C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

歯の博物館(名古屋)

愛知県は「8020運動」発祥の地だそうです。歯の健康に興味を持ってもらうため、歯の博物館がオープンしているのだ。昔の歯科医の道具も展示してあります。

 

 

 

概要(アクセス・料金・開館日)

博物館は、愛知県歯科医師会館の1Fにあります。歯科医師会といえば政治運動が活発で金持っているので、このビルも綺麗でおしゃれです。

最寄り駅は桜通線久屋大通駅(名古屋から2駅)で、徒歩5分。入館は無料。

ただ開館日は木・土日祝で、12時~13時は昼休みで受付していないので要注意。

 

展示1 昔の歯科医道具いろいろ

昔の抜歯機具です・・歯の治療用とは思えない形状していますね。

手前にある2種類は18世紀頃まで使われていたもの。奥の方のは紀元前のギリシャで用いられたそうです。使い方は、説明が無くても分かりそうです。とにかく痛そう。現代に生まれてよかった。

1930年頃に日本で使われていた治療用イス。ぜんぶ真っ黒で無機質なあたり、マッドサイエンティストの実験場感がしてヒリつきます。「科学の発展に犠牲はつきものデース」。

明治初期の入れ歯で、木製です。歯には蝋石(蝋のように半透明の鉱石)を用いています。実際に使われていたもので、歯の間をよくみると歯石が溜まっている。これ使用者本人はすごい恥ずかしいのではないか。

ロダン地獄の門の歯バージョンみたいなのが出てきましたが、18世紀にフランスで製造された「歯虫」イメージ像とのこと。

西欧人は「歯の中にいる歯虫のせいで歯が痛くなる」と思っていたのだ。しかしこのイメージ像、完全に地獄の様相を呈しているのですが、作った人はよほど歯が痛かったんでしょうね。

 

展示2 歯自体の説明もあります

歯がどうやって出来るのか説明するパネルもありました。妊娠初期の段階で、歯のもとになる細胞(歯堤)が胎児の口の中に発生し、歯ぐきの中に入り込むようです。

歯ぐきの中でこの細胞は成長し、エナメル質を帯びて硬くなっていきますと。

成長して歯ぐきから突き出て、歯になるんですね。生後6か月で乳歯が生え、そのあとは永久歯に変わります。

はえー面白い。勉強になった(こなみ)

というくらいの展示量でした。一部屋しかないのでボリュームは少な目で、気軽に見られます。

ただ歯の大事さを訴える部分はパネル多めであまり読む気になれない系でしたね。子供に分かりやすく伝えるため、「歯が無いと食べ物が食べれなくなる」「中国産の入れ歯は爆発する」「虫歯の菌が脳まで達して死亡」など本当にあった怖い話を盛り込むのはいかがでしょうか。

 

おしまい

 

【交通手段】久屋大通駅から徒歩5分

【入館料】無料

【滞在時間】30分

【混雑度】★(誰も居ない)

【URL】

www.aichi8020.net

 

諏訪高島城

上諏訪駅から徒歩15分の距離にある、1598年に建てられた城です。諏訪藩の役所。

建築当時は諏訪湖の水がここまで来ており、水に囲まれた「浮城」なんて雅な名前が付けられていた。まぁ江戸時代初期に干拓したので僅かな期間だったようですが。

今でも水堀は整備されていて景観的には乙である。

作ったのは豊臣秀吉配下の日根野高吉くん。湖や河川を防御や交易に使えると考えて、この水辺の土地を選んだそうな。7年の歳月をかけて完成させた「日根野家史上最高の傑作」であるが、関ケ原で家康が勝つと日根野家は栃木に飛ばされてしまい、家康配下の諏訪家に取られてしまった。悲しいなぁ。

入館料は310円です。トイレは城外にしかないので、あらかじめ済ませてくるように!

そして冬場なのに暖房があまり効いてなくて辛い。戦国時代の雰囲気を味わおうという趣旨かな?マフラーましましで来られることをお勧めします。

(3Fから2Fをみたところ)

館内はパネル展示が多いですね。文字ばっかりや。歴史ものはそうなるか。

2Fは諏訪藩関係の古文書・武具がありましたが撮影禁止なのだ。おかげで写真が撮れず書くことがありません。

1Fと3Fは写真撮れるんですけどね。なんだこの違いは。2Fの展示品は諏訪市に所有権が無いのだろうか。

諏訪藩の具足には金色の「〇」が描かれており、諏訪藩オフィシャルのものに思えますが、現時点では「よく分からん」のだそうです。誰か答えクレメンス。

また諏訪市では「諏訪姫」なるキャラを売り出しており、グッズが城内で購入できます。ひとつ700円って諏訪大社の御守りより高いのではないか。檀家からもオタクからもお布施を取っていく、人口減少社会の知恵です。

