淀川資料館
これ全部、淀川水系。
河川ってのは山奥の水源地から海にたどり着くまで大小様々な川が出たり入ったりするので、それを全部ひっくるめると「水系」という単位になります。
淀川水系は琵琶湖のある滋賀県を中心に、三重・京都・大阪・兵庫・奈良と6府県にまたがる長大な水系です。すげー・・と思ったけど、流域面積としては全国で7番目に過ぎなくて、トップの利根川の半分しか無いらしい。利根川どんだけ我が国の面積食ってるねん。燃費悪いぞ。
(© OpenStreetMap contributors)
んで淀川の本体はどこかというと、山崎と言う場所で3つの河川が合流するので、ここから大阪湾にそそぐまでを指すようです。
山崎と言うと、ウイスキー作りたくてしょうがなかったサントリーの創業者が水の品質の良い土地を探し回り、そして辿り着いた場所としてアル中の皆様には有名だと思いますが、その恵みは淀川水系がもたらしているのかもしれません。山崎25年は淀川が育てた。のでそれを自宅に置いている岸田首相も淀川が育てた。
淀川の管理は国交省がやっているので資料館が枚方市駅の近くにあるんですが、、、最初廃墟かと思ったんですよねえ。経過年数を感じさせる外観・「淀川資料館」フォントのバブル前時代感、草ぼうぼう。ちゃんと開いてる?「管理物件」って札たてられてない?
1つ前の記事で出てきた「くらわんか船」。江戸時代には猛威を振るった商売船も、苔むした鉢植えと化してしまった。おごれるものも久しからず。自身が雑草くらわんか!されてしまった。
入館しようとしたんですが、扉ががっちり閉まってます。しまっていこうぜ!え、休館日?
そうではなくて、入口のインターホンを推すと、敷地内のどっかにいる館員さんが遠隔操作でドアロックを解除してくれます。すばらしいコロナ対策。まぁ30分ほど滞在したけど他に誰も人いなかったですけどね。
なおロック解除されたらすぐ入らないと、オートロック機能が作動して施錠されてしまいます。体感10秒くらいですね。私はのんきに写真撮ってたのでロック掛かってしまい、もう1度館員さんに開けてもらう羽目になりました。仕事を増やしてすまんな。
朽ちた天井が落ちてくるレベルを想像していたんですが、意外と中は綺麗ですね(無礼)。全部で3部屋ありますが、まずは水槽の置いてある部屋に入ります。淀川に生息する生き物の紹介です。
絶滅危惧種 イタセンパラです。体長10㎝と小さい、日本固有で鯉の一種。
2枚貝を見つけてその中に産卵するという特性があります。孵化した稚魚は冬の間は貝の中で過ごし、春になると出てくるそうな。2枚貝さんサイドにとっては勝手に家の中入られて卵産みつけられて、しかも春まで居座られるわけですが。府営住宅を紹介してあげると良い。
いっぱい水槽あるのでイタセンパラ居るのかなと思ったら1人も居ませんでした。フナとかウナギとかでした。
昔はイタセンパラいっぱい居たそうですが、みんなの敵ブラックバスが放流されたせいで稚魚が食い荒らされ、個体数が激減してしまったそうです。許せない!淀川の水全部抜いて根絶やしにしよう。
魚だけかと思って油断していると、こういうのがいきなり出てくるわけ。山へお帰り。川はあなたが来るところじゃないしいいから帰ってくれないか(真顔)
ブラックバスが近寄らず、イタセンパラが生息できる環境を作るための取り組みがあるようです。「ワンド」を作ること。
明治時代、淀川は水深が浅かったので大型船が通れなかったそうな。なので水深を深くするために、川の両端に「粗朶沈床(そだちんしょう)」を設けました。
粗朶沈床ってのは木の枝で組んだ筏みたいなもので、これを川の両端に置いておくと水の流れが阻害され、水が両端を通らない→川の中央部分に流れが集まるようになる→中央部分の川底の土砂が押し流されて水深が深くなる仕組み。かしこい。
これが実物の小さい版。がっちがちに枝を組み合して頑丈に作られてますね。
ちなみにコンクリートブロックだと、水流で川底が削れた時、ブロックが傾いて崩れたり流されたりする問題があるのだと。木枝ブロックだとしなやかさがあるので、川底の形が変わってもそれに応じて踏みとどまれるようですね。しかし枝編むの大変そうだからコンクリの方が絶対安いと思う。
2つ目の部屋に行きましたが・・圧倒的パネル展示!活字中毒者か河川中毒者以外を死に至らしめる単調さ。寝るな!寝たら死ぬぞ!施錠されて出られなくなるぞ!
10秒くらいで次の部屋に行ったんですけど、、あぁここでも私を待ち受けていたのはパネルであった。それも先ほどと比べ物にならないほど巨大な年表。400万年前からの淀川の歴史が列記されているんだけれど、開館史上これ全部読んだ人いるのだろうか。ところどころ「紀貫之が土佐から帰国」「銀閣寺建立」って淀川関係ないイベント挟まれている気がするんですが・・
なお中央のスクリーンは動くことはありませんでした。おしまい。
【滞在時間】30分
【混雑度】★(だれもいない)
【URL】淀川資料館