C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

茂原市立郷土資料館

 

 

茂原市の郷土資料館です。

茂原駅から徒歩20分、茂原公園と言う割と規模が大きな公園を突っ切って一番奥にあるよ。

 

 

中は郷土資料館のほかに美術館もあります。

美術館では地元の芸術家の作品展のほか、コミュニティクラブが作った品物の展示もしてた。

地域密着型の様です。

 

 

美術館があるので、建物の周辺にはこのように奇怪な屋外展示が並んでおります。

千葉大出身の武荒信顕という彫刻家による「あなたと」という作品です。

あなたと一体何をしたいんでしょうかね。

 

 

さて館内へ。

入場料は無料です。

右側にあるのが美術館ゾーン。

 

 

反対側にあるのが資料館です。

 

 

その入り口付近に農機具が積み上げられているけれど、展示室に収まり切らないからここに置いているのかな?(煽り)

 

 

最初の資料は、天然ガスの話です。

ちょっとこれは意外な展開。

 

 

なんでも千葉県の東部は国内有数の天然ガス田であるそうな。

県内で最初にガスを掘りあてたのは1891年大多喜でのことで、20世紀になって本格的なガス利用が進んだようである。

 

 

国内生産量でみると、千葉県は2位にあたるそうな。

すごいぞ千葉県。

トップの新潟の方に目が行ってしまうのはご了承ください。

 

 

この千葉東部のガス田には3685億㎥のガスが眠っているそうな。

生産量にして800年分。

なんだ、エネルギー大国だったのか日本は。

これは安泰ですわ。

 

まぁ日本の天然ガスの年間輸入量は1000億㎥超えてるんですけどね。

ガス田、3年でおしまいである(チーン)

 

 

ただこのガス田の本当の強さは、ガスではなくヨウ素にあるのであった。

レントゲン造影剤とか防カビ材・医薬品で用いられるのだが、なんと千葉県だけで世界の生産量の2割をカバーしている。

ガス田じゃなくて、ヨウ素田に改名した方が良いんじゃないか。

千葉県の学生たちは、ヨウ素を扱っている企業を就活で狙うべきである。

 

 

この写真はガスを掘っているところではなく、貝塚の発掘現場です。

ガスの話はおしまい。

ここからは通常通りの郷土資料になります。

 

 

土偶の皆さん。

 

 

顔がすごい簡単に作られてるなあ。

 

 ゜l゜ 

  U 

 

 

(ー|ー)

 

 

ちゃんと縄文土器もありますよ。

土器はやっぱり縄文中期。

 

 

貝塚で見つかった人骨。

 

 

これも人骨。

 

 

人骨置きスギィ!

 

 

この辺は養蚕の道具です。

かいこかいこ。

 

 

突然近代になったな。

明治時代に登場した人力車のようである。

 

茂原は街道筋にあったので交通手段の発展も起こり、1890年代には自転車や乗合馬車が出現。

列車は総武鉄道が敷設されて両国~大原が1900年代に開通した、今の総武線外房線

ちなみに総武鉄道という会社は埼玉でも登場するけれど、あれは別物で、のちの東武野田線である。

 

 

そんな近代化著しい仲、この古びた箱モノは「人車軌道」の車両。

人が手で押して動かす列車である。

 

 

茂原駅から約9km、長南という土地まで敷設された。

長南ではカマス(藁で出来た袋みたいなやつ)や莚(むしろ)の製造が盛んであり、それらは軍隊で必要としたため、軍の助力を受けて建設したそうな。

 

そういえば先ほどの総武鉄道も、軍の拠点がある地点を経由するような形で敷設されているので、鉄道と軍の関係の深さを知るわけである。

 

 

しかし人車軌道、こうやって2人一組で列車を押して進むのだが、車内の定員は8名なので相当な重労働である。

茂原~長南の9kmを、片道50分。歩くよりはマシか、くらいである。

 

1909年に開業したが、1921年に乗合自動車が出てくると、当然のように人も物資輸送もそちらを使うので、1925年には終了した。

当たり前の展開だが、むしろ16年間よく持ったな、という感じである。

 

 

こちらは鋤と鍬のコーナーです。

なんでか知らんが、やたら弥生~古墳時代の物が発掘されているらしい。

 

ここで問題ですが、鋤と鍬、どっちが「くわ」で、どちらが「すき」でしょうか。

 

(画像はWikiから)

 

鍬 ← くわ でした。

受験生は「くわは秋」と覚えましょう。

 

・・漢字はいいけど、鍬と鋤の形の違いもよく分かりませんな。

とりあえず鍬は上の写真のように、柄に刃が取り付けられているものだそうな。

 

 

鋤は、柄と刃がストレートに繋がっているものを言うのだと。

スコップだな。

 

 

4又の鋤が発掘されたので展示しているよ。

ちなみに「四又鋤」で検索すると、ダークソウルの攻略サイトばかり表示されます。

それどう考えても、農具として扱ってないでしょ。

本来の用途を上位に表示してクレメンス。

 

 

これは弥生時代の琴。

九州などでは珍しくないそうなのだが、東日本で完全な形で発掘されたのは、ごくわずか。

すごいぞ茂原。

これからは「ヨウ素と琴のまち」として覚えましょう。

 

 

多少綺麗にはしているのだろうが、板はしっかりしている。

 

 

最後に昭和な部屋です。

縄文→近代→弥生→昭和、とトンでもない飛び方してますね。

 

 

凄まじく懐かしいアイテムも載っています。

今の子供にやらせてみても、たぶんそれなりに熱中すると思う。

 

 

以上。

 

【交通手段】茂原駅から徒歩20分

【入館料】無料

【混雑度】★★(他に2~3人)

【滞在時間】40分

【URL】

www.city.mobara.chiba.jp