C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

蜂天国

長野県トップクラスの珍スポとして君臨し続けている東御市の「蜂天国」です。

スズメバチの巣を利用したキテレツ極まりないアート作品を世に出しており、約500点もの展示があります。どういうことだよ・・

 

 

アクセス・入館料

アクセス

しなの鉄道滋野駅が最寄りで、徒歩15分です。

高速だと東部湯の丸ICから15分弱ですね。入り口には馬鹿でかい蜂の像が建っているので、視力0.0001くらいでない限り見落とす心配はありません。

駐車場

5台くらいおけるスペースがあります。

入館料

300円です。

以前は無料だったそうですが、蜂の世界も働き方改革でベアを行ったのでしょう。

 

展示1 蜂の巣の作品ぞろぞろ

展示室に入りましたが、さっそく異様な光景が広がっており、分かっていても面食らいます。1つ1つがデカすぎる・・

館内は自由に写真撮影できます。

蜂の巣が頭に乗っかった大黒様。君はいったい何の罰を受けているのかな?ご利益無さそう。いや1周まわってむしろ人知を超えてブッダですら呆れかえる新たなパワーをお持ちかもしれない。

30個の蜂の巣を使って作られたそうです。

こちらの「蜂の傘」は42個の蜂の巣を繋げたそうです。ロマンチックな傘ですねえ。

さした瞬間に大量のスズメバチに刺される可能性もあり、常に危険と隣り合わせ。それもまたロマン(錯乱)

 

ダルマの中にも蜂の巣が。念願成就したらどこに目を描き込めば良いのでしょうか。まぁ、そもそも顔が無いわけですが。

木彫の熊は巣が重すぎて「助けてくれぇ」と悲鳴をあげているようだし、鹿は飲み会帰りに駅のトイレに駆け込むサラリーマン並みの尊厳のなさを見せております。

(作品製作で奮闘する作業員の皆様)

なおこれらの作品は人手を加えてはいるものの、ハチ自身で作っています。複数の蜂の巣を針金や木材でつなげておくと、蜂が隙間を埋めていって最終的には合体するのだ。

ハチの建築能力に驚きますが、そんなことに命を費やしている蜂天国職員の皆様には称賛と呆れの声しか上がりません。夏ごろには作業の実演が見られるとのこと。絶対に面白いけど、コロナウイルスより致死率たかくありませんか、それ?

 

展示2 蜂天国オーナーの熱意を見よう

蜂天国オーナーの塩澤氏。ズボン1枚でハチ達と触れ合う姿が掲載されております。蜂天国で使われている蜂の巣はスズメバチのものなので、塩澤氏の体に無数に張り付いている黒いのもスズメバチと推定されます。正気なのか。

写真の上部には「蜂は愛情を持って接すれば決して刺すことはしません」。蜂にも人間の感情が伝わるんですかね。ハチ公ですねぇ。

ただ写真眺めてたら館員さんが「オーナー何度も蜂に刺されてるのよねぇ」と言っていた。やっぱ刺すんかい!というか、2回以上刺されると死ぬ危険性が増しますよね・・刺されすぎるとハチ属性の鋼体でも手にするのだろうか。

珍スポあるあるですが、館内の至る所でオーナーの蜂に対する熱い思いが掲示されています。この量を手書きですからね。

他にもスズメバチの特性について説明展示があります。

 

スズメバチは女王バチ1匹が巣作りを始めて数千匹もの子を産み、その子らがさらに巣を大きくしたりエサを取ってきて忙しく働くのですが、冬になると全部死ぬらしい。

ただ1匹の子供、新女王バチとなる蜂だけが生き残り、新たな巣作りをするんだとか。儚くも健気な一生ですねぇ(涙)

NHKためしてガッテン」出演時に使われた模型だそうです)

さらにスズメバチは農家にとって害虫となる虫を捕食したり、花粉を運んだりと益虫な面もあるそうです。ただの悪者ではない、良い面もあることを主張し、スズメバチのイメージアップに繋げたい。そんなオーナーの思いが、ハチの巣作品に込められているんだそうです。

 

・・といっても、やっぱりスズメバチは害虫だと思いますけどね!(石直球)

巣に近づいただけで敵を襲う攻撃性・人を死に至らす高火力・ミツバチを捕食して養蜂家を困らせるなど。これを一挙撃滅し、種を絶やす以外にありませんな(過激派)

