人間国宝美術館
工芸技術・演芸技術のうち、非常に高度で重要だと文部科学省により認定されるものであり、後継者を育成するよう年に200万円の補助金が給付される。
この美術館は、工芸技術をもった人間国宝さん達の作品を展示する場所である。
入館料には、抹茶&菓子代が含まれていて、展示室を見終わった後にそのサービスを受けることができる。
ただこの時は閉館が近い時刻に訪問したので、先にお茶を飲むことに。
受付にショーウインドーがあって、そこに茶器が飾ってあるのだが、「どれで飲みますか?」と店員さんに質問される。
なので、この器を選んでみました。
すると、この器の製作者プロフィールが渡されるので、読みながら待つ。
この人は人間国宝ではないようだ。
お茶が出てくる前に、こんなものが出てきた。
これなに?箸置き?
そんな馬鹿な。
おろおろしてたら抹茶が出てきたので、10年以上前に聞いたっきりの作法を記憶から引っ張り出す。
とりあえず3回まわして少し飲み、この箸置き(仮)を意を決して食べてみたら、普通に美味しい砂糖菓子でした。
抹茶を飲み終わった後に先ほど茶器が置いてあったショーウインドーを見てみると、「50万円」って書いてあった。
そんな高価な器で飲んでたのか。飲む前にそれ知ってたら危なかったな(貧並感)
ていうか、その茶器をそのまま客に出すこの美術館、太っ腹だなぁ。
4F建ての建物なので、まずは4Fまでエレベーターで上がり、1Fまで下りていく順路。
館内は撮影可能である点も、太っ腹でレベルが高い。
興味深い作品ばかりなので、貼っていくとキリがなさそうだ。
作品の種類は陶器から絵画から、様々な工芸作品である。
クイズ要素のある作品もある。
コミカルなものもあるんだな。
階段にも作品が飾ってある。
価格表示のあるやつは購入できるらしい。
まぁ展示品はすべて人間国宝の作品というわけではなく、なぜかルーベンスやピカソの絵とか、ミャンマーの品もあったりした。
ちなみにミャンマーは3万円だった。
彼らの国では数年分の年収じゃなかろうか(適当)
千利休の道具だって。
本物かしら。
なんと細川護熙 元首相はいまでは湯河原で陶芸家になっているらしい。
その展示ブースもあった。
こんなかんじ。
細川家は先祖を辿ると、古くは源義家・戦国時代の細川藤孝につながり、明治時代には侯爵になっている。
文化財を家に保有しているらしく、その影響で芸術品にも馴染みが深いのであろう。
すごいっすねー(ひがみ)
そんなんで1Fまで下りると、突然カジュアルな物販。
すごいとげとげしいイス。
作品表示板からして本気である。
その中に何故か混ざる不動産情報。
というわけで、様々な種類の工芸品が見れて、お高い器でがくがくしながら抹茶も飲める、楽しみ方いろいろな美術館でした。
以上。
【交通手段】湯河原駅から徒歩15分
【入館料】1000円
【滞在時間】45分
【混雑度】★★(他に2~3人)
【URL】
【閉館】かぼちゃ美術館
※ 2019.10月現在
公式HPが無くなってしまいました。閉館したのかもしれません。以下は開館していた時に訪問した内容です。
湯河原にあるかぼちゃ美術館。ファンシーで可愛らしい名前ですね。カップルとか女子とか結構くるのでしょうか。カフェも併設されているようですよ。
公式HPには、草間彌生の作品をメインに展示、と書いてある。草間彌生はカボチャ作品多いので、名前はそこから来ているのでしょう。
概要(アクセス・入館料)
場所は湯河原駅から徒歩15分の距離にあります。周囲は思いっきり住宅街で、「こんなところに美術館が?」と思わないではいられません。
住宅街の問題は、似たような家が多いから迷いやすいということだ。グーグルマップとにらめっこしながら来ましょう。
入館料は1,000円です。む、結構するなぁ。
・・しかし、玄関の電気消えていて、部屋のなか真っ暗なんですけど。とりあえず呼び鈴を押すか、、
展示1 開幕から館長の強烈なフック
呼び鈴を押すと、建物内で動く音が聞こえ、80歳オーバーと思われるお爺さんが出てきた。館長さんでしょうか。
私「やってます?」
館長「なに?」
私「今日やってますか?」
館長「いま展示品入れ替え中だけど、それでもよければ」
私「大丈夫です」
館長「じゃあ準備するね」
このとき館長さんの足元に1m四方くらいの額縁が倒れていたのだ。
それを館長さんは拾い上げながら、、
館長「三島由紀夫」
私「え?」
館長「三島由紀夫、みる?」
額縁にはこのポスターが飾ってありました。
三島由紀夫が自らの写真を用いて製作した『薔薇刑』という作品があり、その宣伝ポスターとして横尾忠則が作ったもののようです。
中央に写っている三島由紀夫の周りには、局部をバラで覆った全裸の男性が3人描かれており、大変ホモくさい雰囲気を醸しております。まぁ三島ってホモだしな(断言)
とにかく館長がいう「三島由紀夫、みる?」は、このポスターもみたい?という意味のようです。
私「・・じゃあせっかくなんで」
館長「そしたら、それ展示室に運んでくれない?入場料100円割り引くから」
え、私が運ぶの?
