C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

映像ミュージアム

 

川口市skipシティには「彩の国ビジュアルプラザ」なる複合施設がある。

デジタル映像製作拠点などと銘打って、映像制作者むけの設備や機材・お子様向けの学習施設などを取りそろえております。

 

 

川口駅からバスで20分程度です。

 

一般人むけ施設としては、NHKと提携して過去の番組を公開している「映像公開ライブラリー」、映画館。

今回は博物館的な「映像ミュージアム」へ入ります。

 

 

階段を登って左手に入口。

入場料510円。

 

 

いきなりサイケデリックな空間を通らされます。

 

 

突き当たり。

 

 

古い映画看板がガラクタのように置かれているけど、何かのメタファーですか?

映像文化はゴミと化した、というメッセージかな(施設の存在意義否定)

 

 

スクリーンでは映画監督らがうんたら喋っている。

 

 

渡り廊下にでます。

 

 

来館したお子様たちが作った道具たち。

 

・・なんかさっきから展示に意味を感じないぞ(疑惑の目)

 

 

しかし廊下の先からが本格的な展示室ですので、安心してください。

映像技術の説明です。

 

 

映画撮影に使われる機材たち。

 

 

一般的な映画は35mmフィルムを使用するが、その撮影機がこれ。

映画のマークでお馴染みですね🎥

 

 

映画館で使われる映写機。

 

 

家庭用としては8mmフィルムがあるが、それの映写機がこれ。

8mmでも十分おおきいな。

 

 

色彩の話。

この絵は赤・青・緑からなっています。

 

 

緑を抜くと、こうなります。

 

 

赤だけにすると、これはバッドエンドですね。

 

 

ビデオカメラやテレビの原理を説明してくれるそうだ。

 

 

なるほど、ぜんぜんわからんな。

 

 

ここでは4K映像・ハイビジョン映像・地デジ以前の映像について、比較鑑賞することができます。

 

 

これが4K。

 

 

これが地デジ以前。

明らかに4Kの方が綺麗なんですが、伝わってますかね。

 

写真では分かりづらいと思うので、知りたい方は映像ミュージアムまでご来場ください(お知らせ)。

 

 

実際に撮影を行う前段階のプロセスについて扱っています。

 

 

撮影前にイメージを掴んでおくための絵コンテ。

黒澤明の『トラトラトラ』で、黒澤本人が書いたものです。

 

 

著名な美術監督らによる絵コンテ。

 

 

モスラもあるよ。

書いてる途中に気持ち悪くならないんですかね(虫嫌い並感)

 

 

メイクの道具たち。

 

 

筆は眉用とか口紅用とか、用途が細かく分かれている。

 

 

血のり。

暗めの赤で、おどろおどろ。

 

 

小道具もおいてあります。

メン・イン・ブラック2』で使用された拳銃。

 

 

こっちは『ジュマンジ』のボードゲームですね。

なんで日本にあるのだろうか、スポンサーだったのかな?

 

 

 

おフランスの街並みのセットざんす。

 

 

ここからは体験コーナー。

カメラマンになって撮影が出来るよ。

同伴者の方がモデルになる必要がありますので、おひとり様はご遠慮ください。

 

そもそもこの施設、お一人で来るにはハードル高すぎだが。

 

 

他にもモンタージュ技術の体験とか、アニメ制作コーナーとか。

 

 

個人的に楽しかったのは、アテレコ体験である。

この防音ブースの中で出来ます。

 

 

アニメの映像が流れるので、それに声を当てようというもの。

テーマは忍たま乱太郎です。

2人プレイまで出来るよ。

 

 

アテレコ後は、吹き込んだ音声が再生される。

なかなか恥ずかしいので、防音ブースで良かったなと思うことになる。

 

 

CG技術の細かい話とかも展示されてますけど、見ている人は居ないのであった。

大人ですら見てませんからね(白目)。

 

 

階段を登って次のフロアへ。

 

 

このフロアも体験コーナーになっていて、アナウンサー体験・スタジオ撮影体験が出来る模様。

まぁお子様向けですね。

 

 

なお収録した内容は、DVDにして持ち帰ることが出来る。

 

 

最後に企画展をみます。

 

 

ゲーム展?

