高山陣屋
飛騨国は1692年から幕府の直轄領だったけれど、その役所が高山陣屋。
古い街並みの入口にあたる部分にあるので、結構賑わっている場所ではある。
毎日午前中に、朝市やってるしね。
高山は戦国末期から金森氏が治めていたが、豊富な木材と鉱山資源に目を付けた幕府が「お前のものはおれのもの」宣言をして金森氏を山形県へダイナミック転勤させ、ここを直轄領とした。
金森氏はこれより山の方にある高山城に住んでいたのだが、幕府の連中は登るの面倒だったのか、金森氏の姫君が使っていたこの屋敷を役所に用いることに。
そして無用の長物となった高山城は「メンテ費用が掛かる」と文句を言われ廃城になったのだ、ナムナム。
では御姫様の屋敷でも覗きましょうかね。
ここは玄関です。
正面に波を延々と描く模様があるのだが、海の波のように永遠の平和が訪れることを祈っているんだそうな。
無限ループってこわくね。
ここが殿様・・じゃなくて郡代さまの執務室です。
現在でも自治体の部署のトップは国家官僚の出向者だったりするが、江戸時代からやってるわけ。
その高貴な仕事部屋の前には白砂ゾーンがありますが、ここが時代劇お馴染みの「白洲」。
民事訴訟について郡代さまが独断と偏見でご裁定なさるのだろう。
こちらは地役人の執務室。
郡代さまは江戸から遣わされてくるエリートである一方、地役人は地元の役人だ。
エリート官僚に仕える地方のたたき上げ。
まぁ地元の人間の中ではかなり高い家柄なんだと思うよ。
ほかに町役人や、寺院からの僧侶が出向して詰めてたりしたけど、身分が違うので部屋はちょっと狭めなのです。
僧侶は、宗門改めの際に必要となるらしい。
仏教信者のフリして実はキリシタンな、ファッション仏陀を見破って叩きのめすのだ。
身分が違うので、執務室への入り口も他の役人と異なり、小さく設けられている。
茶室の躙り口かな?
休憩室。
地役人の部屋に近いので、彼らがたぶん使ったのだろう。
郡代さまは邸宅が隣接しているので疲れたらたぶんそちらに戻っていたのかな。
身分の低いものと同じ部屋で駄弁ることは沽券にかかわるのだ。
書役(しょやく)という、書類作成担当者が詰める部屋。
ぺーぺーの若造が経験を積むために勤めたりしたのだろうか。
あとトイレ@EDO styleと、
風呂場もあります。
廊下を渡った先は、郡代さま一家が住んでいる邸宅。
最初の頃の郡代は、年に数回江戸から出張してくる程度だったが、7代目の郡代から一家そろって移住してきたらしい。
地方創生。あとは江戸~高山まで片道13日かかったそうだから、年に数回の出張が面倒になったのかな?
お客さんを迎える座敷です。
郡代専用の休憩室。
下っ端役人とは全く違って庭を愛でられる仕様。
マッサージチェアとかも置いとけばイイと思う。
庭のご様子です。
殺風景っぽく見えるのは天気が暗いからだと思います。
床の一部があけられていて、お茶を点てられる設計でもあった。
現在ではお茶はやらないので、砂を突っ込んで波をまた描いてみました。
世界人類が平和でありますように(呪文)
お客様の控室です。
その控室の真横が、郡代のリビングになっている。
襖一枚隔てているだけなんですけど、部屋でごろごろしている郡代のそんな近くにお客様通して良いのだろうか。
あくびもゲップも出来ませんね、郡代の名に懸けて。
邸宅の一部には女中部屋も。
台所や土間。
家来を大集合させて会議を行う大広間。
んで、また白洲があるよ。
たださっきと比べると規模が大きく、石が敷き詰められていて、よりシラス感が増している。
こちらは刑事犯罪を犯した人物を裁くので、より容赦ない雰囲気だ。
罪人を取り調べる時は、あの台の上に座らせるそうな。めちゃめちゃ痛そう。
事情聴取もとい拷問である。
はやく取り調べは可視化しましょうね。
という風に邸内を見てきて、ルートは蔵へと続いて行く。
もとは高山城にあった米蔵で、城を潰す際にこの蔵は陣屋のところまで引っ張ってきて再利用したそうな。
なので陣屋より古く、築400年以上は経っているスグレモノである。
しかし内部は撮影禁止なのよね。
展示室が8部屋ほどあって、陣屋の歴史や模型が置かれていた。
陣屋だけでも結構な規模なんだけれど、この展示棟も相当内容が濃いので、前半で体力使いすぎると後半死にます(経験談)
以上
【交通手段】高山駅から徒歩15分
【入館料】430円
【混雑度】★★★★(すぐ横に人)
【滞在時間】60分
【URL】