展示2 思ったほどカボチャがない
(画像は公式HPより。リンク切れ)
というわけで、額縁を展示室内に運びました。1m四方あるので、だいぶ持ちづらくて難儀した。キャッシュバック100円ゲットだぜ。
展示室の内装ですが・・民家だね、どうみても。個人の邸宅に絵画を飾っているのです。
美術館が宣伝している草間彌生の絵は3枚くらいありました。3枚?少なくないか。
まぁ展示品自体が10数枚しかないので、草間彌生率は3割ってとこですね。野球だったら優秀なバッターだと思う。
(横尾忠則『ポスター TADANORI YOKOO』)
草間彌生以外で多かったのは横尾忠則でした。さっきの三島のポスター作った人。
ちなみに草間彌生と横尾忠則の共通点は「幼少期に幻覚をみたことがある」ことだそうです。どういうことなの・・
展示3 館長の軽快なトーク(白目)
私が作品見ている間、館長も室内に居たんですけど、、
館長「作品みおわったら、壁から外して床に置いといてくれる?明後日カビ除去の業者が来るんだよね」
あれ、追加の作業ですか。なんだか客というより労働力として扱われている気がして笑ってしまった。まぁ・・いちおうやりますけど。
館長のトークは続きます。
館長「西村京太郎は湯河原の芸者さんを嫁にもらったから、それもあって湯河原に記念館を建てたんだよ(西村京太郎記念館のこと)」
え、そうなの?
あとでネット検索したのだが、“西村京太郎の奥さんは長年秘書を務めてきた女性”と書いてあった。館長ちょっと適当すぎて草が生えるからやめてほしい(困惑)
【西村京太郎記念館の記事はこちら】
あと館長と草間彌生が2人で並んで描かれている絵画があったのですよ。
私「草間彌生さんって来館したことあるんですか?」
館長「あるよ。かなり昔だけど」
いや、、絵画に描かれている館長、今の館長とほぼ風貌おなじなんだけれど・・
昔っていつのことなのだろうか。2年前とか?
それとも館長の容姿が20年ほど変わってないのだろうか。確かに仙人っぽいしな(適当)
まとめ:美術館と言うより珍スポです
(カフェ?と思わしきゾーンの様子)
そんなんで15分ほど室内をうろつき、すべての展示品を壁から下ろし終えて、私は退館したのでした。もう100円くらい値下げしてくれても良かったと思う(労基署に相談)
かぼちゃ美術館というファンシーな名称、草間彌生コレクション所蔵という宣伝文句、これらを信じて来てしまった客層は館長の強烈なキャラにより、致命的なダメージを受けそうですね。完全に珍スポ系統である。
おしまい
【近隣のスポット】
【滞在時間】30分
【混雑度】★(誰もいない)
【URL】閉鎖?
西村京太郎記念館
人が死んでますけど大丈夫でしょうか。ミステリーサスペンスの巨匠 西村京太郎の記念館では、館内でも殺人事件が起こっているようです。
概要
西村京太郎はまだ存命なんですけどね、本人が湯河原在住歴あるので、その勢いで建てたようです。湯河原の温泉街で、主要観光施設の1つとなっています。
アクセス
湯河原駅から徒歩20分の距離にあります。
バスだと最寄りの停留所「小学校前」から徒歩3分。湯河原駅からは「奥湯河原」か「不動滝」行き、奥湯河原方面からは「湯河原駅」行きに乗ると良いです。15分間隔なので意外と本数が多い。
駐車場
上の写真で見えますけど、5台分くらいしか無さそうです。土日は混んでる時もあるので厳しいかも。駅前の駐車場(有料)に置いてくるしかないか。
すぐ西側にあるミニストップは広い駐車場ありますけどね、、、ご利用はお客様の責任となります(素知らぬ顔)
料金
820円です。・・観光地価格!