そして展示室の入口で、すでにやたらやかましい音が聞こえてきている。

 

 

入ってみました。

中には様々なゲームが置いてあって、自由にプレイすることが出来る。

 

ゲーセンじゃん(唖然)

 

 

ソフトの時代も様々で、初期の格ゲー筐体から歴代PS、最新の3D等。

これお子様は楽しいだろうな、ご家庭によっては親の怒りを買うかもしれんが。

 

 

ちなみに ↑ はときメモです。

PCエンジンって名前はよく聞くけど、見るのは初めて。

 

 

マリカーピクミンなど人気どころもありますが、これらはプレイできず、映像が流れるだけです。

たぶんドはまりしてそこから動かなくなるガキンチョが出やすいからだろう。

 

 

 

だいたいはお子様がプレイしてたが、少なからず大人もいたな。

子供と一緒に来たは良いけど、親父がハマってしまったパターン。

 

まさか大人1名様で入り浸っているのは居ないと思うが・・

 

 

以上

 

 

【交通手段】川口駅からバス20分

【入館料】510円

【滞在時間】60分

【混雑度】★★★★(すぐ横に人)

【URL】

www.skipcity.jp

春日部市郷土資料館

 

春日部市の郷土資料館です。

駅から徒歩10分程度。

 

ご立派な建物ですが、郷土資料館が独占しているのではなく、教育委員会など文教系の組織とシェアハウスしているそうです。

 

 

資料館と言うより、完全に役所の外観だわな。

 

展示室は1Fにあります。

入場無料、写真撮影可。

 

 

展示室の入り口が狭いので、小さい資料室かなと思いきや、奥行きは結構あったでござる。

 

 

最初にドドーンと迎えるのは縄文の竪穴住居。

でかすぎてカメラに入りきらない。

 

 

手元にはパズルがあります。

資料館パズル勢ご用達。

 

 

なぜかアライグマのパズルも。

千葉の風太くんみたいに有名なアライグマでも居るのかしら?と思ってネット検索してみたら「春日部 アライグマ 害獣」と出てくるのであった。

 

害獣扱いなのにパズル化しちゃうって、一体好きなのか嫌いなのかどっちなんですかね。

 

 

竪穴式住居の骨組み模型。

屋根が適当すぎて、ズラがズレてるようだ。

 

 

住居の周囲の展示へ。

 

 

弥生時代の甕棺。

棺桶ですね。

 

これ、春日部で発掘されたのではなくて、福岡県の春日市から借りているものらしい。

「春日」って名のつく市町村は全国で6つあるそうで、「春日サミット」なるものを組んでいるらしい。

いったい何を話すのよ。オードリー春日を使った広報戦略とか?

 

 

こちらの甕棺も、その一環でレンタルしている様子。

なお遺体はこのように棺に納めます。

上の部分、要らなくない?

 

 

掘ってきたガイコツの展示です。

こわいよ。

 

 

左は、縄文時代の神明貝塚という遺跡で見つかった女性の人骨。

しかし推定年齢、幅広すぎやしませんかね。

骨年齢がよほど若々しいお婆ちゃんか、BBAしてしまっているアラサーということである。

 

 

なんだこの締まりのない粘土は。

 

 

この神明貝塚について、キャラを作って、その名前を公募していたらしい。

「しんめい」だから、めいちゃんか。かわいい。

 

右のキャラは土偶の「ぐうすけ」なんだろう。

「すけ」の部分は、きっと春日部市出身の某有名人から取っていると思われる。

というか、次点の「しんちゃん」は丸被り過ぎてマズいですよ。

 

 

という展示の後に、颯爽と人骨写真を載せてくる。

油断できんな、春日部市

 

 

その下にはカルタがあるのだが、なんなんだろうか。

春日部カルタ?