3階は展望室になっていて、周囲一面を見渡せます。写真だと分かりづらいですが、実際には諏訪湖も奥の方によく見えます。

 

おしまい

 

【交通手段】上諏訪駅から徒歩15分

【入館料】310円

【混雑度】★★(他に2~3人)

【滞在時間】40分

【URL】諏訪高島城

諏訪五蔵 酒蔵めぐり 

上諏訪駅の徒歩圏内に5軒の酒蔵が並んでおり、試飲して回れるのだ。電車で行けるので酒飲みも安心。がんがん飲みましょうね。

駅から順番に、舞姫・麗人・本金・横笛・真澄と並んでおります。まずは徒歩10分で到着できるこちらの舞姫酒蔵から。

店舗に入り、レジで「酒蔵めぐりしたい」旨を店員さんに伝えます。料金は2,000円。引き換えに特製グラスとスタンプラリーがもらえます。これを各酒造でみせると試飲ができるのだ。大事なIDなので無くさないように。

舞姫の代表銘柄は、名前通りの「舞姫」と「翠露」。すっとした辛口から、まろやかなうまみの広がる中口と、食に合うお酒を主に醸しているようです。一番右の純米大吟醸は3割9分まで磨いた逸品。試飲で出して良いのかとこちらが不安になるレベルである。

不思議なことに東京は高尾の米を使った「高尾の天狗」なる銘柄もあります。社長が高尾に住んでいるのが由縁だそうな。八王子駅で売っているのをみたことがあるが、高尾の酒なんて怪しさ満杯でそのときは回避したのであった。舞姫醸造しているなら安心だね。

2つ目の酒造は麗人です。1789年、フランス革命と同じ年に誕生しました。全然関係ないなと自分で突っ込もうとしたら、酒造HPに「フランス革命の年に創業した」って書いてあった。思考回路が同じで安心しますね。

ここでは最初の一杯だけ注いでもらえます。その時々で銘柄は変わるようですが、今回は3年間熟成させた純米大吟醸杜氏の隠し酒」。熟成酒最高やな。

あとはクーラーの中に入れてあるから自分で取り出して飲めスタイル。これはねぇ、危ないですよ。10種類くらいもあるし、自分で注ぐとついつい多めになってしまいますね(にっこり)。まだ残り3軒もあるというのに大丈夫なんでしょうか・・

仕込み水は玄関の外で、まるで手水のように流されています。酔っ払いそうになったら飲みに来よう。

3軒目は本金酒造。5蔵の中で外観は最もシンプルですね。1756年創業。

試飲できるのは5種類。ただ他の酒造と違うのは、店員のおっちゃんが軽快なトークで説明してくれること。

「最近は日本酒詳しいお客さん増えてね。やれ“つまみは酒の味を邪魔するから駄目だ”とか”酒米山田錦じゃないといけない”とか。そんなの飲む人の自由なんだから、あーうるせーうるせー。まぁ思っても言わないけどね(笑)」。言ってるじゃないか。

店舗は外観通り、こじんまりとした感じです。酒造と言うより酒屋にみえるね。 

私が行った時点では他に客はいなかったのだが、5軒回り終えて帰り際に寄ってみるとすごい人だかりが出来ていた。おっちゃんのトーク大人気だな。

あと本金酒造はオリジナル酒米「ひとごこち」を農家と開発して使用しております。挑戦的な姿勢が素晴らしい。

4軒目は横笛。5軒の中では最も新しく、戦後に誕生した酒蔵でござる。

(たしか)4種類の日本酒+日本酒ベースの梅酒をいただきました。

本金酒造のおっちゃんが強烈だったので気づきにくいが、こちらのおばちゃん店員さんもなかなか強キャラで「4軒目だから酔わないように気を付けてね」と言いながらガッツリ量を注いで来る。わずかに残っていた理性がここで決壊する試飲者は多いのではなかろうか。

というか諏訪5蔵総じて、注ぐ量が試飲とは思えないほど多いです。最初の舞姫の店員さんが「5蔵あわせて4合くらい飲むことになるんじゃない」と言っていた。4合は無いと思うが2~3合はあるだろう。

2軒目の麗人が”自分で勝手に注げ”スタイルにしているのは、あそこで量の調整をしろということかもしれない。まぁ5蔵めぐりに来るような酒飲みが、量のセーブなんて考えないと思いますが(経験談

そうして生産される酔っぱらいを最後に受け入れるのが、言わずと知れた長野の代表銘柄 真澄である。いい迷惑だよなぁ(憐憫)

