吉備路文学館
吉備路文学館です。
吉備路とは公式HPによると、岡山県全体+広島県東部のことらしい。
その辺の文学者を紹介しますという施設。
ところでこの施設の対面に立っているのは普通の民家なのだが、割と規模が大きいので、どっちが吉備路文学館なのか最初迷ったのであった。
敷地内にはいる。
鹿威しに水が流れていない時点で、施設の財政状況について悲しくなってしまう(こなみ)
そんな施設の雰囲気に全くそぐわない絵柄が貼ってありますが、なんなんでしょうね。
入館するとしますか。
やたら車が並んでいるが、ここは公民館的な要素もあるので、地元民がサークルをやっていたりして、それで人が来ている模様。
受付で400円払って入場。
1Fは企画展部屋になっております。
展示品そのものを写してはいけないようなので、全景写真だけ。
正宗白鳥の原稿や初刊本とかが主であった。
まぁあるあるですな。
正宗白鳥の生誕140年にあたるということで、この企画展を開催しているわけだが。
本人は「私自身の死と共に、作品すべて消えてしまえばいいのに」と述べており、つまりこの企画展は完全にアンチ正宗白鳥であることがわかる(迫真)
ほかにも「執筆では〆切を守るし、検閲により削除になるようなことも書くつもりはない」と優等生的なコメント。
しかしその直後に「どうせ私は”うぬぼれの強い天才”が書くような作品は書けないからね」と、自虐と見せつつ周辺の文学者を貶していく鮮やかな戦法を見せている。
この辺は撮影可能だった。
某2次元ゲームとのコラボのようである。
文豪をイケメンキャラにするというもの。
なんでも美女もしくはイケメンにする現代の風潮に、文学館サイドが乗ってきた感じである。
正宗白鳥はこれ。
外に貼られていたやつか。
なんか弓もってますけど、そういう作品を正宗白鳥が書いているのだろうか。
なんも関係なかったら逆に面白いが。
しかしこういう2次元絵をキッカケに、文学の世界に入る人間ってどれだけいるのだろう。
「きゃー白鳥サマァァ」みたいな考えで正宗白鳥の作品を読んでも、その虚無的もとい投げやり的世界観に触れた瞬間、血の気が一気に引いて行く感じがしてならない。
谷崎潤一郎が居たが、いちおう岡山に縁があるらしい。
ゲームの影響で「谷崎潤一郎が好きなんだ」とかあまり言い広めると、かなりヤバい人扱いされる可能性もあるので、気を付けよう!
寝取られやSMプレイが好きなら、仕方ないが。
2Fにいきませう。
常設展がこちら。
吉備路出身の文学者30名程度を紹介しています。
ほんとに、紹介するだけ。
つまりその30名について、それぞれの著作本をショーケースに入れて飾っており、あとはちょろっとした概要を載せているくらい。
30名いるけど、私みたいな文学トーシロが知っているのは、井伏鱒二と横溝正史だけであった。
横溝に至っては八つ墓村=岡山こわいなイメージを増幅させ、吉備路のインバウンドごと破壊したのではなかろうか(大嘘)
埼玉にも「さいたま文学館」なる資料館があるのだが、それと似ている。
その土地ゆかりの文学者を大人数、概要だけ展示するかたち。
これは「知らない人30人から一気に名刺を渡される」のと同じ。
つまるところ、誰が誰だか分からないし、おかげで興味もわかない。
まぁ「岡山の文学者一覧」は手に入るのかもしれないが、そのために400円も払うのはあほくさい。
だったら企画展を質量ともにもっと拡張して、一人の作家を徹底過ぎるくらい特集し、「八つ墓村、じつは9墓だった!?」「山椒魚の頭部増大中!?年収は?彼女は?調べてみました!」と掘り下げまくった方が楽しいと思う。
それで客が増えるかどうかは、知らん。
ちなみに、岡山の文豪については、まったく触れられていませんので、期待してこないように(戒め)
以上。
【交通手段】岡山駅から徒歩15分
【入館料】400円
【滞在時間】30分
【混雑度】★(だれもいない)
【URL】