 

展示3 スケールが大きすぎる作品の数々

ダルマとか仏像で驚いていましたが、さらにとんでもない作品群が奥の展示室にゴロゴロ並んでおりました。

スズメバチの巣20個を縦に並べてしまいました。高さ6.5メートルもあります。あまりにもデカすぎて1F展示室に収まりきらず、吹き抜けを突き抜けて2F展示室にまで届いているのだ。

さすがにスズメバチ本人も「何かおかしいのではないか」と気づかなかったろうか。

長野新幹線あさまをモチーフに、今度は横長にしてみました。

使ったハチの巣は120個!ちょっと桁がおかしくなってきましたね。

富士山は長野県関係ありませんが、無いのでハチ達に作らせました。巣は160個。動員された蜂の数は16万匹に及ぶと推計されています。ギネスにも記録されました。

他にもバカデカ白鳥やスペースシャトルなど多数あるのですが、威力強すぎてインフレ状態です。そろそろ常識が失われそうになってきたので、出口に向かいますね。

展示室から戻ってくると、館員さんからハチミツの試食を勧めてもらいました。地元の養蜂場で採れたものです。スズメバチはハチミツ集めませんからね。

どの花から採れたハチミツかによって味が全然ちがいます。桜とか栗とか、季節限定品もあるのでお勧め。ミツバチの方がスズメバチより有能だな(結論)

 

おしまい

 

【滞在時間】40分

【混雑度】★★(他に2~3人)

【URL】蜂天国 - 一般社団法人 信州とうみ観光協会(公式HPが以前あったのだが、2020年2月頃から行方不明になっている。施設自体は開館しています)

 

田河水泡・のらくろ館

漫画『のらくろ』の作者 田河水泡江東区出身なので、記念館が建てられています。様々なところで見かけるキャラですが、いったい何者なのか。館内には漫画図書館もあります。

 

 

概要(アクセス・入館料)

のらくろ館は、森下文化センターの一角に入居しています。

アクセス

最寄り駅は幾つかありますが、都営大江戸線新宿線森下駅が1番近いです。徒歩10分。あとは大江戸線半蔵門線清澄白河駅

駐車場

森下文化センターの駐車場があります。最初の30分は無料だけれど、そこから20分おきに100円。

入館料

無料です。

 

展示 のらくろを知ろう

文化センター1Fの端っこに記念館があります。あまりサイズは大きく無いです。内部は撮影禁止箇所がところどころあります。

最初の展示内容は、作者である田河水泡(たがわ すいほう)の紹介。1899年生まれ。

本名は高見澤仲太郎。ペンネームは苗字をもじって「TAKAMIZAWA(たかみざわ) → TAKAMIZ  AWA(たかみず  あわ)」とし、漢字は「田河水  泡」としたんですが、誰もそう読んでくれなくて「たがわ すいほう」と読むので、本人も諦めたそうな。さっそく可哀そうなエピソードである(唖然)

のらくろ君のデビューは1931年で、『少年倶楽部』という雑誌に連載されました。当時は漫画黎明期で本自体が貴重なものだったそうですが、のらくろは大ヒットして連載期間は10年にも及んだのだ。

おそらくもっと続けられたのだが、時代は戦争に突入してしまい、国の役人が「戦時下で漫画とかふざけているのか」とキレてしまったので、やむなく終了となりました。

戦後になると連載再開し、1981年に完結しました。アニメにも2回なっていて、館内で見ることが出来るのだ。

のらくろ」には多くの犬が登場しますが、殆どは白い犬で、のらくろだけが黒いんですね。ノラの黒い犬だから「のらくろ」。

作者の田河水泡は1歳の時に母を亡くし、伯母夫婦に預けられて育ったので、その寂しさをのらくろに重ねていると言われています。ただストーリーは子供を楽しませるため明るいギャグ漫画です。1930~40年代は日本がどんどん暗くなっていった時代なので、「子供たちを励ましたい」と本人は語っていたそうな。

のらくろは大変な人気が出たので、文房具に描かれたりと二次的利用が盛んに行われました。ただ著作権とかろくに整っていない時代なので、無断利用ばかりだったそうです。

現代なら訴訟まみれになりそうですが、田河水泡は「みんな喜んでいるんだから良いんじゃない」と寛大極まりない姿勢だった模様。モノマネされただけで3000万円の損害賠償請求した矢沢永吉とかは見習ったほうが良い。

