C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

市川市動植物園

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市川市にある動物園です。流しそうめんみたいにカワウソが流れる「流しカワウソ」で知名度を広げています。ライオンや象など大型動物はいないけれど、中小規模の可愛い系の生き物を揃えています。

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ただ立地がややこしいです。市川大野駅本八幡駅からバスがありますが、1時間に1本程度。都心近くのベッドタウンにしては控えめな本数ですね?

徒歩だと、運賃が日本トップクラスに高い北総線の大町駅が最寄りです。徒歩5分でこの看板に行き当たります。動物園にしては筆圧とオーラが強すぎる。道場か。

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自然観察園の中を通って動植物園に向かいます。ちゃんと舗装されてはいますが、植物の生い茂り方が凄まじくて、むしろ自然が侵入者である我々を観察している雰囲気である。季節によってはトンボやバッタがびゅんびゅん飛び交っているので事故らないよう気を付けよう。

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道中にはバラ園もありますので小休止。というか、動物園までけっこう遠い。2km程度。帰りはバス一択ですなこれは(すでに疲弊)

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はい、ようやく着きました。入園料は440円です。市の施設だから安い。

なお動"植"物園のうち、植物園部分については今通ってきた道のことを示しているようです。中は普通に動物園です。

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まず入るのは、なかよし広場。かわいい動物さんたちと触れ合いスキンシップがはかれるよ!というエリアですが、コロナの影響でお触りは自粛中。窓や柵越しに眺めるのみとなっています。

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まぁ触れなくても可愛い動物は見ているだけで癒されるものです。左のアフラックは柵のもっとも手前でお休み中という、出来る限りのファンサービス。

右は北極圏に生息するシロフクロウ。すました表情と挑発的な目つき。眺めていると、けっこうこちらの方を値踏みするような顔で睨みつけてきます。M体質の男性はハマると思います。

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モルモットもっさもさ。精力的に動き回っています。千葉市動物公園のモルモットは近づくとなぜか逃げていくのですが、彼らはそんなことなく、よく訓練されているようです。千葉市はモルモットをここに留学させたほうが良い。

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モルモットのケースは隣にもう一つあったんですが、こちらの子たちはあまり動かず、のっさのっさしている。老人か。
と思ってたら、本当にモルモット用の老人ホームであった。年を食うとモルモットも動きが鈍るんですねぇ。寿命は5年しかないらしい。レタスをむさむさ食べる姿に哀愁漂います。

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ポニーたちは普段は背中にお客さんを乗せているんでしょうが、それも出来なくて暇そうです。従業員に聞かれないところでひそひそ話でもしてるんでしょうか。

ロバは話す相手が居ないので柱にヘディングをしています。

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広々とした庭+小屋のゾーン。誰も居ませんが、なにか出てくるんですかね。

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待っていると、小屋の中からレッサーパンダが現れました。今年で12歳になるソラちゃんです。レッサーパンダの寿命は飼育下では15年弱らしいので、まぁまぁ高齢。5分ほど庭をうろついて観客サービスをしたら、また小屋の中に戻ってしまいました。営業終了。

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その次はミーアキャットのゾーンですが、こちらは家の中で仰向けで爆睡中。土日の父さんか。日ごろの疲れがたまっているようです。

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そして動物園の名物、コツメカワウソのエリアです。とにかく落ち着きがないので動く動く。ピントを合わせるのに苦労します。

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しかしやたらキーキーと甲高い声で鳴いており、エリア左端にある換気口みたいなところでジタバタしてるんですよね。あそこに何かあるんでしょうか。

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換気口?の反対側に行くと、もう1匹カワウソがいました。こちらもキーキー鳴いては、換気口に首を突っ込んだり、あたりをグルグル回ったりしています。なるほど、君らの仲は塀で引き裂かれてしまったのか。悲しいなぁ。一緒にしておくと発情してマズいみたいな理由でもあるのだろうか。

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カワウソエリアは更にもう一つ。優遇されてるなぁ。そしてここが噂の「流しカワウソ」開催会場のようです。

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このエリアのカワウソは1匹だけ。流しそうめん機の近くにやってきました。お、ついに流されるのか!?

