C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。車が無いので公共交通機関利用で粘っております。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

ぶどうの国文化館

山梨=ぶどうって言うけれど、これで他県に生産量負けてたら面白いなと思ってググったら、ちゃんと日本トップだった。疑ってすみませんでした。

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(ワインも1位。https://www.pref.yamanashi.jp/toukei/nippon_ichi.html


このページ、山梨県が1位なもの片っ端から挙げてるんですが、「1日の平均食事時間が日本一」「人口あたりの寿司屋数が日本一」とジャンルが多い。戦いの場を広げすぎである。そのうち「息子に信玄と名付ける世帯数1位」「小山田信茂を絶対に許さない県第1位」も加わるかもしれない。

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なので「寿司の国文化館」でも良かったわけですが、県内ぶどう過激派の反発が予想されたため、ぶどうの国資料館を建てたようです。
入場無料。勝沼ぶどう郷駅から市民バス「図書館・文化館」停留所で降りると良いでしょう。1日10本も無いので時間がシビア。

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入国するとオッサンが寝ています。私はぶどうを見に来たのであってオッサンの寝顔に興味は無いんですが、ブドウの国にはオッサンが生っているのでしょうか。

これは行基ですね。空海と並んで全国どこでも居るので登場場所はセブンイレブンの店舗数より多い気もしますが、この人が甲州を訪れた時、夢にぶどうを持った薬師如来が現れてその夢の後でぶどうの木を発見したというナンマイダー

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その行基の背後の暗闇から飛び出ている不審なおじさん。雨宮さんです。12世紀の人物で、山中で変わった植物を見つけたので持って帰ってきたのがぶどうになりました、って話。
自分が見つけたはずのぶどうを行基の手柄にされたショックでダークサイドに落ちたのでしょうか。恨めしそうな表情。あと戦場カメラマンに似てますね。「ぶどうは、、、私が、、、食べました、、、」

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そんなんで勝沼では古くからぶどう栽培がおこなわれており、江戸時代の旅行記や紀行文でもその一面が見られます。左は1693年の勝沼の模様でブドウ棚。
右は十返舎一九による道中記なんですが、奥州出身の僧侶と一緒に旅するのは“鼻毛延高”という連歌師。小学生の思いつきみたいな名前つけるんじゃない。なお画中の人物はどちらも鼻毛は出てないのでどちらが鼻毛さんかは分かりません。

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甲州街道勝沼宿では名産品としてぶどうがよく売られたそうです。ぶどう果汁につけた漬物とか干しぶどう、ジャムなど加工食品も多くてバラエティに富んでいました。

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次のレンガっぽい部屋は時代が進んで明治以降、ワイン産業の発展や製造の仕方などが説明されています。
開港と共に外国人居留地ができたのでワインやビールの需要が生じ、それに実業家が着目。とくに甲州人はのちに「甲州財閥」と呼ばれる人々を輩出したように先見の明がある人が多く、ワイン醸造を日本で最初に行ったのも彼らでした。

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しかしこの人どの方向みて酒注いでるんですかね。絶対こぼれるだろ。手元を見ろ。

相手の人も「え、こいつどこ見てんの(困惑)」感あふれる表情をしている。洋酒の度数は高いから酩酊意識朦朧しているのだろうか。港ヨコハマ1880年頃の風景です。

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山梨県内各地でワイン醸造が始まりますが、西洋ぶどうがなかなか日本の土壌で育ってくれず、ひたすら苦労。明治10年に創設された大日本山梨葡萄酒会社は高野正誠・土屋龍徳の両名をフランス留学させてワイン製造全般を習得させます。それがこの人たちね。

2年後に帰国した2人を中心に醸造開始、これでボルドーシャンパーニュしてボジョレーヌーボーや!と思ったんですが製造や貯蔵過程で欠陥があり、たびたび変な味のワインを出してしまったので5年後には会社解散しました。変な味ってなんだ。コルクを開けたらワキガの香りでもしたのだろうか。

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ワインを定着させるために販促も種々おこなわれました。当時一番の娯楽は歌舞伎なので会場に宣伝広告貼るとか、著名な役者にワイン割引券くばってもらうとか。
勝沼の気合は凄まじいものがあり、特に日之出商店という醸造所では日常生活で他の飲み物すべてを廃し、常にワインを飲むようにした。社員全員アル中になって仕事どころでは無いのでは。その後、日之出商店の行方を知る者は無かった・・(完)

 

歴史の展示はそんなところでした。博物館特有の「そして現代へ・・」みたいなのが無いし、明治以後どう発展を遂げたのかサッパリなのですが、とにかく終わりです。あとは君の眼で確かめよう!(ボトルを開けながら)

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そんなことより甲州市内ではこれだけぶどうを作っているんだ。こいつをどう思う。

どう思う以前に種類ありすぎて読む気がしないのですが、パッと見ただけでもすごく変な名前です(小並)ルビー大久保とかルビーオクヤマとか。この分だと実と実の間がすごい離れてる「テリー伊藤」とか、ぶどうにミカンが付いてる「ルー大柴」とかもありそうですね。

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あとは勝沼地域の各ぶどう農園の形状とか土質のレポートもあったのですが業界人以外誰が見るんですかね。圧倒的知識量で素人見学客をぶちのめすのはやめてさしあげろ。

 

というわけでした。
ワイン知識を高められた、、かどうかは分かりませんが徒歩圏内にワイナリーあるのでその足で飲みに行ってどうぞ。
おしまい

 

【滞在時間】40分
【混雑度】★(だれもいない)

【参考文献】『日本ワイン誕生考: 知られざる明治期ワイン造りの全貌』仲田道弘
【URL】甲州市 | ぶどうの国文化館