しかし江東区で日本酒は絶対に出来ないと思うんですけどね(確信)

 

図書館で「のらくろ」を読もう

記念館の横に図書館があるんですけど、漫画がずらーっと並んでいるのだ。田河水泡だけでなく手塚治虫らによる名作もぞろぞろ。名探偵バーローもあった。

 ※ 貸し出しはしていないかもしれません。

(『のらくろ漫画全集 第1巻』講談社

時間が無かったので図書館では読まなかったのですが、意外にも近所の図書館に『のらくろ全集』なるものがあったので借りてみました。長野の田舎の図書館にあったので都会にはもっとあるかもしれませんね。

(『のらくろ二等卒』より)

(おそらく)のらくろデビュー作がこちら。彼は単なるノラ犬から「猛犬連隊」という軍隊に加入し、とんだポカと偉業を繰り返しつつ、出世していくのです。

初期のらくろはノラ犬だけあって体型が痩せてますね。ふっくらしてくるのはもっと彼が上官になった頃です。また戦前の漫画なので、軍を舞台にして戦う犬という設定や言葉遣い、コマに番号がいちいち振ってあるところに時代を感じます。

(『のらくろ上等兵』より)

戦闘描写も普通にあります。えぐいシーンは無いですが、死者は出てますね。ただしのらくろや猛犬連隊の固有キャラはどんだけ銃撃されたり爆撃されても死にません。主人公補正です。

この首ちょんぱシーンも今だったらCERO C指定になるんでしょうか。のらくろが相手陣営を爆撃して火の海にするシーンもあります。

 

というわけで、「見かけたことはあるけどよく分らんキャラ」ランクで上位に入りそうなのらくろ君について知り、作品も読める記念館なのでした。おしまい。

 

【滞在時間】60分

【混雑度】★★★(館内にちらほら)

【URL】田河水泡・のらくろ館

 

池波正太郎 真田太平記記念館

池波正太郎の代表作に『真田太平記』という、真田一家の興亡を描いた長編小説があります。上田はメイン舞台であり、池波も取材でよく訪れていた土地なので、記念館が建っているのだ。

 

 

アクセス・入館料

アクセスと駐車場

上田駅からは徒歩15分程度。

駐車場はありませんので、すぐ南側にある有料パーキングに停めましょう(1時間100円)

 

入館料

400円です。

 

展示1 真田太平記と池波の私物コーナー

真田太平記』は1974~1982まで連載していた長編小説です。文庫本にすると12冊というボリューム。三国志演義より長い。

ストーリーは武田家が織田に滅ぼされた時点からスタート。武田の配下であった真田家は窮地に陥りながらも、昌幸・信之&幸村の親子による知略・忍者たちによる闇夜の隠密バトル・お約束のくのいちお色気シーンなどを通して、権謀術数まみれの戦国時代を生き延びていく模様が描かれます。NHK大河にもなりました。

www.shinchosha.co.jp

しかし12巻はやっぱり長いね。数年前に私読んだけれどだいぶ記憶にない。4巻と11巻あたりは池波オリジナルの忍者キャラがバトルするだけで終わった気がする。

 

(画像はパンフレットより。左は原稿、右は池波の絵)

館内に入るとまずは2Fの展示室。池波の私物と、真田太平記の原稿や取材ノートなどが展示されています。

また池波は昔から絵画が趣味だったそうで、何枚か展示されております。上手いかどうかは皆さん自身でご判断ください。

 

あと面白かったのは、池波が年賀状大好きマンだったことです。1000人ほど出す相手がいたけれど、全部自筆で描いていたそうな。文字+絵付き。

正月にその年の年賀状を出し終えた後、すぐにもう来年の年賀状のことを考え始め、1000人分描いているうちに11月頃になっているという。年賀状永久機関になってませんかね。

 

展示2 忍者の洞窟と映像シアター

真田太平記』既読のお客様は展示を楽しまれていると思いますが、お連れの方は面白くないかもしれないので、未読でも楽しめる要素を揃えております。

(画像はパンフレットより)