全国流通している大酒蔵だけあって雰囲気は他の蔵と違い、高級路線となっております。店員さんもビジネス感強めでテキパキしている。酔客には甘えを許さず、ビシッと応じなければいけませんからね。

試飲会場もオシャレ。受付をしたら番号札を渡されるので、呼ばれるまで待ちましょう。

飲めるのは日本酒4種類+リキュール(ゆず酒)だった、と思う。酔っぱらいの記憶を当てにしないで欲しい。真澄自体はいろんな居酒屋に置いてあるのでイマイチ有難みが薄いのですが、「山花」「YAWARAKA TYPE1」など普段飲めない種を試せてレパートリーが広がっていいですね。

 

これでおしまいです。トイレに寄って、上諏訪駅まで足がふらつかないように帰りましょう(戒め)

 

【交通手段】上諏訪駅から徒歩10分

【参加料】2000円

【混雑度】★★★★(すぐ横に人)

【滞在時間】2時間

【URL】諏訪五蔵 » 酒蔵めぐり

 

名古屋海洋博物館、展望室

日本を代表する貿易港 名古屋港の歴史と働きを学びましょうという施設です。お子様の遠足先にぴったりですね。

名古屋港駅から徒歩10分、名古屋港ポートビルの3Fと4Fにあります。入館料は300円で、すぐ隣にある「南極観測船ふじ」や名古屋港水族館とのセット券も販売中。

展示内容は「真面目な解説展示」が半分と、「お子様が楽しめるゲーム要素」が半分。港は楽しいという思い出を皆様に持っていただき、ガテン系の男臭い港湾労働者がひしめき合うイメージを払拭したいのかもしれない(偏見)

ゲームは色んな種類があります。これはクレーン車を操作してコンテナを船から陸地へ移すもの。遠足で来ていた子供たちが行列をなす大人気コンテンツであった。

難易度はイージー固定で必ずクリアできるので、「クレーンを周辺の労働者にぶつけて死亡事故」という工事現場あるあるのトラウマ結末にはなりません。安心安心。

外国の港から名古屋港まで、予定期限までに船を到着させようゲーム。途中で出されるクイズを間違えると、期限に間に合わなくなります。プレッシャー。

しかし「アデン湾はどこ?」なんて小学生が分かるわけ無いと思うんですがね。大人でも知らんのではないか。きっと答えは館内のどこかに展示されていて、ちゃんと読んできた子は分かる仕組みなのだろう。アホなガキにはしっぺ返しを食らわせる、ひどい大人たちだ。

RPGツクールでも使ったのかな?2P対戦ゲームで、障害物をよけつつアイテムを取りつつ途中で出てくるクイズに答えるという、要求度がやたら高い内容になっています。

ゲームを終えたら展示品も見ましょう。模型多めなので頭使わなくて良い仕様です。

江戸時代の尾張藩の豪華客船だそうな。広大な甲板に座敷がぽつん。スペースの有効活用とか何も考えてなさそうな設計だが、資源を豪快に無駄遣いすることを豪華と呼ぶのだと我々に考えさせてくれる。

4,600人以上の死者を出した1959年伊勢湾台風の結果を表したもの。暴風・河川決壊・高潮被害というトリプルパンチで、半年間浸水していたエリアもあった。

時代的に“ぼっとん便所”なので、下水から溢れてとんでもないことになったらしい。なんと恐しい・・想像もしたくないですね。

ボトルシップ選手権が開催されていました。船を構築するのみならず波まで表現するなどハイクオリティ作品が目白押しです。

瓶では飽き足らず電球に作ってしまう猛者まで現れた。無茶要素がインフレしている。そのうち錠剤のカプセルとかボタン電池まで使いだすかもしれない。

3Fを見終えて4Fに来ました。こちらは資料解説でありお堅い内容なので、見学者はあまりいません(空っ風) 

ベルギーの地図製作者オルテリウスさんが16世紀に作った世界地図だそうです。なんと本物。

日本がちゃんと書かれてるんですけど、形がテキトー過ぎて笑ってしまう。誰に聞いたらこんな形になるんだオルテリウス。書類は取材と事実に基づいて作りましょうね。

ドイツのマイセン磁器の展示ですが「有田焼をまねした」と痛烈な一言。子供か!

