千葉県立 海の博物館
勝浦市に千葉県立 海の博物館があります。
鵜原駅から徒歩15分、海中公園の対面である。
千葉県の水族館と言えば鴨川シーワールドだが、シャチのダイビングとか派手なものはあちらに任せて、こちらではよりちゃっちい学術的なものを扱っております。
入館料は200円。
海中公園展望塔の1/5近いんですが。
海の博物館と言うからには、さぞかし海中生物が見られるんでしょうねえ。
<p・・と思って入ったけど、最初の展示はハリボテだらけだよ。
この時点で、入場料が安いことも含めて、いろいろお察ししてあげましょう。
ガラスに反射してろくに写っていませんが、勝浦の海を表すジオラマです。
置いてあるのは海藻です。
お魚さんは居ない模様。
カジメという海藻で、水中に生えて高さ2mにも達するらしい。
光合成によって有機物をじゃんじゃん生み出し、その量はなんと陸上の木々を上回るんだとか。
最強じゃん、陸上の林をぜんぶクビにして、この海藻の樹海作ろう(温暖化対策)
ただし、なぜか動植物が嫌がる要素まで一緒に排出するそうなので、こいつが林立しているところには他の海藻や動物はあまり近寄らないらしい。
やっぱりダメだこいつ(掌返し)
分からないかもしれませんが、これは夷隅川の干潟なのです。
砂浜にしか見えませんが、干潟です。
カニ君もハリボテらしいリアリティをもって歩いています。
こちらは九十九里浜です。
さっきと同じジオラマではない、断じて違います。
九十九里浜は全長70kmにも及ぶ砂浜であるが、形成されたのは6000年前の縄文時代のこと(縄文海進)。
当時は海抜が今より2m高く、銚子~外房の太東まで湾になっていて、そこに土砂が運ばれて浅い海底が出来、縄文海進が終わって海抜が下がった時に、その浅い海底が陸地となって九十九里浜と平野が出来上がったそうな。
そして「日本三大砂丘」に選ばれているとwikiに書いてある。
・・のだが、どうも三大砂丘については誰が決めたんだか良く分からんようで、あやふやなものになっている模様。
そもそも鳥取以外に砂丘があるのか、知っている人はそんなに居るのだろうか。
そんな砂浜に打ち上げられたものたち。
カニは腕がもげて、無残な姿になっている。
味噌汁にこんな形で入ってるよね(よだれ)
ガンギエイの卵のう。
エイは卵を母が持って孵化させたりするらしいが、はぐれちゃったのねぇ。
死んで打ち上げられたカメという、ショッキング画像も貼られております。
子供の教育上、大丈夫かな?(棒)
子育ての仕方、分類表。
魚によっていろんな育て方があるようです。
カサゴなどは体内で育てるので「溺愛型」、スズメダイは離れたところに子供を行かせるので「放任型」と言えるかもしれません。
子育てする性別は、なんとオスの割合の方が高いようだ。
魚の世界ではパパ活・・じゃなくてイクメン化が進んでいるようである。
日本政府も見習ってどうぞ。
たいへん近未来的な装置である。
のぞくと深海生物がいた、模型だけど。
ここまで動く生物、無し。
広いゾーンに出ました。
この辺は、勝浦周辺の動植物を扱っております。
ついに海ではなくなってしまいました。
まさか海の博物館で昆虫標本を見るとは。
その中にスズメバチはいってますけど。
「勝浦に住む昆虫」なんて穏健なコーナーで扱ってないで、はやく駆除してくださいよ!
こちらは海藻についてのアルバムだって。
・・あぁ、押し花形式にしているのね。
ちょっと意外だった。
ヒジキほっそいなぁ。
そういえば私の通っていた高校に「ヒジキ」とあだ名されている人が居たが、この実物を見るとどう考えても侮蔑である。
貝コーナー。
だんだん海に戻ってきた。
しかしクモヒトデ君は蜘蛛嫌い勢からは嫌悪されそうな姿しとるね。
ようやく水槽が出てきたぞ。
居るのはハゼとか、微妙な小魚ですが。
動いているものをここに来て初めて見たので、なかなか喜ぶ。
こっちの水槽には何が居るのかな?
貝だった。
スガイ。
ガッカリしたところで、一風変わった展示です。
貝の舌である「歯舌(しぜつ)」を電子顕微鏡で拡大したもの。
イボニシという貝の舌。
ギザギザしているものは歯に該当し、硬い突起で出来ているらしい。
見た目気持ち悪いが、これは面白い。
こっちはサザエ。
もう異界感がガンガンである。
サザエ嫌いの人は、これでいっそう食べられなくなったでしょうね。
海中に生け簀を作っており、入り口を一か所開けておいて、あとは石を積んでブロックにしている。
潮が満ちると、海水と共にイワシがドバーッとこの生け簀の中に入り込んで来るので、ある程度入ったところで入り口を閉めてしまえば総取りである。
あれ、イワシってすごい頭わるいの?