上毛カルタのオマージュかな。

 

 

ここで縄文土器です。

普段の資料館より、わりと登場は遅めであった。

 

 

それに混じってこんなのもありますが、君も縄文土器なのかな?(すっとぼけ)

 

 

また覇気のない粘土だなと思ったら、これはちゃんと発掘されたもの。

 

 

特徴的な面構えなので、こちらもパズル化している。

 

 

しかも難易度は最高クラスであった。

 

 

円筒埴輪。

 

 

その横にやたら騒々しいのがあるが、これは資料館の体験講座で作られたもの。

さっきの粘土もそれか。

 

 

後ろに置いてある連中はゴーストバスターズっぽく見えますね。

 

 

飛鳥・奈良時代に入ると、須恵器・土師器が出土します。

 

 

この時代ごろに、春日部という地名の起源があるのではと言われている。

6世紀前半に在位した安閑天皇の皇后 春日山田皇女(かすがのやまだのひめみこ)に仕える民たちが引っ越してきて、「春日」の由来はそれじゃないかとのこと。

 

ただ確証はなく、他にも由来として色々な説が。

・水の浸った土地を「カス」と呼ぶこと(この地域は複数の巨大河川が通っているので、しょっちゅう氾濫している)

・川のほとりを「カワベ」と呼ぶこと

 

 

土器には、それが使われていた地点を示す墨書がなされていることがあるが、この土器は「大」とあるだけで、春日部ネタは無さそうですね。

 

 

平安時代末期には春日部氏なる一族が定着し、鎌倉時代になると幕府に仕えた御家人として文書にも名前が出てくるようになる。

 

なおこの兜は5月人形の兜であり、春日部氏とは何ら関係ありませんのでご了承ください。

 

 

これは1275年に作られた、幕府の御家人リスト。

春日部氏が載っているのかと思いきや、それ以前の1247年宝治の乱により滅んでしまったので、名前は見当たりません。

どうして展示した・・?

 

 

春日部氏の居館跡らしきとこから見つかった磁器ですが、春日部氏はやられてしまったので、磁器も粉々ですね。

 

 

埼玉名物の板碑。

ちーん(春日部氏 追悼)

 

しかし南北朝時代になると、南朝方の人物として春日部氏が登場し、春日部の地頭職に任じられている。

いちおう生き残りは居たようである。

 

この春日部氏は戦国時代まで頑張ったが、結局は北条の支配に呑まれ、北条が豊臣に負けると所領はボッシュートされて各地へ離散する羽目になりましたとさ。

悲しいなぁ。

 

 

唐突に昭和ころのオモチャがでてきたんですが。

あとから資料館に追加しようとしたけど、置き場が無かったからここに突っ込んだのかな?

 

 

江戸時代に戻ります。

春日部は日光街道の宿場町でした。

道路もそうだが、川もたくさんあるので舟運も栄えていたと思われる。

 

 

この時代は「春日部」ではなく「粕壁」と呼ばれている。

造り酒屋の「酒粕」、建物の壁が荒壁という作りで出来ており「粕壁」と呼んだ、など説は幾つかあるが、真相は闇の中である。

 

歌川広重も描いてます)

 

明治時代になっても粕壁町と呼ばれていたが、1944年にお隣の村と合併すると「春日部町」になった。

やっぱ粕っていう字を使いたくなかったんですかね。

 

ただ地名としては「粕壁」の名は残っており、現にこの資料館が建っている住所も「粕壁東」である。

 

 

近代になりました。

 

 

市内の伝承について記したペーパー。

貝塚のキャラクターと言い、漫画調好きですねぇ春日部市

クレヨンなんとかさんの影響だろうか。

でもそれよりは萌えに近い画風である。

 

(1930年の春日部駅

 

江戸時代は舟が活躍したけど、これからは電車である。

1893年には千住~春日部まで馬車鉄道が開通、東武線や野田線も通るようになりました。

 

 

一気に戦後の話。

高度経済成長期になると東京近郊のベッドタウンとなるので、人口急増。

市内には「東洋一ィ」と呼ばれる武里団地ができました。

 

「東洋一」って、松原団地もそう呼ばれてなかったか?

 

 

人が増えすぎて学校が足りなくなったようです。

 巨大都市 春日部。

 

 

春日部は巨大な凧あげが有名だが、起源はよくわかっていない。

江戸時代に、養蚕の豊作を祈った説があるが、蚕と凧?

 

しかし「家族」と書いた凧、うまく上がらずに墜落したとしたら、その家族状況についてはお察しください。

 

 

こんな祭りもやってます。

やばそう(直観)。

 

 

春日部弁なる方言があるそうな。

 

 

かまげっちょ?

