C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

広島逓信病院 旧外来棟被爆資料室

広島で原爆被害を受けた建物は原爆ドームが最も有名ですが、同様の建物は広島市内に84件もあるそうで、「被爆建物」として保存されているのだ。その1つが広島逓信病院です。

広島駅から徒歩15分、空港からだと広島バスセンターまで来てから同じく徒歩15分になります。

 要注意なのは、見学には事前予約が必要ということです。公式HPで申請書をダウンロードし、見学5日前までにメールで市役所に提出します。普段は閉館していて、見学申請があったときだけ開けている雰囲気。

なお公式HPには「申請を受け付けましたら、こちらから折り返し連絡します」と書いてあるのだが、そんな連絡は来ず、不安になってこちらが電話で確認する羽目になりました。これだから役所は!(予約自体はちゃんと受理されていた)

現地に到着すると館員さんがスタンバっています。入場料は無料。 

被爆建物というから原爆ドーム的ボロボロを予想していたのだが、意外と普通の状態だなぁ。

写真は、外科待合室・手術準備室・診察室・化膿性手術室の4部屋があったところ。当時は壁で仕切られていたようですが、今ではぶち抜いて広い1部屋としております。

と思いつつ被爆時の写真を見たら、盛大に破壊されていた。外壁は焦げ、窓ガラスは吹き飛ばされている。病院だから被爆直後から患者を受け入れる必要があり、こんな崩壊状態では診療なんてできないので素早く修理したようです。

今でも壁の白ペンキを剥がすと、その下には医療器具が衝突した傷や黒く焼け焦げた跡が残っているそうな。

1935年新築した時の写真がこちら。比べて見ると、被爆後の崩壊度が一目瞭然ですね 

周辺建物の写真もありました。逓信省の施設である広島貯金支局庁舎です。外壁が焦げているどころか、建物全体が歪んで傾きすぎである。なんという恐怖映像。

貯金支局1Fにあった郵便箱は、たぶん元は赤かったと思うのですが、焦げて真っ黒である。上部がぶち抜かれているのはさすがに原爆のせいでは無くて、上階と管で繋がっていたからです。

いきなり枯れ葉が出てきたが、病院の庭にあったアオギリという木が被爆しながらも生き残り、その葉だそうです。 アオギリの苗木は市内の小学校に分けられており、子孫を残していますとさ。

さぞかしアオギリも天国で喜んでるでしょうなぁと思ったら、本人は普通に平和記念公園に移植されて生きているのであった。樹木は強い。

お隣の無菌手術室には、当時のタイルがそのまま残されています。修理されているので崩壊感はありませんが、経年で薄暗くなっているので突然ホラー感が増してきます(筆者のメンタルは貧弱です)

この病院を舞台にした『ヒロシマ日記』という本が置かれていました。被災直後から患者の治療を行っていた医師 蜂谷道彦が、被爆後2か月の病院の状況を記録して出版したもの。記録なので生々しい描写に満ちている気がします。

英訳版が出されるとアメリカで反響を呼び、「我々が何をしたか知るために全アメリカ人が読むべき」と訴えた作家もいたそうです。聞いてるかドナルド・トランプ

その後さまざまな言語に翻訳され、チェコ語とかスロバキア語とかマイナー訳まで出ていてすごい。イランとかイスラエルとか北朝鮮のお友達にも贈呈してあげたい。

最後の部屋は消毒室。ここのタイルも当時のものです。

2Fもあるんですけど、ただの倉庫と化しているそうで見学は出来ませぬ。

これにておしまい。 

 

【交通手段】広島駅、広島バスセンターから徒歩15分

【入館料】無料

【滞在時間】25分

【混雑度】★(誰もいない)

【URL】

www.city.hiroshima.lg.jp