館内に「忍忍洞」という洞窟があるのです。ちょっと暗くて物騒な外観してますが、ホラー要素は無いです。まぁ怖がりなお子様は暗いだけで泣き出すかもしれんが。

一番奥まで行くと、忍者たちの仕事っぷりを紹介するコミカルな紙人形劇が見られます。

屋外にある蔵はシアターになっており、真田家の大一番「上田城の戦い」「大坂の陣」の映像資料のほか「真田太平記の紹介」「上田城下町ぶらり旅」が見られます。

ただスクリーンは1つしかないので、先客が居るとその人が選んだ映像が終わるまで他の作品は見られません。また上映時間20~30分と長めのものもあるので、運が悪いと運が悪いですな。

しかしやはり真田太平記を読んだことがあるか、真田家をはじめ戦国史に興味があるかで楽しめるかどうか決まりそうですな。なので頑張って文庫本12巻読みましょう。

館内には喫茶店もあるので、お連れ様にはそちらで待っていてもらいましょう。

 

おしまい

 

【混雑度】★★★(館内にちらほら)

【滞在時間】60分

【URL】池波正太郎真田太平記館

 

信濃国分寺資料館

聖武天皇によって全国にどさどさ建てられた国分寺は、信濃国では上田に出来ました。真田家vs徳川家の第二次上田城の戦いで舞台の一つになったり、蘇民将来符の配布イベントが有名だったりします。

 

 

アクセス・入館料

アクセス

しなの鉄道信濃国分寺駅上田駅の隣)から徒歩5分です。

バスだと「八日堂入口」停留所がすぐ目の前で、上田駅から約15分。武石線・鹿教湯線・佐久上田線など路線系統は複数ありますが、どれも1~2時間に1本だからタイミングが合えば良いですね程度。時刻表は↓から

www.city.ueda.nagano.jp

駐車場

10台くらい停められそうな駐車場があります。

入館料

250円です。

 

展示1 信濃国分寺について

741年に聖武天皇が大号令をかけた以降に作られました。「各国で最も良い場所に建てよ」と注文が付いており、信濃国では上田が選ばれたのです。これに怒りを覚えた松本市民は暴動を起こしたとか(適当)

信濃国分寺の模型。空間の有効利用と言う概念はまだありません)

昭和になって遺跡調査を行ったところ、おおよそ170m四方の敷地だそうです。新国立競技場(350m×260m)よりは小さくしているので、「税金の無駄遣い」「ザハ・ハディド大宰府送りにしろ」などの声は上がらなかったようです。

 

まぁこの国分寺、200年後には無くなっちゃったんですけどね。

平将門の乱を描いた『将門記』という古文書によると、938年に戦場となった影響で焼かれてしまったらしい(諸説あり)

近隣にある平安時代末期の集落跡で、国分寺の瓦が竃に使われているのが発掘されております。凋落はなはだしい。涙が出ますね。

(今の信濃国分寺。画像は 信濃国分寺 - Wikipedia より)

では現在ある国分寺は何なのかというと、鎌倉時代頃に再建されたものです。場所も徒歩5分ほど離れた場所にあります。

源頼朝が貢献したという話だが、本当だろうか。なお境内にある三重塔は頼朝による発願と伝えられていましたが、様式が室町時代ということが分かり、夢が1つ無くなってしまいました。 

ただこの寺のイベントで有名なものがあります。毎年1月に行われる蘇民将来符の配布です。除災や豊穣を願って家に飾るもので全国的に見られるのですが、ここでは蘇民講に加入している近隣住民が手作りしているのだ。3Dプリンターじゃないですよ!

蘇民将来符は全国で形がばらばらで、板とか紙とか柱状とか色々あるんですね。

上田のコケシ型はそれらと一線を画している独特な形状です。注目を浴びたがおかげで作るのが大変になった?まぁ慣れれば大丈夫じゃない(雑)

 

展示2 土器とか塔

国分寺ネタに全振りしているのかと思いきや、上田市内の郷土資料も飾っております。

これは土偶です。女性要素が普通あるはずなんですが一切見当たらず、ハッスルしております。おじさんなのかおばさんなのか見た目で分からない人たまにいますが、縄文人はそこからインスピレーションを受けたのかもしれない。