 

 

トカゲのことだった。

標準語の方が短くて呼びやすいですね(方言蔑視による問題発言)

 

 

最後に企画展です。

昭和~現代までの道具展の様子。

 

 

また新キャラが登場。

あまりたくさん作らず、一本化した方が良いのでは。

その場合、間違いなくさっきの「めいちゃん」が勝利し、こいつは淘汰されると思うが。

 

 

昔のオモチャたち。

 

 

初期のポケモン、懐かしい。

巨大GBはもっと懐かしい。

 

 

また、春日部弁のお時間です。

 

 

標準語から離れすぎてやしませんかね。

東北かな?

 

 

学校の机。

 

 

教科書。

よしこさんに対して、はるおさんが恐れおののいているようにみえる。

権力関係が分かりやすい。

 

 

これ洗濯機らしい。

中にモノを入れて、右側のレバーをグルグル回して洗濯するんだと。

 

洗濯板でやるより楽になったのかと思いきや、レバー回す作業がスーパー重労働だったので、速攻で廃れたそうな。

 

 

 

 

最後に、郷土の有名人を飾って終了です。

2018年から春日部駅の発車メロディに、このアニメの曲が使われるようになった。

 

お分かりだと思うが、発車前にあのメロディ流されると、すごい急かされている感じがする。

「駆け込み乗車はおやめください」の真逆を行く感じである、さすがしんちゃん。

 

 

以上。

 

【交通手段】春日部駅から徒歩10分

【入場料】無料

【滞在時間】60分

【混雑度】★★(他に2~3人)

【URL】

www.boe.kasukabe.saitama.jp

昭和のくらし博物館

 

昭和のくらし博物館を目指してグーグルマップ見ながらやってきたのだが、それらしい建物が見当たらないぞ。

でも電柱に張り紙が付いているな。ここで右手に折れるとのこと。

 

 

・・思いっきり路地なんですが。

 

 

しかし「路地を抜けて右側2軒目」と、案内が出ている。

 

 

無関係の民家に侵入していないか不安になりながら、路地を進む。

大丈夫なのかしら・・

 

 

路地を抜けました。

右側の2軒目はどこだ?

 

 

これ。

まんま人の家なのでは・・

 

 

だがちゃんと看板は出ているから合っているのだろう。

覚悟を決めて、中へ。

 

 

敷地内に入ると、すぐ左手に受付があり、館員さんが案内してくれた。

入館料は500円。

 

そして、この写真では写ってないがけっこう客がおり、案外繁盛している。

あれ、さっきの路地裏からは微塵にも感じ取れなかったけど、ちゃんとした施設なんじゃないか?

 

 

建物は戦後期の1951年に建築されたもの。

館員さんの説明によると、都内では戦後期の建物は全建物の1%程度しか無いそうで、明治や江戸時代の建物より数としては少ないそうな。意外。

 

古い建物だと文化財登録を受けて保存しやすいが、戦後期の建物だとさほど時代が経っておらず価値的に微妙とされて、保存要望も無くあっさりお取り潰しなのかもしれない。

 

 

表札出てますが、小泉さん一家が持ち主だそうです。

館長の小泉和子氏が庶民生活の研究者であり、「庶民の暮らしは一番最初に犠牲にされてしまうものだから、ここに保存しよう」という思いから、建物をのこす傍ら、展示物を集めて博物館となりました。

 

 

井戸もありますが水は出ません。

子供たちが大はしゃぎでこれを動かしていたのだが、本当に水が出たら一面水浸しになるので、その対策なのかもしれない。

資源は大事に(戦後期の精神)

 

 

(博物館のチラシ) 

 

昭和期の建物として、様々な作品のモデルとして使われている。

この世界の片隅に』『海街diary(原作)』、その他許可なく勝手に外観を撮られて利用されていることもあるとのこと(by館員さん)

肖像権で訴訟不可避。

 

このときはチラシの通り映画特集をやっており、絵コンテや劇中シーンなどが展示されていた

 

 

 

館内は撮影禁止ですが、学術用・お子様の勉強用であれば、受付に申請すれば撮れる模様。

 

内装は注文通りの昭和スタイルで、ちゃぶ台・食事道具・衣服など当時の日常生活に登場した調度品が様々に並べられている。

外観はかなり古さがあったけれど、実際に使われていた住居だからか、メンテナンスはしっかりされているようで、ただの古民家ではなく、懐かしさがあって親しみを感じられる祖父母の家、という様相である。

台所の床はギシギシ言ってて若干の恐怖を感じたのは内緒。

 

(博物館チラシ)

 

2Fでは「楽しき哀しき昭和の子供」展が開催中。

2017年9月からやっている企画展である。かなりロングランですね、劇団四季のライオンキングかな?