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流されませんでしたー。

10分くらい見張ってたんですが、結局1回もパフォーマンスはなし。気が乗らないとダメなのかもしれません。次行くときは手拍子やサイリウムで気を引いてみよう。

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さて屋外はこれでおしまい。最後に、園内にある博物館を見学します。

市川市の自然や地形、生息する生き物など幅広く説明展示を置いてあります。まぁ1フロアだけなのでさほど広くは無いです。

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海に面しているので海洋生物の説明もあります。アカエイは尻尾に毒があり、刺されると死に至ることもあるそうな。

そんな恐ろしい魚を、動植物園の職員が調理してみました。ノリが軽すぎる!もともと食用にもなる魚なので普通に美味しいそうです。

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市内に生息する鳥の紹介ですが、、ハトにカラスって、君らどこにでもいるじゃないか。市川は都会なだけあって、この辺はちょっとインパクトに欠けますね。

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しかしカラスネタでは負けません。彼らは色んな所に巣を作るのだ。木の上だけではなく高い鉄塔の上にも。巣の材料はそのへんに落ちている木の枝のほか、ハンガーや針金類まで集めてくる。右側の写真は、実際に発見された巣だそうです。

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あとは皆さん大好きな昆虫もいっぱい飼育されてますので、ゆっくり見て行ってね!

桶の中にいるのは「コオイムシ」。オスは子供の卵を背中に背負って、水辺をうろつく習性があります。昆虫界のイクメンと呼ばれているに違いない。

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卵を背負っている時の写真がこちら。気持ち悪すぎる。集合体恐怖症の人は見ないことをお勧めします(手遅れ)

 

というわけで動物・植物・昆虫と幅広く扱っていますので、いろいろ見られるし、見たくないものまで目に入ってしまうのでした。おしまい。

 

【滞在時間】2時間半

【混雑度】★★★★(すぐ横に人)

【URL】市川市動植物園

 

北杜市オオムラサキセンター

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山梨県北杜市にある、国蝶オオムラサキの専門施設です。大規模な飼育室で放し飼いされており、直接観察できたり、さらには指や肩の上に乗ってくれたりします。虫嫌いは発狂間違いなし!ホラースポットです。

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最寄り駅はJR中央線日野春駅です。甲府駅から北へ40分ほど。そこから徒歩で15分。

この北杜市が位置する八ヶ岳高原はオオムラサキが多く生息しているので、保護と観察施設として作られたそうな。

入館料は420円。

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まずはオオムラサキについて予習しましょう。標本を始め解説展示が並んでいます。

国蝶とは言うものの、実は公式に国家が指定しているのではありませぬ。戦前、大学教授らの集まりである蝶類同好会なる組織で「日本の花=桜というが、日本の蝶については決まってないじゃないか!」と議論が始まったのだ。このときの教授たちは4杯目の焼酎をグラスに注いでおり、たいへん上機嫌であったという(最後の行は嘘です)

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推薦されたのはオオムラサキのほか、日本特産のギフチョウ・西日本の希少種ミカドアゲハ。アゲハ蝶も候補に居ましたが、ミカンの葉を食べ過ぎて農家に怒られたので選外です。ジーコJAPANの時にキャバクラで寿司を投げて代表追放された選手が何人かいましたが、あれと一緒です。人もチョウも素行は大事ですね。

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(選考に敗れた人たち。左がミカドアゲハ、右がギフチョウ。画像はwikiから)

決着がついたのは戦後。東京帝大を発祥とする「日本昆虫学会」が決選投票を開催し、オオムラサキが勝利。国蝶のタイトルを手にしました。羽の美しさ・飛翔の力強さ・日本全国で目に出来るという点が評価されたそうです。

ミカドアゲハは西日本限定なので東日本民はポカーンな点、ギフチョウは「愛知の属国が何を生意気な」と岐阜県民以外から支持を得られない恐れがあった点が敗戦要因かと思われます。

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国蝶になった経緯が分かったら、昆虫占いをしましょう。右側に置いてあるくじ棒を引くスタイルです。しかし字体をホラーにする必要があったんですかね。虫が怖いのかな?

