川崎市立日本民家園
日本各地の古民家を一堂に集結させた野外博物館です。
北は東北・南は鹿児島。その数なんと23棟。ボリュームとしては日本トップレベルでしょうな。
向ヶ丘遊園駅から徒歩15分、入場料は500円です。
園内かなり広いので、普通に見て回っても2時間はかかると思います。
入場口の建物に無料コインロッカーがあるので利用された方がよろしい。
あと園内にお食事処はあるんですけど、あまりサイズが無いので行楽期など時期によっては混雑すると思います。向ヶ丘遊園駅前とかで食べてきた方が良いかも。
(※ お食事処の建物耐震工事のため、2020年1月頃まで休止だそうです)
23棟もあるので全部は載せられないから、気になったものをピックアップしたいと思います。
まずは入場してから最初にある「三澤家住宅」。長野の伊那から持ってきた薬屋です。
内部には自由に入れますが、土間から座敷に上がることはできません。
ただ常に上がるの禁止ってわけではなく、公開日が各家きまっていて、その日であれば大丈夫だそうな。
この日は別の家が公開日になっていて、そこは上がることができました。
屋根は板葺きで出来ており、上から石を載せて重しにしている。
板だから水が溜まって腐り、よく雨漏りするそうな。面倒だな。どうしてコンクリートにしなかったんですか(小学生)
続いては井岡家住宅。奈良県の油屋です。
・・なんだか玄関から煙が出てますね。火事でも起こしてるのかしら。
火事ではなくて竈で盛大に火を焚いていた。燃料は薪です。
こちらの家は公開日だったようで、座敷の上にあがれたり、ガイドさんが館内に居て竈を扱ったり説明したりしてくれるのだ。
家の中でこんなに煙だしてたら死ぬのではなかろうかと思うのだが、ちゃんと天井に煙を逃す隙間があるので、一酸化炭素中毒にならずに済みます。
そのぶん雨の日はやばい気がするが、死ぬよりはマシである。
次は長野県の佐々木家住宅。名主の家だというので規模が大きい。
しかし何が特徴的かと言うと、便所が玄関の外にあることである。
屋外で糞尿たれ流せというのか。脱臭効果はあるかもしれませんが冬は“催し”中に凍死する恐れがあり、なかなかスリリングなトイレとなっております。
これならトイレ休憩と言って仕事をサボる人も少なそうですね、御社で採用されてはいかがでしょうか。
天井から籠みたいなのがぶら下がっている。
なんとこれ、ロープウェーだそうです。
説明用の絵があった。
野原家のあった五箇山は谷が深いので、このように縄製のロープウェーを崖の上から対岸へと渡し、籠に人やらモノを載せて、人力で動かしていたそうである。
ドンキーコングか何かのステージですかね。ミスったら一発ゲームオーバーである。
土間の床を見ると凸凹している。だいたいどの家でもこんな感じ。
ガイドさんに聞いたところ、水分を吸収する素材を使っていて、人や馬の脚についた水滴が土間に吸収され、それが10数年続くとこういう形状になるそうだ。
なかなか味があって面白い。
次の家はなにかなーと思ったら、これはトイレだった(現代人用)
置いてあるのは家だけではないのです。
これは沖永良部島の高倉倉庫です。弥生時代ですかと思ったら、なんと19世紀の建築。島では重宝されてたんですかね。
南国風の樹木も植えられていて、他の地点とは変わった趣を見せております。
入り口は高いところにあって、梯子を使って出入りするそうです。
中に保管していたのは主に米で、「これだけの倉庫を必要とするくらい米が獲れる」という裕福ステータスを表す建築物でもあったそうだ。現代で言うと金持ちは地下シェルター持ってます的な感じだろう。途端に嫌な建物になりました。
この建物は山梨県の塩山から来た、広瀬家住宅です。
軒がやたら低くないか?
家に入ろうとしたら、軒に案の定ぶつかった。痛い。
身長165cm以上あればたぶん無事では済まないと思います。
広瀬家の人は全員身長がhydeくらいだったのだろうか。
というわけではなく、塩山のあたりでは強風がびゅんびゅん吹き荒れるそうで、その風を避けるためにこのような造りになっているそうです。
しかし室内も少し他とは違う。
土間と座敷の高さがほぼ一緒じゃないか。座敷が砂まみれにならんのだろうか。
やっぱり広瀬家かわってますね(断言)
秦野市からやってきた北村家住宅です。1687年に建てられました。
これだけ建築年が明確にわかっている。なぜかというと、柱に大工が落書きしてるから。そのおかげで日本でも最重要な民家の一つとして扱われているのだ。
あなたも自宅に落書きをしておけば、数百年後に価値がでるかもしれません。賃貸ではやらないでね。
ここでは囲炉裏を焚いていました。
ぱちぱち爆ぜていて良い感じ。まぁこの日は暑かったんですがね(汗)
座敷に上がることができます。しかしなんか痛いなと思ったら、ムシロの下に竹が組まれて床となっていた。
竹が足の裏に食い込んで、オート足つぼマッサージになっております。私は内臓全般がお察しな健康状態なので、痛くて歩けません(貧弱)。北村家の人たちはマッサージ厨だったのでしょうか。
ガイドさん曰く「たぶん当時敷かれていたムシロはかなり分厚かったので痛くなかったと思う。今敷いてあるのはその辺のホームセンターで買ってきた薄いやつだから」。
カインズホームかコーナンか分かりませんが、分厚いムシロを売ってクレメンス。
茶室みたいな小さいものが登場しましたが、多摩川を渡す船頭さんの小屋です。
客が来ないときはこの中で待機していたそうな。
中を見ると、意外にちゃんとしている。
スーパーハウスかな?
すごいのは、人力で運べてしまうところだ。
4人いれば担いで持っていけてしまうので、拉致軟禁があっさり完成する。
人の住居をいたずらに、どこかにやってしまうのは、やめようね。
最後に「船越の舞台」です。三重県志摩にあった演劇用舞台で、その集落にある船越神社の祭礼に芝居を奉納していたと。
今でも時おり芝居イベントをやったりするそうです。
いちおう舞台に上がることはできるのだが、常にオープンしているわけではないらしい。この日も15時で締め切りだった(民家園自体は少なくとも16時まで開園)
床を見ると、円形に切り込みが入れられている。たぶんこの舞台は回るんでしょうね。
床下の舞台装置を見ることもできるのだ。地下へ続く階段が舞台の裏側にあるので、ここから入れます。
暗いし狭いので写真は撮りづらいですが、舞台を人力で回すための装置がありました。
このレバーを掴んでグルグル押すことで、上の人もグルグルするんでしょうね。
というわけで、大量の古民家を見られる大規模なテーマパークでしたとさ。
【交通手段】向ヶ丘遊園駅から徒歩15分
【入場料】500円
【滞在時間】2時間半
【混雑度】★★★(ちらほら)
【URL】