 

戦前戦後の子供たちの暮らしや状況を、明るい面と暗い面の双方から見るというもの。

明るい面・楽しい物についてはデパートの屋上遊園地・おもちゃ・駄菓子などの、よく資料館で見るものが並べられている。

 

一方で暗い面を取り上げるのは、なかなか珍しいと思う。

・戦時中に飢えや栄養失調でいかに多くの子供が死んだか。

学童疎開中に起こった子供同士でのイジメ。

・貧困のため子を育てられない親達から、引き取り料を受け取って子供たちを引き取る連中がいた。そいつらは子供をすぐに殺し、また違う親から子供と金を引き取っては、子供を殺すことを繰り返した(貰い子殺し)

 

 

惨憺たる展示を見て気持ちがガックリしたところで、隣の棟に移りましょう。

こちらは平成になってから建てられたよ。

 

(2F展示室。この場所だけは撮影可)

 

2Fには小泉家の知代さんという方によるグラフィックデザインや染物の展示室がありますが、企画展になるとそちらに占領されるようです。

映画関連展が開催されていました。

 

 

1Fには談話室があるけど、ワークショップ開催中で入れず。

仕方ないので庭を見ますか。

 

 

この世界の片隅に』のキャラクターかな?

 

 

海苔が置いてあります。

映画の中で海苔をつくるシーンがあるらしく、それネタ。

 

 館員さんによると、大田区でも海苔づくりを大森の海岸でしているそうなのだが、ここに展示してあるのは大森流の海苔製法であり、映画の舞台 広島流では無いらしい。

これは海苔ガチ勢からクレームが来ますね、そんな人が居ればの話ですが。

 

 

お土産屋では焼き海苔が売っていますが、こっちは広島産です。

広島流でいくのか大森流なのか、博物館サイドも判断できていない模様。

 

というわけで博物館はおしまい。

 

 

ところで敷地内にもう一つ、建物がある。「画家 吉井忠の部屋」。

洋画家である吉井の展示室となっている。館長の絵の先生を、吉井がやっていたことが由縁で作られたらしい。

 

 20代で帝国美術院展覧会に複数回入選して名を広め、シュールレアリスムに傾倒し、戦前戦後の画壇で活動。なんだかすごそう、よくわかんないけど(こなみ)

 

 

 

館内の写真。建物は築3年程度と、一気に新しくなり、内装も美術館らしい様相をしている。

吉井による大きいサイズの絵画が何枚も、壁にどんどん貼りだされていた。大判サイズの絵がお好きなようで、基本は人物画で対象は女性である。

 

 

(画像は本サイズのイメージです。井口喜源治記念館で撮った、15世紀聖書の複製)

 

あと吉井は東北民俗について関心があって、記録書を残しているんだけれど、それが1万ページを超えるんじゃないかってくらい余りにも膨大なボリューム。

さらに本のサイズがデカくて、高さ50cm位あった。グーテンベルク活版印刷がデビューした頃ってこんなサイズだったはず。15世紀かよ。

 

博物館の方は客が結構いたのだが、こちらは誰もいない。

追加料金200円掛かるってのもあるけど。

「吉井忠って誰?」って思う客がほぼ全員だからだろう、私もそうだが。

 

 

館員さんも、こちらの施設に関しては割とボロクソである。

 

「現在、吉井を研究している人は誰もいない」

社会主義に傾倒した時期があり、画壇的には扱いが面倒」

「東北の民俗誌は膨大な量だから、読めば新しい発見があるかもしれない。あの本を全部読んだ人間がまず居ないが」

「そもそも私(館員さん)、この人の絵が好きじゃない」

 

ま・・まぁ多少はね?

 

以上

 

 

【交通手段】久が原駅下丸子駅から徒歩10分

【入館料】博物館500円、吉井忠展示室は200円

【混雑度】★★★★(すぐ横に人)。ただし吉井忠の方は誰もいない

【滞在時間】60分

【URL】

showanokurashi.com

 

 

 

鈴木酒造 酒蔵資料館

 

さいたま市の岩槻にある鈴木酒造に、日本酒の資料館があるというから行ってみた。

岩槻には岩槻城があるし、城下町には蔵元があるものだ。

 

 

しかし蔵の前に吊るされている杉玉、なんだか形が歪じゃないか?