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トノサマバッタと書かれていました。私はトノサマバッタです。

説明板を読むと「大発生することがあり、農作物に多大な被害を与える」とありました。いや急に責められても困りますがな。

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日本には237種の蝶が生息するそうですが、蝶愛好家の間では200種以上みつけると称号を獲得できるそうです。

200種以上で「チョウ屋」、220種で「バリバリチョウ屋」、230種で「大明神」。数値、小刻みすぎやしませんかね。220種→230種の差が、頭ぼさぼさのオッサン→神と爆裂昇格しているのは、この10種を見つける間に命を落とす者の多さを物語っています。

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次の展示室では企画展で「昆虫食ワールド」が広がっていました。日本や世界の昆虫食を紹介します。いや、しなくていいですよ。

※ 食事中の方は閲覧にお気を付けください。

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20品目ほどの写真・模型が置かれていましたが、全部貼ると気持ち悪いので数点に絞ります。

1点目はイモムシで作ったハンバーガー。イモムシは脂肪分が多いのでミンチにして挽肉として使えるそうです。・・バンズの頂点にイモムシぶっ刺す意味はあるんですかね?どんなに空腹でも一瞬にして食欲を吹き飛ばすので、ダイエット中の方にお勧め。

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つづいて、ざざ虫のホイル焼き。ざざ虫とは、トビケラヘビトンボの幼虫のことです。きっとマカロニみたいな味がするよ(発狂)。

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ざざ虫は川辺に生息するので、河原の浅瀬で網を張り、水中の石をひっくり返したりすると出てくるらしい。捕獲には漁協の許可が必要です。

「信州のスーパーでは高級珍味として売られています」と展示に書かれていたのだが、そんなことしてるのは長野県でも伊那地方くらいだと思います。

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これは常設展示らしいスペースにあったのですが、昆虫の生態と共に、薬用としての使い方が説明されていました。

たとえばゲンゴロウは「煮て食せば喘息に効く」とのこと。喘息持ちのみなさん!

また「幼虫を食すれば肺病に効く」ので、コロナ対策になるかもしれません。中国にもゲンゴロウはたくさん居るだろうから、コウモリと一緒にゲンゴロウを食べれば良かったのだ。武漢の人たちは反省してほしい。

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強烈な展示ばかりでしたが、最後にメインディッシュのオオムラサキ飼育ゾーンです。おそらく数百匹は放し飼いにされています。あんま入りたくないな。

なお成虫の発生は6~7月。この期間は幼虫・サナギ・成虫という進化形態をすべて目撃できるのです。

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幼虫やサナギは木の葉の裏にくっついています。冬眠から起きて木登りし、葉を食べて成長してサナギになるのです。

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成虫もあたりをひらひら飛んでいます。飛行中はシャッターを切るのが難しいですが、木の樹液にいっぱい群がっているので、それを探した方が早いです。国蝶さん割と攻撃的らしくて、スズメバチを突き飛ばして樹液を独占するそうです。

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食事中は羽を閉じてしまうことが多いので、開いてくれるまで待ちましょう。羽閉じてると蛾とあんまかわらん。

彼らは樹液に夢中になっているので虫嫌いな方でも安心して眺められる・・と思っていたら、1匹のオオムラサキにめちゃめちゃ追いまわされてウギャーとなりました。自然界は厳しい。

 

おしまい

 

【滞在時間】90分

【混雑度】★★★★(すぐ横に人)

