C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

北杜市オオムラサキセンター

f:id:wandercspot:20200713173517j:plain

山梨県北杜市にある、国蝶オオムラサキの専門施設です。大規模な飼育室で放し飼いされており、直接観察できたり、さらには指や肩の上に乗ってくれたりします。虫嫌いは発狂間違いなし!ホラースポットです。

f:id:wandercspot:20200713172919j:plain

最寄り駅はJR中央線日野春駅です。甲府駅から北へ40分ほど。そこから徒歩で15分。

この北杜市が位置する八ヶ岳高原はオオムラサキが多く生息しているので、保護と観察施設として作られたそうな。

入館料は420円。

f:id:wandercspot:20200713173040j:plain
f:id:wandercspot:20200713172939j:plain

まずはオオムラサキについて予習しましょう。標本を始め解説展示が並んでいます。

国蝶とは言うものの、実は公式に国家が指定しているのではありませぬ。戦前、大学教授らの集まりである蝶類同好会なる組織で「日本の花=桜というが、日本の蝶については決まってないじゃないか!」と議論が始まったのだ。このときの教授たちは4杯目の焼酎をグラスに注いでおり、たいへん上機嫌であったという(最後の行は嘘です)

f:id:wandercspot:20200713173141j:plain

推薦されたのはオオムラサキのほか、日本特産のギフチョウ・西日本の希少種ミカドアゲハ。アゲハ蝶も候補に居ましたが、ミカンの葉を食べ過ぎて農家に怒られたので選外です。ジーコJAPANの時にキャバクラで寿司を投げて代表追放された選手が何人かいましたが、あれと一緒です。人もチョウも素行は大事ですね。

f:id:wandercspot:20200713183526j:plain
f:id:wandercspot:20200713183520j:plain

(選考に敗れた人たち。左がミカドアゲハ、右がギフチョウ。画像はwikiから)

決着がついたのは戦後。東京帝大を発祥とする「日本昆虫学会」が決選投票を開催し、オオムラサキが勝利。国蝶のタイトルを手にしました。羽の美しさ・飛翔の力強さ・日本全国で目に出来るという点が評価されたそうです。

ミカドアゲハは西日本限定なので東日本民はポカーンな点、ギフチョウは「愛知の属国が何を生意気な」と岐阜県民以外から支持を得られない恐れがあった点が敗戦要因かと思われます。

f:id:wandercspot:20200713173157j:plain
f:id:wandercspot:20200713172955j:plain

国蝶になった経緯が分かったら、昆虫占いをしましょう。右側に置いてあるくじ棒を引くスタイルです。しかし字体をホラーにする必要があったんですかね。虫が怖いのかな?

f:id:wandercspot:20200713173009j:plain

トノサマバッタと書かれていました。私はトノサマバッタです。

説明板を読むと「大発生することがあり、農作物に多大な被害を与える」とありました。いや急に責められても困りますがな。

f:id:wandercspot:20200713173024j:plain

日本には237種の蝶が生息するそうですが、蝶愛好家の間では200種以上みつけると称号を獲得できるそうです。

200種以上で「チョウ屋」、220種で「バリバリチョウ屋」、230種で「大明神」。数値、小刻みすぎやしませんかね。220種→230種の差が、頭ぼさぼさのオッサン→神と爆裂昇格しているのは、この10種を見つける間に命を落とす者の多さを物語っています。

f:id:wandercspot:20200713173321j:plain

次の展示室では企画展で「昆虫食ワールド」が広がっていました。日本や世界の昆虫食を紹介します。いや、しなくていいですよ。

※ 食事中の方は閲覧にお気を付けください。

f:id:wandercspot:20200713173337j:plain

20品目ほどの写真・模型が置かれていましたが、全部貼ると気持ち悪いので数点に絞ります。

1点目はイモムシで作ったハンバーガー。イモムシは脂肪分が多いのでミンチにして挽肉として使えるそうです。・・バンズの頂点にイモムシぶっ刺す意味はあるんですかね?どんなに空腹でも一瞬にして食欲を吹き飛ばすので、ダイエット中の方にお勧め。

f:id:wandercspot:20200713173305j:plain

つづいて、ざざ虫のホイル焼き。ざざ虫とは、トビケラヘビトンボの幼虫のことです。きっとマカロニみたいな味がするよ(発狂)。

f:id:wandercspot:20200713173250j:plain

ざざ虫は川辺に生息するので、河原の浅瀬で網を張り、水中の石をひっくり返したりすると出てくるらしい。捕獲には漁協の許可が必要です。

「信州のスーパーでは高級珍味として売られています」と展示に書かれていたのだが、そんなことしてるのは長野県でも伊那地方くらいだと思います。

f:id:wandercspot:20200713173233j:plain

これは常設展示らしいスペースにあったのですが、昆虫の生態と共に、薬用としての使い方が説明されていました。

たとえばゲンゴロウは「煮て食せば喘息に効く」とのこと。喘息持ちのみなさん!

また「幼虫を食すれば肺病に効く」ので、コロナ対策になるかもしれません。中国にもゲンゴロウはたくさん居るだろうから、コウモリと一緒にゲンゴロウを食べれば良かったのだ。武漢の人たちは反省してほしい。

f:id:wandercspot:20200713173401j:plain
f:id:wandercspot:20200713173431j:plain

強烈な展示ばかりでしたが、最後にメインディッシュのオオムラサキ飼育ゾーンです。おそらく数百匹は放し飼いにされています。あんま入りたくないな。

なお成虫の発生は6~7月。この期間は幼虫・サナギ・成虫という進化形態をすべて目撃できるのです。

f:id:wandercspot:20200713173416j:plain
f:id:wandercspot:20200713173447j:plain

幼虫やサナギは木の葉の裏にくっついています。冬眠から起きて木登りし、葉を食べて成長してサナギになるのです。

f:id:wandercspot:20200713173501j:plain

成虫もあたりをひらひら飛んでいます。飛行中はシャッターを切るのが難しいですが、木の樹液にいっぱい群がっているので、それを探した方が早いです。国蝶さん割と攻撃的らしくて、スズメバチを突き飛ばして樹液を独占するそうです。

f:id:wandercspot:20200713173517j:plain

食事中は羽を閉じてしまうことが多いので、開いてくれるまで待ちましょう。羽閉じてると蛾とあんまかわらん。

彼らは樹液に夢中になっているので虫嫌いな方でも安心して眺められる・・と思っていたら、1匹のオオムラサキにめちゃめちゃ追いまわされてウギャーとなりました。自然界は厳しい。

 

おしまい

 

【滞在時間】90分

【混雑度】★★★★(すぐ横に人)

【URL】

oomurasaki.net