ちょっとそのナショナリズムはみっともないので抑えたほうが良い。文化は相互に影響し合うものです。

・・説明文もっと適切に書けませんでしたかね(呆れ)。ガテン系港湾労働者の率直な本性が出てしまっているようです。

これにて博物館おしまい。

さて、同じ建物の最上階に展望室があるのです。ただ料金は別途300円。水族館や南極観測船との共通券だと、実質100円程度で入れます。

名古屋港や名古屋の街が見渡せます。右下のが南極観測船、左奥が水族館。別角度だと名古屋城まで見えるそうです。

 

おしまい

 

【交通手段】名古屋港駅から徒歩10分

【入館料】博物館、展望室ともに300円。

【混雑度】★★★(ちらほら)

【滞在時間】60分

【URL】人と海の絆を学ぶ「名古屋海洋博物館」

南極観測船ふじ

南極調査のための人員・貨物の輸送を1965年~1983年まで担っていた観測船ふじ。現在は名古屋港に停泊して博物館になってます。

名古屋港駅から徒歩10分。入館料は300円で、名古屋港水族館や海洋博物館とのセット券もあります。

船内の施設は当時のまま残されており、ぐるっと一周するコースです。

毎年11月に日本を出港→南極到達→5月に帰国というスケジュールで、240人ほど船員が乗り込んでいた。大人数が洋上で長期間暮らすので、寝室だけでなく様々な施設が備わっております。

最初にあるのは調理室。毎日240人の食事を作る超重要施設である。火事が起こるとヤバいので火は使わずに電気と蒸気機具で料理したそうな。コックさんは少人数なので、パン製造機・アイス製造機など色んな機械を用いてましたと。

もやし製造庫なんてのもあった。船内に積んである野菜は冷凍ものばかりで味が落ちるから少しは新鮮な野菜を、という目的で栽培していたのだ。栄養価もそれなりにあるらしい。大食漢の船員もこれで胃袋かさまし出来て安心である。

5か月間も航海するのでドクターが医務室でスタンバっております。健康診断や診療のほか、なんと盲腸の手術までやったそうな。洋上でオペとは恐ろしい。パワプロだと1/10の確率で死ぬと思う。

床屋までありました。乗船期間は5か月もあるので、乗組員の頭がみなボサボサでも困るのだ。ただプロの理髪師はおらず、手先が器用な乗組員にやらせていた。責任重大だなぁ。

バリカンで縞模様になるようカットする「虎刈り」ってのが流行っていたそうな・・ヘアスタイルっていうか、刈り損なってまだらになってしまっただけではないのか。なお「虎刈り」で検索すると元AKBで坊主頭にした人が出てくるのでエクストリーム謝罪にも効用があるようです。

船内には乗組員の寝室がたくさんあるのですが、扉しまってて入れないんですよね。網目模様のガラスごしに眺めるしかありません。同様の施設である横浜の帆船 日本丸はこういうとこ入れたので、ちょっと残念でござる。

2人一組の部屋は、約30人居る幹部用。幹部でさえ個室ではないのか、船のスペース的に仕方ないんでしょうね。相部屋の人がイビキとワキガで無いことを祈りましょう(通称 相方ガチャ)

幹部でない平社員の方々は大部屋で一緒くたにされます。収容人数105人の部屋で、3段ベッド。夜中にトイレ行くとき下段の人にぶつからないよう、最上段の人にはプレッシャー掛かりそうだ。先輩の顔でも踏んだら甲板にふんどし一枚で吊るしあげられてしまうかもしれない@マイナス30度の世界

1日のスケジュール表が貼ってあった。夕食は16:30。昼食は11:30なので、ちょっと早すぎやしませんか。消灯時間の部分が破れて見えないのは夜遊び勢の仕業だと思われる。まぁ夜遊びといっても、やることないかもしれない。延々と大富豪するとか。

そんな船内を抜けると展示室に出ます。南極関係の資料を飾っております。

中央を占めているのが雪上車。南極に到着して下船すると、これに乗り込んで基地まで行くのだ。道中で故障して動かなくなると人生が詰んでしまうため、生き残るための道具は備えているようです。

左が南極の氷、右が普通の人工氷。南極のは雪が固く押し込まれ、そのとき空気も含まれるので白くみえるそうな。水を入れたコップの中で溶かすと、その空気がはじけてパチパチ言う。

基地の模様も展示されています。インターネットは使えるのでネットフリックスは見れますが、テレビの電波は無いのでNHKオンデマンドTVerとかに無い番組は日本から取り寄せるしかありませんな。

甲板に出ました。南極観測に使用するヘリコプターが配備されています。2000トンもの重量に耐えられるので、さきほどの雪上車を括りつけて運んでいたらしい。すごいパワーだな。やっぱりですが内部には入れません。

そして最後に司令塔であるブリッジ。あれ、ここは入室できるんだな。入れる部屋としてはここにきて初めてではなかろうか(平社員用の寝室は大広間なのでちょっと違う)

 

おしまい

 

【交通手段】名古屋港駅から徒歩10分

【入館料】300円

【滞在時間】45分

【混雑度】★★★(ちらほら)

【URL】体験型歴史的資料「南極観測船ふじ」