【URL】

oomurasaki.net

沓掛温泉・田沢温泉

長野県の青木村にある温泉×2に行きました。

どちらも山中の小さな集落にある共同浴場、しかも硫黄泉です。秘湯とまでは言わないけれど近い雰囲気はあります。

 

〇 沓掛温泉

1つめは沓掛(くつかけ)温泉。別所温泉の西、鹿教湯温泉の北側にあります。松本・上田どちらから来ても車で1時間程度。松本から来る際は国道254号で鹿教湯まで行き、北上したほうが良い。国道143号は「酷道」ですのでサバイバルを味わいたい方にお勧め。

バスは上田駅から青木バスターミナルまで来て、そこで村営バスに乗り換えて沓掛温泉を目指すことになります。上田→青木までは1時間に1本あるのだが、村営バスは1日5本しかないのでだいたい詰んでますね(終)

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共同浴場「小倉の湯」。入湯料は200円。火曜定休。

温度は39℃と少し低め。長湯するには良いですね。硫黄の香りも穏やかに漂ってきて温泉感がすばらしい。浴室のキャパは十数人程度。ツーリング団体とかにぶつからなければ、30分はふやけていられると思います。

レンタルタオルは無かったけれど、ハンドタオルの販売はあった気がする。まぁタオル持参の方が良いでしょう。

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駐車場は浴場のすこし先にあります。けっこう広い。

そういえば石けん類も無いです。村民らしき人から「石けん持ってないってことは旅の人?珍しいねぇ」と言われたので、地元利用が多いようですね。

 

〇 田沢温泉

沓掛温泉から20分ほどの距離にあるのが田沢温泉。数軒の旅館があり、ごくわずかな一角ではありますが温泉街っぽさを醸しています。島崎藤村が泊まった宿も営業中。

バスの本数はこちらも同じです。あきらめよう!

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なお坂の途中にあるので傾斜が厳しい。人間の足腰もそうですが車も頑張らないと悲鳴を上げるかもしれない。道が狭いので対向車が来ると爆死する。

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日帰り入浴は「有乳湯(うちゆ)」。金太郎こと坂田金時の出生伝説があるように、子宝の湯と謳われており「はらみ湯」などと呼ばれている。表現が火の玉ストレートすぎる。

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(館内にあった1930年代の写真)

温度は41℃くらいで普通。ただ脱衣所に入ったとたんに硫黄臭が漂っており、気分が高まります。浴室のキャパは15人程度。まぁ団体が押し寄せてこない限りは入れそうですが。

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沓掛温泉と異なり、小さな休憩スペースがあります。牛乳自販機があるので風呂上りにどうぞ。昔の田沢温泉の写真など展示品がいくらか置かれています。

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その中に田沢温泉を紹介する新聞記事があったんですが、、

「(温泉の湯質を説明した後)これが気持ちよく、オトコを妙な気分にさせる。異性と一緒湯し、互いにさわりっこしたら気分高まり、いけないところにまで(以下略)」。

記事の上部には「スポーツ報知」と書かれていました。スポーツ紙の記者ってホント脳みそ溶けてるなぁ。これを館内展示する田沢温泉さんサイドもどういうことでしょうか。村長に不信任決議案だしますよ(大盛り上がり)

 

おしまい

 

【URL】日帰り温泉施設 | 青木村役場

青木村歴史文化資料館

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長野県の青木村の資料館です。主な展示内容は、百姓一揆。江戸時代の青木村は血気盛んな土地で、大きな一揆を何度も起こしていたそうな。青木の民は戦闘民族。

他には昭和期の懐かし民具グッズ、俳人 栗林一石路の資料があります。

入館料は無料です。

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一揆の一覧表。青木村は上田藩に属していました。1622年までは真田家で、そのあと仙石家→松平家

藩内では250年の間に15回の一揆が起こっている。16年に1回ペース。ちょっと上田藩やらかしすぎじゃないですかね。打ちこわしのほか、集団直訴、村民みんなで大脱走などバリエーションに富んでおり、芸術点が高そうです。