なお記念館の1Fにカフェがあり、そこでのドリンク1杯が無料で付いてくるというものです。西村京太郎の愛飲しているコーヒーもあるとか。
展示1 鉄道模型にアシモ
2Fの展示室です。手掛けた小説が棚にずらりとならび(手には取れない)、中央には大きな鉄道ジオラマが置かれています。
しかし君は誰だね、アシモ?
本名はエノンくんというそうです。展示室内をギコギコ動き、お客さんに展示品の説明をしています。説明してほしい事柄をタッチパネルで選ぶと、お話が始まります。
鉄道模型がずらずら。西村京太郎サスペンスでは、鉄道を舞台にすることがあるそうです(未読)。特に寝台列車などの長距離鉄道。
ジオラマもかなり大きいので、鉄道好きなお子様なら西村京太郎知らんでも楽しめるのではなかろうか。運転台とかは無いので、眺めるだけです。
展示2 死体を探そうクイズ(不穏)
さっきの鉄道ジオラマ、中に5体の死体が隠されているそうです。5人死んでるって多くないですかね(困惑)治安が悪すぎる、さすが湘南だな。
たしかによく見ると、パトカーが駆けつけている現場がある。しかし難易度が高いクイズですよ。ただでさえ小さい人形が血まみれになっているかどうか探すなんて、私の目が死んでしまう(6番目の被害者)。
ちなみに冒頭に貼った彼は関係ありません。きっと酔っ払って2Fからダイナミックダイブでもしたのでしょう。
展示3 本人のサイン会やってます
(館内で流れている、寝台列車取材のビデオです)
毎週日曜日に館内でサイン会をやっているそうです・・が、本当に開催できるかどうかは本人の予定次第なので、直前まで分からないそうな。
公式HPで開催情報の告知もしていないので、数日前~当日に記念館に電話して訊くしかないですね。
あと記念館でバイトしている人が(たぶん自主的に)Twitterで「やります/やらないです」を流している時もあるので、検索するとよろしいかと。
おしまい
【滞在時間】40分
【混雑度】★★★★(すぐ横に他の客)
【URL】西村京太郎記念館
福泉寺 首大仏
福泉寺は、首大仏でおなじみである。
湯河原駅から奥湯河原に向かうメインストリートを左に曲がり、川を渡るとこの盛大なネタバレ看板が出てくる。
これは迷いようがないね(ニッコリ)
ちなみに川を渡ると熱海市なので、もはや神奈川じゃないが、まあ多少はね?
真摯にお願いする看板の下に、いきなり「みてござる」
この花を見ろということなのか。
花を持ってこうとするお前を見てるぞ、ということなのか。
どうみてもゴミ捨て場だが、扉が付いている。
だれか住んでいるのだろうか。
突然階段が現れる。
これが福泉寺。
奥に何かいるが。
ネットで調べると「首大仏」はヒットするが、縁起などがなかなか出てこない寺である。
藁ぶき屋根とは古風っすねえ
ひときわ主張していた木。
がらんとしているが、何か置いてあったのだろうか。
奥にあった建物は現代的である。
で、メインデッシュがこれ。
思った以上に目とかが立体的で、妙に威圧感がある。
この大仏の由来についてもいまいち情報が無いのでわからない。
もとは尾張藩2代目藩主 徳川光友(1625~1700)が、母を弔うために名古屋城内に作ったという。
ちなみにこの人は、母の菩提寺として大森寺という寺も建てている。
父ェとなりそうだが、父のためにも建中寺を建てているので安心。
これらに加えて熱田神社の造営やら御殿の新設やらやってたもんだから、尾張藩は財政難になってしまったらしい。
まぁ藩邸が焼けて再築する羽目になるなど不運もあったようだが。
横から見たお顔。
耳が劉備玄徳なみにデカいな。
横におわす人。
首大仏の体部分は存在していたらしいが、消失したようだ。
これについて湯河原温泉観光協会は「胴体の方はどこへいってしまったのでしょうか?」と、ずいぶん気楽なコメントを残している。
奥の方はお墓。
その下にやたら白いものが目立つ。
