宮代町郷土資料館
埼玉県宮代町の郷土資料館です。
駅からコミュニティバスもあるけど、本数についてはお察しください。
入場料は無料。
館内での撮影は、受付に申請すれば可能となっている。
1Fの常設展示コーナー。
なお2Fは会議室があって地元の団体が使用しており、公民館的な役割りのようだ。
その辺で掘られた縄文土器の欠片たち。
TAKE FREEのノリで置いてあるが、お触りだけでお持ち帰りはできません。
欠片を復元したもの。
こちらはお触りもダメです。
縄文人の食べ物サンプル。
左は木の実で作った団子やクッキー、右は牡蠣と蛤のスープ。
弥生時代人は、どんぐりもち。
縄文時代から退化してませんかね?
でも旨そう。
凄い寝ぐせみたいな屋根をしている小屋。
鉄の鍛冶工房跡の復元らしい。
製鉄は弥生時代後半に始まったので、古くて3世紀頃の工房だろうか。
竈は古墳時代の5世紀頃のご登場。
住宅の壁に粘土でペタペタ拵えている。
鍛冶工房跡で見つかったものたち。
鉄クズは確かに重要な証拠だけど、まんま置かれると「なにこれ」ってなりますね。
どこの資料館にも置いてある類の土器だけど、ゆっくり見ていってね!
中世になった。
左側の仏さんは、西光院という寺にあった阿弥陀像で、国の重文だそうだ。
これは複製だけど。
この西光院という寺、いまではよくある普通の寺であるが、中世の時はサイズある寺院だったようで文書や記録をいろいろ保管していたそうな。
というか、この寺の保管文書が無かったら宮代の中世~近世の歴史は闇の中スカートの中であった。
さっすが仏様っすね(軽薄)
展示してある文書は、戦国時代の物。
岩槻城が近い関係で太田氏や北条氏の書状が多い。
江戸時代では地元対策のためか、徳川家康から土地50石の寄進を受けている。
だからこんな茶碗を買う金もあったのだろう。
この辺から川の話。
江戸初期の関東においては伊奈忠次・忠治親子が片っ端から河川改造をやっていたが、この地域では笠原沼という貯水沼が、大河内久綱という奉行により整備された。
なお徳川家光のブレーンとしてこき使われた幕藩体制の確立に貢献した松平信綱は、この大河内久綱の息子である。
(裁判の書状)
だいたい各地方漏れなくある水争いは笠原沼でも起こっている。
下流の村が水確保のため笠原沼の下に堰を設けると、笠原沼の水位が上がって上流の村で浸水被害が起こったのでバトル勃発し、幕府での裁判になる。
そして上流側が負ける。
というのを数回やっている。
18世紀前半になると享保の改革の一環で「溜池開拓して田んぼにしよう」キャンペーンが張られ、和歌山から徳川吉宗により異動させられてきた井沢為永くんにより、さいたま市見沼と同様に笠原沼も開拓がなされる。
水を抜いて、土を入れて造成して、こんな感じになりました。
この旧 笠原沼、近年になると次第に耕作されなくなってきたので、「新しい村」という農業体験施設を立ち上げてテコ入れしている模様。
なお「新しい村」で検索するとサジェストで「新しい村 婚活」って出るんだけど、そういうイベントやってるんですかね。
田植えデートでもするんだろうか。
展示も近代っぽくなった。
明治時代にこの地域では百間村と須賀村が設置され、1955年になって両者が合併して宮代町が誕生した。
宮代という地名はもともと存在せず、2つの村それぞれの鎮守である姫宮神社と身代神社から一文字ずつ取ってきたもの。
1899年に東武伊勢崎線が北千住-久喜間で開通し、町内では杉戸駅(東武動物公園駅)・和戸駅が先に出来、あとで資料館最寄りの姫宮駅が出来たとさ。
杉戸町は隣の町なんですが。
宮代民から反発は出なかったのだろうか。
ステンドグラスが置いてあるのは、県内最古の教会が和戸にあるからです。
明治時代に創建した当時のガラスが展示されている。
展示の最後は資料館お馴染みの、郷土出身の文学者の紹介。
島村盛助という人。
検索してもwikipediaで出てこない位の知名度ではあるが、夏目漱石に師事した英文学者で、『失楽園』の翻訳などをしている。
ホトトギスで小説を発表していますが、しかしこの表紙は卑猥である。
館内おしまい。
敷地内に古民家があるので見学。
安定の農家住宅ですね。
内部。
かまどとか。
木灰をもらえるそうだ。
持って帰るの大変そうだな。
そして何に使うんだろうか。
竈はすごい白け方をしている。
棚は養蚕で使用していた模様。
座敷に上がってみる。
そういえば、さっきから写真はフラッシュ焚いて撮っています。
フラッシュなしだとこうなる。
暗い。
奥座敷は書院造だが、農家らしくシンプルである。
奥座敷の手前にあるのが、住人用の居間であろう。
階段があるけど2Fには登れません。
たぶん天井が抜けるだろう。
けんだま。
古民家から出ると、竪穴式住居があった。
この敷地自体が、縄文時代の遺跡らしい。
中には入れませんが。
あれ、まだあるの?
さらに4棟ほど建っている。
ひろいなー。
大規模農家住宅のようだ。
しかし内部には入れない。
このとき閉館時刻が迫っていたから、すでに閉められてしまっていたのかもしれない。
もっと早く来てたら見られただろうか。
母屋の対面にあるのが蔵。
こっちも蔵。
一番奥にあるのは進修館といって、明治初期の学校であり、現在の百間小学校の前身。
(進修館公式HPから 進修館)
この進修館から名を取った「コミュニティーセンター進修館」なる公民館が東武動物公園駅の近くにあるんだけど、写真見る感じ、旧進修館とは全く異なる前衛的な建築物となっている。
そして「進修館」で検索すると「コスプレ」というサジェストが出てくるので、そういう会場になっているのだろう。
地元の爺ちゃん婆ちゃんとレイヤーが融和する世界がそこに出来るんでしょうか(棒)
以上。
【交通手段】姫宮駅から徒歩20分
【入館料】無料
【滞在時間】60分
【混雑度】★(誰もいない)
【URL】埼玉県宮代町公式ホームページ