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一揆の様子。ミサイル攻撃を受けたシーンでは無いです)

現在の青木村にあたる地域では5回勃発。

最初は1682年で、与兵衛という村人が庄屋の不正を藩主に直訴。訴えは認められましたが、村人が藩主様に直接訴えるのはルール違反なので斬首刑を言い渡されます。

 

しかし処刑日の朝になって、藩主が処刑中止を突然命令。使者が大急ぎで向かったところ、まさに与兵衛が処刑の座に着いているところでした。使者は大声で「その処刑、待った!」と叫びますが、処刑役人はこれを「早く斬れ!」と聞き間違い。与兵衛は斬られてしまいました(完)。間違えるにも程がある。

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(検地対象になった土地)

次は1721年。村の中で年貢の対象外になっていた土地がありましたが、慣習を破って役人が検地に来ました。検地は年貢増額に繋がるので村人たちは役人にやめてほしいと請願。それでも役人が止めなかったので、逆切れした村人は鎌で役人を切り殺してしまいました。青木って修羅の国なのか?

いつもなら即刻打ち首だと思いますが、役人にも落ち度があったとのことで、村人は追放刑で済みました。

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1761年宝暦騒動では、農民1万人が上田城に押し寄せて貧困改善を要求。勢い余った農民たちはついでに、その辺の庄屋や商人の家を打ち壊して、ご機嫌で帰宅されました。ライブ帰りにはしゃぎ倒す客のようである。目と鼻の先で城下町壊されてるので、サムライの威厳もあったもんじゃないですね。

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この騒動の後、農民たちは「今後このような騒動はいっさい起こしません」と反省文を書かされております。しかし50年もたたない1809年に、庄屋の不正にキレた農民たちがまた城下に押し出したのであった。反省文あっさり反故にされてしまったなぁ(苦笑)。

 

1869年の明治維新期にも派手な暴動があり、城下に放火されて200軒以上燃えたそうです。もう西ローマ帝国を滅ぼすくらいの破壊力はあるのではないか?

このように青木村民はすさまじい戦闘力を誇りますので、あなたの回りにこの村の出身者がいたら怒らせないようにするのが無難です(提案)

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一揆展示室の次は、懐かしの道具エリアです。だいたい戦後~昭和終わり頃までのもの。村人から廃品回収いっぱい搔き集めてきたものと思われます。

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左は手回しでかき氷を作る機具ですが、これもう使われてないんですかね。今のブルジョワ階級は全自動の機械でも買ってるのでしょうか。

右は、私の認識では鍵盤ハーモニカ・ピアニカという名称なのですが、ここでは「メロディオン」と呼ばれている。ググったところ、鈴木楽器製作所の商品がメロディオンで、ヤマハだとピアニカらしい。

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さて最後の部屋は、俳人・記者である栗林一石路(くりばやし いっせきろ)の紹介。プロレタリア系の新聞「民報」「青木時報」を発行したり、小林一茶の研究をしていたそうな。詳しいことは分かりません、おわり(勉強不足)

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(画像は公式HPより 栗林一石路展示資料室 | 青木村役場

ところでこの人の俳句の歌碑が村内に幾つかあるのですが、その一つは

「シャツ 雑草に ぶっかけておく」

は?

 

おしまい

 

【滞在時間】30分

【混雑度】★(だれもいない)

【URL】青木村歴史文化資料館 | 青木村役場

 

信州昆虫資料館

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長野県の青木村にある資料館です。県内に生息する蝶・蛾・甲虫・ハチなど片っ端から標本にして展示しております。苦手な人は発狂して戦死するのではないか。ちなみに私は虫が苦手です。

入館料は300円です。

資料館へは国道143号を使うのですが、、これがいわゆる「酷道」なのだ。上田方面からだと普通の道路ですが、松本方面はグーグルマップを見てほしい。小腸か!ってくらいに凄まじい曲がりくねり方。舗装も怪しく、鬱蒼とした山中ですので夜の走行はホラーゲーム間違いなし。