ゲットしたイワシは、陸側に掘ってある生け簀に移して保管します。
これらのイワシはそのまま食べたり干鰯に加工することもあるそうだが、それよりもマグロの餌として使うらしい。
上玉を得るための完全なる道具と化している。
またこの辺は貝ですが、ウニなどの針を全部とっちゃいました、ってことらしい。
針を取った後のウニ。
草間彌生の描くカボチャみたいになってますが。
これ食べる気にならないなぁ。
子供向けのお触りコーナー。
貝とか、カジキの鼻?に触れるよ。
これは何という貝だろう。
ネコザメの卵のうだった。
ちょっとそんなの何気なく混ぜないでクレメンス。
海に行くときの道具たち。
このホワイトボードもどき、すさまじく懐かしいなぁ。
現代の子供たちはタブレットがあるから、もう使わなくなるでしょうね。
というわけで、常設展はおしまいです。
企画展もあるよ。
このときは外来種特集をやっていた。
土着の生物を脅かして嫌われている連中をわざわざ紹介して恥をかかせるコーナーである。
そんなコーナーを紹介するのは彼ら、海藻をモチーフにした「藻じゃーず」。
初登場は2013年の展示らしい。
それ以降に登場機会があったかどうかは、知らん。
そして序盤に置いてあるのが虫かごなんですが、一体どういう事なんですかね。
ダンゴムシです。
意外にも外来種であるそうな。
明治時代にヨーロッパから持ち込まれて、もはや定番の昆虫になってしまった。
ワラジムシ。
これもヨーロッパから持ち込まれたとのことだが、そもそもこれ持ち込むってどういうことよ。
魚が出たと思ったら、死んでいました。
外来種がなぜ入ってくるかの説明。
わざと持ち込んだ連中も居るけれども、船のバラスト水に紛れて運ばれてきてしまう種も多いそうな。
船の積み荷を目的地に運んで、帰りは空で帰るとき、そのままだと船の重さが足りないので、出発地の水を組み込んで重し(バラスト)とする。
そのバラストの中に、出発地特有の生物が紛れ込んでしまう。
目的地についてバラスト水を放流すると、出発地特有生物も放たれて、目的地の環境に入り込んでしまうというもの。
いまではバラスト水を放流する際、生き物が一緒に放流されないよう工夫がされているとのことである。
本当にそうなんかねぇ(なぜか疑念)
このミドリガニ君もバラストで運ばれてきてしまった種である。
右の方に行きたいみたいなのだが、ガラスにぶち当たって、左足だけ上に行ってしまうのを何度も繰り返してた。
サキグロタマツメタという貝の卵塊だそうです。
触れます、砂で出来たブロックみたいに容易く砕けます。
(サキグロタマツメタに食べられた貝)
他の貝に穴をあけて食べてしまう、悪い貝です。
日本には既にツメタガイという同じ悪さをする貝がおり、こちらは食べてもマズい無能なのだが、サキグロタマツメタは美味らしい。
捕まえて食べて減らしましょうね。
外来種と言うのは、国外からくるだけでなく、国内の他の地域から別の地域へ移されて、そこで在来種を倒してしまうという問題もあるそうな。
アユは琵琶湖産のものが全国に流通し、放流先のアユや魚を淘汰してしまう。
金魚でも確か似たようなのがあったような。
ウシガエルは食用として輸入されたらしい。
ちなみにカエルは鶏肉みたいな味がして、けっこう旨いです。
もちろん食用に育てられたカエルの話であり、その辺でゲコゲコしているやつではありませんが。
これはアフリカツメガエルの水槽。
彼ら、この姿勢のままで一切動かない。
模型かと最初間違えたくらいだった。
迷惑をこうむっているのは我が国だけではありません。
日本産のものが、海外に行ってしまって被害を起こしているケースもあります。
これはニュージーランドに棲みついてしまった、日本のワカメ。
そんなの味噌汁にして飲みなさいよ、と思うのだが。
こんなに繁殖してたら、いくら飲んでも溢れかえりますわな。
そもそもニュージー人が味噌汁飲むのか疑問である。
でもビーフばっか食べてないで、少しは海藻食べた方がいいと思うよ(偏見)
イギリスではWANTEDにまでなってしまった。
あと動物の外来種も若干紹介されていたんだけれど、ハクビシンは車にはねられた後の写真載せているんですが、情操教育上だいじょうぶなんでしょうかねぇ。
現実の厳しさを妥協せずに伝える、海の博物館なのであった。
以上。
【交通手段】鵜原駅から徒歩15分
【入館料】200円
【滞在時間】60分
【混雑度】★★★★(すぐ横に人)
【URL】