あんまり丸っぽくない。

ぼさぼさのSUUMOって感じである。

 

まずはこれがフラグであった。

 

 

なにはともあれ入館します。

1Fは普通に販売所。

 

 

資料館は2Fとなっている。

受付に一声かけて上がります。

無料です。

 

 

階段をあがりました。

・・ん?

 

 

左手にずらっとならぶのは書画の数々。

 

 

右手にも書画と、日本画

 

あの・・酒グッズは?

 

 

どうもこの部屋はギャラリーのようで、外部に貸出しているらしい。

でも作品について特に説明が無いので、リアクションとか取れないんだよなぁ。

酒と芸術は説明不要!ということだろうか。

 

 

 

そそくさと見て、次の部屋へ。

 

 

次は民具の展示ホールだった。

酒グッズは?(再確認)

 

 

いろいろ置いてあるのだが、ここでも特に説明は無いので、やっぱりリアクションが取れない。

酒と民芸品に説明は(以下略)

 

 

少し綺麗目な調度品は、ケースに仕舞われております。

この酒造は1871年開業と言うことなので、それだけ過去の品も保管しております。

 

 

そんな中で片隅に並ぶ、芸術品っぽいもの。

 

 

裸婦がギター弾いてます。

さっきのギャラリーは和風系だったから、雰囲気あわないとして追い出されてしまったのだろうか(憐憫)

どことなく表情も暗いけれども、それは照明が暗いからというのもあるかもしれない。

 

 

ようやく酒関係の展示が来ましたね。

 

 

設備が近代化される前の、酒造りの道具ですね。

 

 

しかし照明が暗い。

当時の酒造の雰囲気を味わってもらうためか、はたまた電気代節約のためか。

公式HPに載っている展示室の写真を見ると、もっと照明が明るい部屋のイメージがありましたけども(チラッ)

 

 

そして特に説明がない or あっても暗かったり説明書が遠いところにあったりして、読みづらい。

うーむ。

 

この辺は生酛づくりの道具ですかね。

桶に蒸米・水・麹をいれて、櫂(ここでは「鬼棒」と言われている?)で長時間すりつぶして、乳酸菌を発生させると言うやつ。

 

 

酒袋。

できおわったもろみを入れて、上から押して絞るやつ。

 

 

もろみを酒袋に移し替えるときに桶を使うけれど、桶の名称が「たぬき」と「きつね」。

キツネは、見た目キツネっぽいからこういう名前になっている。

タヌキはただの丸桶ですが、キツネと対比するために命名されたのだろうか。

 

 

火入れをするときに使う「蛇管」。

これ自体は熱湯の入った釜の中に沈める。

蛇管の管の中に、出来上がった酒を通して発酵を止める。

 

 

製品となった日本酒は、こんな陶磁器に入れて店頭で販売しましたとさ。

カッチョ良い。

 

 

展示されている品は結構貴重な物なんでしょうが、飾り方がアレなんで、あまり根入れて見る気になれませんねぇ。

予習して来れば良かったんでしょうけど。

 

この絵は明治時代の有名な浮世絵師が、鈴木酒造の酒造りについて描いたものらしい。

当時の様子を伝える重要な情報なのだが、いかんせん絵の保管状態が悪くて、ボロボロで一部みえません。

 

 

こちらの絵に関しては半分以上が削れている。

もう何かいているんだか分かりませんね。

ゲルニカです」って言っても通用するんじゃない?

 

 

最後に、ぽつんとTVがあります。

このTVも明治時代のものかな?