Wikipediaを見たら「設計した技師が左遷された」などと書かれていて笑った。なるほど、シベリア送りだ。

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館内の模様です。もとはホテルだったそうで、それでこういう内装。しかしこの立地でホテル建てて、どうして商売できると思ったのか。まぁ山中の廃ホテルってワクワクしますね。

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入館するやいなや、館員さんに「ちょっと、こっちこっち!」と引っ張られて屋外に連行。木々の葉っぱを指すので覗いてみたら、緑色のイモムシ君がいますね。

国蝶オオムラサキの幼虫らしい。葉っぱを食べてだいぶ大きくなったので、次の1週間でサナギになるとのこと。国蝶ってそのへんポンポン飛んでるものなのか。標本を見に来たんですけど、その前に本物みちゃったよ。

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それで今度は館内に連れていかれたのだが、、こっちにもイモムシ居ますね。蚕か?

ひょこひょこ動いて葉っぱを食べております。ただの展示施設ではなく、積極的に生きている昆虫を出してくる資料館。なかなかアグレッシブです。

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イモムシどころか成虫まで館内で飼っていた。オオムラサキです。カゴの中ではなくて、放し飼いです。ホテルごと温室にするのは止めてさしあげろ。

まぁ居たのは2匹だけです。最初に見たときは2匹とも葉っぱ食べてたんですけど、帰りに見たら1匹しか居ませんでした。もう1匹は館内を飛行しにいった模様。

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思わぬフリーダムっぷりに驚いたところで標本展示の見学です。大きな展示室1つと小部屋が2つ。とにかくボリュームが多くて数百頭はある。

長野県内だけでなく海外からのコレクションも集めています。日本に生息する蝶の種類のうち半数が長野にいるって話ですので、蝶マニアが集まってくるようです。

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黒いチョウチョはシックでおしゃれ。左がカラスアゲハ、右がクロアゲハ。カラスアゲハ君は青のメッシュが入ってて格好いいですね。特に、動かないで止まっているところが良いと思います(虫嫌い並感)

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こちらは世界の蝶々さん。左のユーダエモンなんとか(適当)は南米出身。7色の彩りが鮮やかに輝いています。現実のものとは思えません。

右も南米産で、レテノールモルフォとその同族?の方々。美川健一とか小林幸子みたいな色合いである。

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姿かたちが珍しいのもいます。左はブラジルのフクロウチョウ。まさにフクロウみたいな紋様である。右はバイオリンムシで東南アジアに生息します。名前は格好いいですがゴミムシの一種だそうです。この名称で彼らは相当な風評被害を受けていると思う。

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日本で最も大きい蛾、ヨナグニサンです。羽の紋様はそんなに悪くないのだが、色がまさに「ガ!」。この色合いのやつ、よく街灯の明かりに突撃してませんかね。あーやだやだ。

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普通のトノサマバッタですが、このポーズ取ってるとかなり哀愁が漂っている。両手両足を力なく広げて「もう降参だぁ」と言っているかのよう。

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黒いぶつぶつがたくさん付いてるなぁと思ったら、これ全部アブであった。うげー。一体一体ぜんぶ整列させていて気分悪くならなかったのだろうか。

なお収集家の方はその一生をかけてアブ研究をされていたそうです。なぜアブにした。

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最後にヒメボソアシナガバチの巣です。縦長の巣を植物にぶらさげて作るそうな。

長野県の人って本当にハチの巣が好きですねぇ。スズメバチでも平気で採ってこようとするもんね。集めなくていいからミツバチ以外は根絶やしにしてくれ(懇願)

 

大量の虫の標本のみならず本物すら館内に放し飼いにしている、思い切った資料館でした。おしまい。

 

【滞在時間】40分

【混雑度】★★(他に数人)

【URL】信州昆虫資料館 | 青木村役場