国分寺の時代(奈良~平安)頃の一般住居の模様です。国分寺の広大なスペースとは対照的ですねえ。照明が陰って悲壮感が増している。

「厳しい暮らしをしていたからこそ人々は宗教に救いを求めた」という意味なのかと一瞬思いましたが、平安時代に焼け落ちた国分寺の復活が鎌倉時代まで行われなかったことを考えると、むしろ「家計が厳しいのに寺建てて遊んでた」聖武天皇への無言の皮肉なのかもしれません(迫真)

最後に、大きな塔の模型がありました。国分寺にある三重塔かと思ったら、全然別の寺のものだった。展示には一貫性を持たせてください(提案)

別所温泉安楽寺にある八角三重塔の模型だそうで、形式が珍しいため実物は国宝とされています。あれ、もしや国分寺よりそっちのほうが重要度が上、、?

 

おしまい

 

【滞在時間】30分

【混雑度】★(誰もいない)

【URL】信濃国分寺資料館

 

尾澤木彫美術館

木彫作品の美術館です。大正時代の上田の農村は不況にあえいでおり、副収入を得る手段として農民が彫刻製作に励んでいて「農民美術」と呼ばれているのだ。その第一人者である尾澤さん一家によるミュージアム、、というか尾澤さんの自宅だと思う。

 

 

アクセス・入館料

アクセス

最寄りは上田駅の隣の信濃国分寺駅です。徒歩15分。

車の場合は美術館敷地内、、というか尾澤さん宅の玄関先に停めることになると思います。頑張っても2~3台しか停められない気がします。美術教室の見学会とでも被らない限り、満車になることは無いとは思いますが。

入館料

500円です。

ちなみに敷地内には3棟の建物があってどれが正解なのか迷うのですが、真ん中が美術館です。

玄関の扉は横にスライドする式です。私は思いっきり前後に引いてしまい、ガシャーンと大きな音を立ててしまいました。そのおかげで館員さんに気づいてもらえましたが。

 

展示1 暖かみのある木造建築

館内は美術館と言うより、普通のお家です。そこに展示品をたくさん並べています。

作品を見る前に、まずは建物自体を見てほしいです。かしこまった感じではなく、生活の中に芸術があるという雰囲気で、農民美術の起源とのマッチを思わせます。

2Fから1Fを見た光景です。美術館は3F建てになっています。

建物自体は、新潟の豪雪地帯にあった民家をわざわざ移築してきたそうです。館内にはその移築当時の写真もありました。私は全然わかりませんが、骨組みの造形や木材にかなり工夫やこだわりがされているとのこと。

薪ストーブで暖を取っています。ぱちぱち爆ぜる音が心地よい。

滞在していてたいへん快適な建物です。椅子もあるので、美術館にありがちな「座るところが無くて立っぱなし状態」も回避できます(老並感)

 

展示2 木彫り作品の数々

展示してある作品は彫刻絵や置物など様々です。収蔵数は1,500点とのこと。

大部分は農民美術運動の第一人者 尾澤千春、その息子の尾澤敏春によるものですが、彼らの教えを受けた近隣住民による彫刻もあります。大正時代に始まった運動ですが、今でもまだ続けている人はいるそうです。

パンフレットによると展示品の販売もしているそうですが、お幾ら万円するのかしら。値段は書いてませんでした。

しかしこの建物の雰囲気だからこそ、これら作品も一層よく映えている気がします。自宅に持って帰って飾ってもイマイチになりそう。いっそ私の家も新潟の豪雪地帯から持ってくるか(錯乱)

栗のデザインを付けた小箱です。観賞用だけでなく、機能的な品も製作していたそうな。余興じゃなくて副業として作る品だから、実用性も兼ね備えさせて売っていくのだ。

 

展示3 海外の木彫作品の数々

2Fと3Fは海外の木彫作品コレクションになっています。。

なおこの部屋は3Fですが光の取り込み方がオシャレですね。ちょうど光が射し込む位置に揺り椅子が置いてあるのもセンスが良い。

コレクションの範囲はヨーロッパから東南アジア、アフリカと幅が広いです。750点もあるそうで、木彫り人形が中心ですね。世界民芸展と化している。

 

というわけで雰囲気のいい建物でのんびり木彫作品を楽しめるのでした。おしまい

 

【混雑度】★★(他に2~3人)

【滞在時間】60分

【URL】尾澤木彫美術館/上田市役所