白い。
徳川光友くんは父よりも母の方がお気に入りだったようだが、
とあるブログによると、
光友は、光友の父が下女に手を付けて生まれた子だそうだが、
その下女が出産する際に「股から生んだのでは失礼千万だから、腹を切って生み申す」として切腹して出産したらしい。
あのさぁ(呆れ)
以上
【交通手段】湯河原駅からバス5分「泉入口」下車、徒歩5分
【入場料】無料
【混雑度】★★(他に2~3人)
【滞在時間】15分
【URL】http://www.yugawara.or.jp/sightseeing/details.php?log=1364796410
湯河原町郷土資料館
湯河原町郷土資料館は、湯河原に関する郷土資料館である。
バス停「落合橋」からすぐ、湯河原温泉観光協会の建物があるが、この館内にある。
2階にあがり、公民館的な廊下を奥の方へ。
これ。
見るのにあまり時間は掛からなさそうだね(老並感)
まずは春夏秋冬のお写真。
冬の写真はやたら豪雪地帯になってるけど、「湯河原は滅多に雪降らない」って光風荘のばっちゃまが言ってたなあ。
目立っている丸い奴は、万葉集に関するもの。
万葉集の中で温泉ネタが1つだけあり、それが湯河原らしい。
その歌は「湯河原温泉のような情熱で、彼女が俺の事を思ってくれているか分からない」という意味らしい。
かなしいなぁ(大伴家持 並感)。
湯河原の今昔写真。
大正時代の湯河原駅。
こちらは今の湯河原駅。
なんかそんなに変わってないような。
そんな湯河原を気に入っている作家は多く、記念館建てちゃった西村京太郎をはじめ、松本清張。
島崎藤村も伊藤屋に長期間滞在しており、『夜明け前』の執筆もしている。
しかしなんで木曽の話をわざわざ湯河原で書いてるんですかねえ(困惑)。
島崎藤村が使っていた座布団。だったハズ。
自然を学ぼうのコーナー。
これは湯河原の不動滝で見つかった、「湯河原沸石」である。
酸で熱していくと、なんと石が溶けてしまうという。
あ、溶けるのは岩石全体じゃなくて、この岩に付着している結晶のことね。
昔はこんな軽便鉄道も走っていたらしい。
巨大な絵。
湯河原の歴史で最も有名なのが、源頼朝の重臣であった土肥実平である。
土肥実平くんの概要としては、
1.伊豆で源頼朝が挙兵した当初から味方として登場。
2.石橋山で大庭景親にフルボッコにされ、しょぼくれる頼朝を引っ張って房総へ脱出。
3.有能っぷりを発揮して数々の戦いで平家を破り、壇ノ浦の戦い後は逃げ延びた平家対応のため山口県に留まって目を光らせる。
4.その後は広島に所領をもらって人事異動となるが、詳しい記録は残っていない。義経と親しかったため、左遷された疑いもある。なお戦国時代に名を馳せる小早川家の起源は、この土肥家である。
そんな土肥実平の物語が紙芝居風に展示されているが、中には
「頼朝を寺にかくまった僧侶が、平家の拷問にあって半殺しの状態で放置されるも、頼朝がその僧侶の顔に涙をこぼすと、僧侶の体は回復したのであった」
だってさ。
土肥家の紋章。
鎧の展示。
その横に、ひっそりと展示されている何か。
広島にて土肥実平くんが書いたと言われている文書。
平家寄りだった出雲大社の神主を誰にするかで、土肥実平が推薦した人を頼朝が拒絶して別の人にやらせたのだが、そいつがダメダメだったので結局実平くんの人選で決まったという。
土肥実平の記録が少ない中、それなりに大事な文書な気がするのだが、資料館的には置く場所が無いので端っこに掛けてるんですかね(遠い目)
出口。
よくわからん人形が置いてあった。
以上。
【交通手段】湯河原駅からバス「落合橋」すぐ
【入館料】無料
【滞在時間】30分
【混雑度】★(誰もいない)
【URL】http://www.yugawara.or.jp/sightseeing/details.php?log=1365467533