神奈川Cスポ探索日記

C級スポット探索日記

C級スポットを主に巡るブログです。C級スポットとは、「メジャーな観光地(A級スポット)・ちょっと変わった観光地(B級・珍スポ)ですらない、楽しめるかはその人次第の場所」という意味です。と言いつつ、普通の観光地にも行きます。地域別カテゴリは最下段から。

横浜市八聖殿郷土資料館

 

八聖殿郷土資料館は、横浜市本牧にある郷土資料館である。

 

 

 

この建物は、政治家である安達謙蔵が別荘として建築したもの。

 

安達は熊本藩士の家に生まれ、1902年に衆議院に初当選すると、それから14回連続当選。

所属した政党では選挙対策役を務めて勝利を導きまくったため、かの徳富蘇峰くんからは「選挙の神様」と呼ばれている。

 

「憲政の神様」とか「選挙の神様」とか、神様が多い時代である。

 

 

 

 

この八聖殿、みるからに変な形をしているが、これは法隆寺の夢殿という建物を模倣しているという。

 

 

 

これが法隆寺の夢殿。

どりーむ。

 

 

 

玄関。

 

別荘として使われたのは1F部分で、2F部分は講堂であったり、また精神修養の場として利用されたという。

精神修養?

 

 

 

安達は長期にわたって憲政会および後身の民政党という政党に所属して辣腕をふるっていたが、この別荘ができる前年の1932年は彼がその民政党から追われて脱党した年であった。

 

当時は軍部が台頭していた時期であり、それを不穏に思った安達は対立政党の政友会と結んで挙国一致内閣を作り、軍を抑えようと画策した。

しかし音楽性の違いのため構想は頓挫して、安達の権威も失墜する。

 

 

 

1Fの写真。

 

そのあと安達は政治の中枢から外れ、そのまま1942年に議員を引退。

 

そういう時期なので、メンタルを落ち着かせるために精神修養していたのかもしれないし、そうじゃないかもしれない(投げやり)。

ただ1937年には早くも横浜市に寄贈されており、わずか4年しか本人に使われていない。

 

 

 

郷土資料館として整備されたのは1973年とのこと。

それまでどうしていたのかは知らないが、ともかく郷土資料館らしく横浜の歴史を飾っている。

 

 

 

横浜はとにかく埋め立てまくっている土地なので、当時このあたりは岬だったらしい。

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だから別荘として使われていたのだと。

 

 

 

これが1949年の航空写真。

真ん中下段に張り紙ついているが、これが八聖殿の位置。

 

 

 

これが1997年。

さあ、海が余ってる子は、どんどん埋め立てちゃおうねー

 

 

 

ちなみに八聖殿の裏の丘から海方面をみるとこんな感じ。

工場萌えする人以外はあまり得しない風景である。

 

 

 

埋め立てネタはいくつか。

これは横浜市金沢のあたりのbefore

 

 

after。

なんということでしょう。

 

 

 

埋め立てネタで一番ポピュラーなのが、吉田新田。

関内のあたりは入江だったが、江戸時代に吉田さんが埋め立てちゃった。

 

 

 

埋め立ての経緯。

 

 

完成。

真ん中オレンジ部分に外国人を閉じ込めておき、本土に上がるには関所を通らないといけない。

こうして外国人居留地は関所の内側=関内、という地名の出来上がり。

 

 

 

というわけで昔は海だったので、この辺の住民は漁師であった。

 

 

 

 

漁に使われる道具たち。

 

 

 

郷土資料館って農具は沢山置いてあるけど、海関係の道具はあまり見ないな。

 

 

貝の中身を取るのに使う包丁。

便利そう。

 

 

 

船。

五郎丸と書いてあるが、ラグビーの人とは関係ないと思われる。

 

 

 

突然のオルガン。

 

 

上にはまた何故かトトロ。

 

 

 

1Fのもう一つの部屋。

 

 

パズル。

誰か途中で諦めたらしい。

 

 

 

ここは海苔特集。

本牧では海苔をよく作っていたらしい。

 

 

 

海苔づくりの道具たち。

 

 

作り方まで書いてあった。

なんでも、海苔の胞子は冬になると海から勝手に海上へ上ってくるので、網を張ってその胞子を捕まえて育てるらしい。

 

 

 

光の反射で見えづらいが、海苔を捕まえる網の模型。

左側に付着している黒いのが、海苔だと思われる。

 

 

そのあとは海苔がちゃんと育つように注意しつつ、収穫。

網を引き揚げる際にちぎれて海に入ってしまった海苔も、ちゃんと拾う模様。

 

 

 

市電の写真も。

詳細は市電保存館にGO!

 

 

2Fへ。

 

 

壁には、横浜で行われる祭りの写真。

かなりの数がある。

 

 

 

こんな感じ。

 

 

最初に置いてあるのは「お馬さま」である。

本牧あたりの祭祀で、災厄をこの馬に乗せて海へ流してしまうというイベント。

 

 

 

「馬」と言いつつ、馬なのは頭だけで、身体は亀である。

ウマガメ。

本牧の6つの村の分を、羽鳥家の当主が代々作るらしい 

 

 

イベントは8月に行われる。

まず馬を本牧神社へ連れていく。

失礼の無いように、馬さんは頭の上に担いでお連れしないといけない。

 

 

 

神社で祈祷。

 

 

馬さんはそのまま神社で一泊する。

夕飯はスイカ

 

 

翌日になると、馬さんは氏子である各村を回り、災厄を引き受ける。

もちろん、馬さんには失礼の無いように、頭上に担がないといけない。

 

 

そんで村を回って災厄を馬に乗せたら、船で海へ出て馬を流す。

 

なお海まで来たら、ダッシュで船まで走って大急ぎで出航し、海に出て馬を流したら、また大急ぎで陸まで戻ってくる。

馬に乗せた災厄がこっちに戻ってこないよう、急いでやってるらしい。

さっきまでさんざん馬をもてなしていたのに、熱い手のひら返しである。

 

 

 

そして気になるのが、この像たち。

これらは安達謙蔵が、「僕の尊敬する最高の8人」を選出して、ここに飾るために作らせたものである。

 

 

 

メンバーはこちら。

左から順番に記載している。

 

 

一番左に飛び出ている観音菩薩像だけは、別に安達リクエストではなく、知り合いから頼まれて預かっただけらしい。

 

 

 

像の製作者にも相当こだわっており、さっきのメンバー表にも書いてあるが、錚々たるメンツで固めている。

 

 

そのうち一番右の日蓮像を作ったのは、日本サッカー協会のトレードマークたるヤタガラスをデザインした日名子実三であるという。

 

 

 

 

あとはお決まりの農具コーナー。

 

 

ぬり絵。

難易度すごい高そうなのは気のせいだろうか。

 

 

「ジャモカモ」。

「蛇も蚊も」。

 

由来は不明らしいが、これを編んで担いで泥の田の中に入り、そのあと各家の表から裏へ抜けて、最後は海中に流すと、家の中の悪神が退治できるという祭祀。

 

蛇はともかく、泥まみれで家上がられるくらいなら蚊の方がマシな気がするが(震え)

 

 

2Fおしまい。

 

 

 

外に出たら、水道も八聖殿の形してた。

 

 

以上。

 

 

【交通手段】桜木町駅横浜駅根岸駅等からバス

【入館料】無料

【滞在時間】30分

【混雑度】★★★(1部屋に2~3人)

【URL】横浜市八聖殿郷土資料館