能美ふるさとミュージアム
能美市は石川県でも下の方・南西部にあり、メジャーリーガーの松井秀喜・総理大臣や東京オリンピック委員長だか何かをやってた森喜朗の出身地でありますが、それらは一切無視して郷土の自然や歴史を展示することに全振りしたミュージアムであります。
最近建て替えが行われたとかで、新しくきれいな内装です。
入館するだけなら無料で、企画展示室や子供用室内遊び場があります。
常設展示室は300円です。
アクセスについて。
松井秀喜のミュージアム・九谷焼の美術館があるので、周遊コミュニティバス「のみバス」が能美根上駅から発着しているんですが、1日5本くらいしかありません。1乗車100円なんで、タクシー呼ぶより圧倒的に安いですけどね。
ただ電車の発着時間と全然マッチさせてないんですよ。確か、金沢方面から来る電車が10:53に到着するんですが、このバス10:52に発車します。あと5分くらい待ちなさいよ。そんなに急いだところで、どうせ空気と虫以外に運ぶものもな(能美市迷惑防止条例により削除されました)
なのでバス乗り場には早めに着きましょう。ローカル駅なので、駅前に期待することも無いですが、なんと暖房付き待合所がありました!少なくとも凍死しなくて済みそう。
さて展示室ですが、大まかに自然ゾーンと歴史文化ゾーンに分かれるようです。自然ゾーンは大きな窓に日差しが注ぐサンルームチックで明るくて良いですね。市内各地の自然を精緻に再現したジオラマが並んでいます。
しかし展示されている連中は・・もうちょっとかわいいやつ無かったですかね。このアメンボさんは手足が奇妙に長くて家に侵入してくるザトウムシを思わせるので、眺めていると鳥肌が立つからお帰りください。右の写真の方もさっさとお帰りください。
ルリイトトンボです。標高1,000m以上の高地に生息する種ですが、そんな標高の無い能美市になぜかいます。高地の水辺環境に似ている地点があり、そこで見られるそうです。
奇怪なポーズをとってますが、これ交尾シーンです。ハートの形をして可愛いね★じゃないのよ。休日の家族生活を気まずくするのはお控えいただきたい。互いの首に尾をぶっ刺し合っているのも異界の生物っぽさがあり、サイコ感を禁じ得ない。
もう1つ希少種としてハッチョウトンボとやらが居たんですが、これも交尾シーンであった。ここは群馬県「命と性ミュージアム」でも熱海秘宝館でも無いはずですが・・。これが、館内に「子供向け遊び場」が別に用意されている理由だったんですね(名推理)
「トンボの複眼を見てみよう!」。
トンボの顔面ドアップと、けっこうデカい死骸がごろんと置かれており、女性の来場者の悲鳴を誘っています。いや死骸でなくて模型なのかもしれんけど・・虫嫌いにはその点あまり関係ないかもしれません。リアルさを追求してほしくない分野である。
ホラーゾーンから一回離れて、滝でも見て落ち着きましょう。大小さまざまな滝があり、「七つ滝」と呼ばれています。これは確か「一の滝」の模型。
この滝に伝わる伝承で、恐ろしい巨大ウナギが住んでいるんだと。だから村の若者がウナギを捕まえに行こうと滝に向かっていったが、来た道を振り返ると、なんと村が大火事になっていた。慌てて引き返す若者。しかし村に着いてみると、そんな火事は全く起きていなかった。そして若者は重い病気にかかって倒れてしまったとさ。
滝に到着してすらない若者ボッコボコにするウナギさん、沸点低すぎて怖いです。
七の滝にいたっては壊れてしまったので人工的に作り直していた。もう滝と言うよりスロープではないか。
この展示室には他にも、ドデカハサミムシの写真とかあったんですが字数が意外と増えてしまったので、もう次の部屋に行きましょう。
歴史ゾーンになりました。はいはい縄文土器、いつもお疲れ様ですーって感じで流そうかと思ったんですが、放映されていたビデオが面白かったので見てしまった。
打製石器を現代の石職人が作るムービー。石器にする石を、別の石で叩いて削って形作っていくんですが、叩く強さ・角度・位置を細かく調整して、その辺に落ちてそうな石をナイフ・槍・掻器など様々な道具に変えていく様はTHE職人芸。ずっと見ていられます。
縄文土器はなぜ底が厚かったり口の部分が広いのかという疑問を、調理面から探ってみる映像。直火で土器ごと温めるので底は厚いほうが良い、煮炊きするなら口の部分は広いほうが掻き混ぜたり材料を入れやすい、みたいな内容だったと思いますが、それよりも縄文時代クッキング映像なので、単純に見ていて美味しそうです。
うまそう(うまそう)
しかし残念なのは、この映像制作したのは仙台市の博物館だそうです。能美市オリジナルだったらミシュラン★100個だったのに、悲しいなぁ。
能美地域が平安時代に誕生した(能美郡が制定された)ことの展示ですが、宇宙創造みたいなスケール演出するのはさすがにやりすぎではないか。
すごろくです。加賀一の宮である白山比咩神社が近くにあり、伝承を盛り込んだ「白山曼荼羅絵図」なる掛け軸があるそうですが、それをモチーフにしています。
しかしねぇ、昔の伝承だから内容がなかなか酷いんですね。「性悪な美女が鬼2体に出くわし、両方から引っ張られて身体を引き裂かれた」。鬼滅でもそんなグロシーン無かったと思う。
ちなみに「瓶之平まで戻る」って指示にあるんですけど、瓶之平はたった4コマ前なんですね。残虐殺人されながら4コマで済む。この神社の世界観、修羅すぎやしないですか。
最後は電車のお話。1980年廃線になった北陸鉄道能美線です。能美根上駅(当時は寺井駅)から、北鉄石川線の鶴来駅まで。
wikiを見た感じだと、九谷焼の原料や完成品の輸送が主目的だったようです。あとは白山神社への詣で客・寺井方面への海水浴客など、要は地域に根差した交通機関と言うことですが、1960年代後半からマイカーブームで利用客は9割減。廃止されましたとさ。
能美線グッズの展示。左は線路を文鎮にしたものです。
この博物館から4㎞ほど離れた場所にある「のみでん広場」に、当時の車両が屋外展示されているそうです。バス勢はさすがにそこへは行けませんが、マイカー勢は足を延ばしてはいかがでしょうか。能美線を滅ぼした、そのマイカーで・・(ホラー演出)
おしまい
【滞在時間】60分
【混雑度】★(だれもいない)
【URL】能美ふるさとミュージアム