桃太郎のからくり博物館
江戸時代には、鏡や騙し絵など目の錯覚を用いたカラクリが一杯あったそうです。そんなレトロ仕掛けを紹介する博物館。楽しそうですねぇ・・この写真もそうですが、時代を一段踏み外した昭和のノリの珍スポに近い。熱海城とか。
概要(アクセス・入場料)
観光地として有名な「倉敷美観地区」の中に建っています。倉敷駅からだと徒歩15分。
入館料は600円です。
景観やショッピングを楽しむ人で通りは混雑していて、そこに風雨に打たれてくたびれた桃太郎の像が現れるのだ。シャレオツな周囲と雰囲気がちょっと違いますね。
展示1 からくり10連発
最初は江戸時代のカラクリを体験できるコーナーです。ガイドさんが1組ずつ案内し、仕掛けを説明する流れになっています。
この桃、正面からみると中身がカラッポですね。しかし横にまわると・・
桃太郎が誕生していた。いつのまに!まぁ鏡を使ったトリックですね。どういうトリックか忘れたけど(無能)
それより桃太郎、頭から真っ二つにされているけれど大丈夫なのかな?「桃を切るときお婆さんに一刀両断されてしまうのではないか」という桃太郎研究家の長年の懸念を実現した模型になっております。
つづいて果物を描いた箱が置いてあり、その下に鏡があります。鏡をのぞきこんでみましょう。
おや、箱の方にはブドウが描かれているのに、鏡にはバナナが映ってますね。ブドウはどこに行ったのかな?
名探偵バーローはこの謎を解いたようです。私は全然わかりませんでした。見た目は大人、頭脳はバーロー。
こんな感じのカラクリが全部で10個ほどあります。仕掛けは単純だけれど意外に分からなかったり、「チャレンジ1年生で昔見た」的な懐かしさがあって楽しいです。
展示2 全然こわくない鬼ヶ島(=めちゃめちゃ怖いお化け屋敷)
館内には鬼ヶ島がありました。桃太郎、ずいぶん鬼の近所に住んでるんだな。
見ての通り、お化け屋敷的なムードになっております。ガイドさん曰く「保育園児でも通れる程度ですよ!」!とのこと。
・・いやいや、めちゃめちゃ怖いんですが。その保育園児は実は勇者か何かだったのではないか。
中に入ると案の定これだよ。怖いよ。ゴロゴロ鳴ってるし、プシューって空気を突然ふきだすやつあるし。
本当にホラーが苦手な方は、このゾーンを飛ばして次に行くことができるので無理はせぬように。私の前を歩いていた小学生はギャン泣きしてました。
展示3 意外に真面目な桃太郎博物館
(明治時代の錦絵)
「意外に」というのも失礼ですが、桃太郎の歴史的起源や昔の資料なども展示されています。そういや博物館って冠つけてましたね。
桃太郎の元になったとされるのは、吉備津彦命(きびつひこのみこと)が温羅(うら)という悪者を退治した伝説からだそうです。
悪さをして暴れていた温羅に対し、朝廷は吉備津彦命を派遣。吉備津彦命は温羅を追い詰めますが、温羅はキジになって逃げました。キジ!お前は敵だったのか・・
錦絵で登場する桃太郎軍団のうち、キジだけ若干アホっぽく描かれているのはそのせいですかね。知性とかなさそう。2つ上に貼った犬の絵は賢そうですけど。
なおキジになって逃げた温羅は結局捕まって処刑されてしまいました。容赦ないな、桃太郎の原型。
また桃太郎の話は、戦時中には国威発揚のために利用されたんですね。鬼は鬼畜米英さんです。髪の毛を金髪に染めています。
館内では『桃太郎 海の神兵』なる戦争映画も放映されています。鬼畜米英に桃太郎軍団が挑んで勝利するという長編アニメです。私は大学の時に「プロパガンダの一例」として授業で見せられたことがある。
猿とか犬の子供がキャッキャしている可愛らしいストーリーです。思いっきり軍事教練とか戦闘機操縦してるけども。
そんなプロパガンダに乗って、彼は母国を裏切ったのかな?
という感じで、カラクリ遊びとお化け屋敷と博物館が同居している盛りだくさん施設でした。おしまい
【近くの施設】
【滞在時間】40分
【混雑度】★★★(他の客がちらほら)