C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

天領日田資料館

大分県の日田は天領天領は、幕府の直轄領という意味です。政庁が置かれて役人が多かった、ということは商売したい連中も付いてきた。

役所相手の大口契約で大商人や高利貸しが出現。彼らは情報網と資金を持っているので都会の流行を取り入れた建物や振舞いが広まり、京都や江戸のような街並みを作り出しました。

そういう特殊な立ち位置を土壌に発展した日田の町の、歴史と文化を紹介する資料館ってことだそうです。

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(資料館外観)

日田に来て思ったが、「日田」と「天領」をまるで一単語のように言うのね。天領日田まつり、天領日田洋酒博物館。日田天領水。「カンニング竹山」と同じようなものか(違う)
まぁ天領であることを日田の人々はそれほど誇りに思っていた、ということでしょうか。単に「ひた」って言うより語呂も良いし。

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(展示室はだいたいこれくらいの広さ。画像は別の博物館です)

展示室は1つだけ。資料を1つ1つガン見しても所要30分ですかね。入館料は320円。

残念ながら内部撮影禁止です。幕府による検閲が厳しいのかな?カメラを取り出した瞬間、刀を構えた武士2名が速攻で寄ってきて、いいちこを口の中に突っ込んでいきます(いいちこ工場が日田にある)

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天領の歴史は秀吉の治世からスタート。
日田は元は豊後国を治める大友家の所領でしたが、その当主が朝鮮出兵の際に敵前逃亡という銃殺刑なみのチキンをやらかしたので、秀吉怒りのデスロードにより日田は豊臣家に没収されました。
九州各地に繋がる交通の要所なので、この事件が無くとも秀吉狙ってたんじゃないか感ある。
そんなわけで、館内には秀吉による朱印状が飾られています(画像はイメージで武田信玄の書状です)

 

江戸時代には日田藩として大名の統治下におかれた時期もありましたが、基本的には幕府の直轄領で代官が勤務。
1767年には「西国郡代」に昇格。九州全体の直轄地を広く監督する任務を与えられます。

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(府内藩の本拠 府内城。  大分市HPより)
給料も増えて17万石に。近隣諸藩と比較すると、薩摩藩は80万石程でさすがに規模が違うんですが、府内藩とか臼杵藩など10万石にも満たないところも結構あったようです。

地元企業の社長よりも、大企業の地方支社の営業部長の方が金持ってますって感じでしょうか。きっと3年2か月の過酷な一人旅(単身赴任)で来ているのでしょう。アイアイアイアイ。

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(画像は日田市HPから)

さきほど商人が先進文化を取り込んできたと言いましたが、その成果の一つが祇園祭
京都の祇園祭のまねっこですが、当時日田で流行っていた華道の影響で、山車に幟や御幣、人形にミニチュアハウスまで載せだしたようです。華道ってそんな「麺堅め脂多めニンニク増し」みたいな注文するんですか。
しかしこの家系インスパイアみたいなお祭りがユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録されたわけです。これだったら「家系・つけ麺・蒙古タンメン中本」も登録できるのではないか。

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明治になると当初は「日田県」が設置。初代知事は、のちに首相まで上り詰める松方正義。若干33歳で就任したそうな。
別府に港を築造して温泉都市を作り上げたり、日本初の近代孤児院を設立したり、大規模な紙幣偽造犯を検挙したりと大活躍。そのため2年で中央政府に引き抜かれてしまいました。
その2年後、日田県は大分県に吸収されて消滅します。歴史おわり。ちゃんちゃん。

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最後に「金銀錯嵌珠龍文鉄鏡」なる、読み仮名を振る気にもならない難読鏡の説明。戦前に日田で発掘されたものですが、なんと三国志でお馴染み、曹操の墓から出土した鏡に酷似しているらしい。中国の最高権力者が持つような宝物が日田にあるとは。むむむっ。
魏志倭人伝では、「魏の皇帝が卑弥呼に鏡100枚送った」と書いてあるそうな。邪馬台国は日田にあった?卑弥呼蒙古タンメン中本をいいちこで流し込んでいたのかもしれない。

 

おしまい

 

【滞在時間】30分

【混雑度】★(誰も居ない)

【URL】天領日田資料館 | おいでひた