 

ここで日本酒の作り方についてのビデオを見ることが出来る。

 

 

なおTVとビデオは電源切ってあるので、セルフサービスとなっております。

自分で電源を入れて再生し、終わったら切りましょう。

 

 

だからその通りに電源入れて再生しようと思ったのだが、ビデオの方が全く動かない。

巻き戻されてないのか?と思って、巻き戻しボタンを押すも、表示されるのは一面の砂嵐。

 

数分いろいろ試みましたが、ダメだったので諦めました。

もう私のような年寄りにはビデオの扱い方がわからんのじゃよ、DVDやPCにしてくれないと。

 

 

以上

 

 

【交通手段】岩槻駅から徒歩15分

【入館料】無料

【滞在時間】30分

【混雑度】★(だれもいない)

【URL】

www.sakekura.net

木の葉化石園

数十万年前、栃木県の塩原には湖があったそうです。そこへ木の葉が舞い降りて水中に落ち、沈んで底に溜まった泥の中へ。時間がたつと泥が固まり、葉っぱの形状をキレイに残した化石ができました。これら「木の葉石」が塩原温泉あたりにたくさんあるそうです。

 そんな化石たちを展示するのがこの資料館。

・・だ、だいぶ古さを感じる建物ですねぇ。こういう廃旅館よく見るよ。化石をよく知るにはオレ自身が化石となることだ、ということでしょうか。 

入場料は500円です。

アクセスは、西那須野駅から塩原温泉バスターミナルまでバス40分で来て、さらに20分歩くという手段が一応ある。やる人がいるかはしらないが・・。まぁ沿線には天皇家の旧別荘とか、源三窟なる鍾乳洞などあるので意外とハシゴできるかもしれない。

館内には塩原で発掘された木の葉の化石がこれでもかと並んでおります。ブナ・クリ・カエデを筆頭に200もの種類が発見されているそうです。

クリの化石です。ペインティングではないかと思うような繊細なタッチ。保存状態が良いことも影響しているそうな。湖の底に埋もれてたのが幸いしたのだろうか。

モミジも色濃く残っていて、押し花のノリに近い。

化石なのにほのぼのする光景ですねぇ。

という風に油断していると、いるんですねこういうやつが。アブです。

土砂と一緒に流れ込んできて、木の葉とともに良い保存状態に置かれてしまった模様。彼もまた被害者なのです。

虫だけじゃなくて魚も化石化されていました。ウグイです。湖で暮らしていたら急な土砂崩れに襲われて魚拓を取られてしまったのだろうか。釣られてもないのに、さぞ悔しいであろう。

・・あれ、いきなり三葉虫が表れたぞ。しかもアメリカ産と書いてある。数十万年前から日米は通商していたんでしょうか。すごいですねー(棒)。

どうもここからは世界の珍しい化石コーナーらしい。木の葉石の特集は終わりなようです。 

ドイツ産のクモヒトデ。なかなか躍動感ある化石なので、どこかの企業がロゴとして使っても良いのではないか。クモヒトデ テクノロジー有限会社。

 なにかと思ったら、真ん中の黒いの、ゴキブリだそうです。4000万年前ほどの、アメリカ産のほどの化石。ゴキブリの歴史は古いですねぇ。こいつらを絶滅できなかったのは氷河期さん最大の失策と言ってよい。  

続いては岩石のコーナーになりました。化石に岩石、さまざまな岩を集めている資料館です。“木の葉”要素が少ないって?おじいちゃんそれは入り口付近でさっき見たでしょ。

展示してあるのは孔雀石。孔雀の羽のように鮮やかです。触れた瞬間に別の時空へ飛ばされそうな模様をしているな。

砂漠地帯で見られる岩石です。水が干上がって、残った物質が結晶化すると出来るらしいがよく分からん。

「砂漠のバラ」と格好いいネームが付けられています。

オーケン石。ふわふわしているのは綿でもカビでもなく、石です。

極細の鉱物が放射状に成長して出来るそうな。硬いのかと思いきや、ウサギの毛のようにモフモフするとのこと。お触りしたいが残念ながらケースの中に入っています。

というわけで展示品を見終わり、最後にお土産コーナーです。

あれ、木の葉石が売られてるんですけど。貴重な化石を投げ売りしちゃって良いのでしょうか。まぁその辺に落ちてるのかな(暴言)。いちおう価格は数千円します。

 数百円の化石もあった。これがデフレ社会ですか。

こちらは半分に割れているなど発掘失敗したものたちなので安いようです。これ買う人いるのだろうか。

 

 おしまい

 

【交通手段】西那須野駅からバス40分「塩原温泉バスターミナル」から徒歩20分

【入館料】500円

【混雑度】★(だれもいない)

【滞在時間】45分

【URL】木の葉化石園のホームページ