鴻沼資料館

鴻沼(こうぬま)資料館は、さいたま市桜区にある郷土資料館である。

開館は1992年。
地域の暮らしぶりを記録に残すため、住民から集められた民俗資料を展示することが目的である。

民俗資料、もとい農機具がどかどかと置いてある。
各農家で使わなくなったやつを、ただ引き取っただけな気もするが、そういうことは口にしてはいけない(戒め)

各展示品はガラスケースにしまわれている。
展示品の保護には良いかと思うが、ガラスに光が反射してろくな写真にならないんだよなあ(涙)

郷土資料館らしく、手作り感のある展示。

オリジナルキャラクターも手描きである。

同じ米でも、別キャラとして扱うらしい。

ガラスケースに入りきらなかった奴は、その辺に置いてあります。

模型。土地改良区についてのものらしい。

土地改良区についての展示は幾つかあるのだが、改良区自体の説明は館内に無い。
入口に置いてあるパンフレットには説明があるので、これを先に読まないと館内でずっと「?」を抱えることになるので要注意。
私は帰宅してからパンフレットを読みましたので(以下省略)

階段を上がります。

引き続き農機具の展示。
やっぱ好きなんすねぇ。

1階には米のキャラ以外に説明っぽいものがなかったが、ここにきてようやく解説ゾーンが。

資料館の名前でもある、鴻沼についての説明。
北端を与野本町駅あたり、南端を中浦和駅あたりとする、けっこうなサイズの沼であった。
縄文時代の海面上昇で水が入り込み、水位が下がったあとも、水はけの悪い地域は水が残って沼となったという展開。
見沼と同様である。

沼は周辺住民が農業用水として利用していたが、「耕作地広げるンゴ」運動である享保の改革に伴い、干拓されることになった。
沼の中央に排水路を設け、水を抜いて荒川に流す。
農業用水が無くなってしまう分は、東隣の見沼代用水から引っ張ってくる。
見沼と内容は一緒である。

見沼代用水から引っ張ってくる水路は「高沼代用水」と言うが、思いっきりさいたま新都心駅の下をぶち抜いています。
また名称が「鴻沼」ではなく「高沼」になっている。
武士などは「鴻沼」と書いていたが、農民にとって「鴻」の字は難しいので(こなみ)、「高沼」と書いていた。

なお現在のこの地域は住宅地が増えてきたので、もう農業用水は不要になってしまった。
歴史ある用水路も、いまではただのドブ川になっている可能性が高レ存。

しかしこの資料館に展示してある図は、なかなかわかりやすい。
浦和博物館にあった図はごちゃごちゃしてて意味分らんかったから、ここのと同じのを導入して、どうぞ。
ろくな写真が無いが、これだけ農機具があるのでそれを最後にいくつか。
万石通しといって、米と籾殻を篩にかけて分けてくれる機具である。
別名「千石通し」である。
千なのか万なのか、どっちだよ。
縄をなう機具、縄ない機。
縄作っているのに、縄ナイ機。

田下駄を履きこなすには相当な訓練が必要な気がする。
館内はおしまい。

ちなみに展示室の下には、トラクターとか農機具ぞろぞろ。
これも展示品かな(すっとぼけ)。

あと開館時間だが、9時~12時までと大変ショートである。
パンフレットを見ると、昔は9時~16時までやっていた形跡があるが、たぶん客が来ないから縮めたのだろう(直球)。
まぁ立地も立地なので仕方ない。
以上。
【入館料】無料
【滞在時間】30分
【混雑度】★(誰もいない)
【URL】さいたま市/鴻沼資料館