしているところです。
中には相当なガチ勢も現れました。群馬県桐生市で喫茶店を営む新井司郎さんです。
よほど加曾利貝塚が気に入ったのか、店の営業を奥さんに丸投げして、本人はわざわざこの博物館で寝泊まりして縄文土器を作っていたそうです。よく頑張りましたね、奥さんが。
なお出来上がった縄文土器の一部は、喫茶店で器として使用されたそうな。経費削減になって奥様の機嫌も回復・・するとは思えませんけどね。その土器が夫婦喧嘩の武器にならないか不安である。
館内はおしまいです。では実際の加曾利貝塚を見に行きたいと思います。
この一帯は公園になっていて普通に遊んでいるお子ちゃま勢もいます。歩いて1周20~30分はかかるんじゃないでしょうか。
これが貝塚を保存している建物。貝塚を覆うようにして建てているようです。
貝塚の真ん中を通路がぶった切っている感じ。あれ、これは破壊活動では(あげあし)
地下空間で空気が滞留しており、土っぽい臭いが強くしております。
貝塚の地層を間近で見られるのです。上部の方にハマグリが溜まっていますが、下部はただの土だけになっているぞ。
下部の層は5000年以上前の地層だそうです。5000年より新しくなるとハマグリが出現するので、加曾利貝塚の付近に人が定住し始めたのがわかるそうな、なるへそ。
しかし中にははっきりしないものもあって、「住居跡か?」なんて疑問形になっていたりする。いや私に訊かれても困りますがな。
住居あとの建物は公園内にもう1つあります。こっちは穴がポコポコ出来ててハッキリしているね。
おしまい
【交通手段】千葉駅からバス20分+徒歩15分
【入館料】無料
【滞在時間】60分
【混雑度】★★★(ちらほら)
【URL】