C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

ふじのくに茶の都ミュージアム

静岡と言えばお茶大国。生産量は国内NO.1!、、と思ったら近年は鹿児島県に猛追されており、2019年には産出額ベースだと負けていた。

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ただ緑茶への支出金額ではまだまだ静岡は強くて(強いってなんだ?)、2020年は静岡市浜松市が1位2位フィニッシュを飾っており、静岡市なんて全国平均の3倍の金を緑茶に掛けている(静岡県HP)。

もはや静岡県民がお茶を作ってるのか、お茶が静岡県民を作っているのか分からないですね。

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国内でも有数の生産地 牧之原台地、巨大なミュージアムを2017年に建てました。

車なら東名や新東名のICから来れそうですが、そうでない場合はJR金谷駅からコミュニティバスを利用しましょう。1日に5本くらいしかないですけどね。まぁ3㎞弱なのでタクシーでも大した金額にはならんでしょう。

しかし大井川鉄道に乗る以外の目的で金谷駅を利用する旅行客ってどれだけ居るんでしょうね。

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空腹だったのでレストランに入りました。新しい建物は綺麗で良いですね。まだお昼前だったので最初の客です。

メニュー表を見よう。うわー日本酒いっぱい種類あるなぁ、、と思ったら全部お茶だった。県内の各産地で採れた一番茶をボトリングしたCRAFT BREW TEAです。2合瓶に詰めているせいで日本酒にしか見えない。

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頼んでみましたがどう見ても日本酒ですね。公共の場で飲んだら間違いなくヤバいやつ認定されるので、健康的にヤンキーぶりたい方にお勧め。

香りもお楽しみ要素なのでワイングラスを使っています。

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7種類のうち、川根茶と天竜茶を頼んでみました。色は天竜茶がオレンジに近い濃さ、川根茶は淡い黄色。味は見た目どおり、天竜茶の方が渋みや苦みがどっしりしていて、このとき抹茶チョコが付け合わせで貰えたのですが、その強い甘みと対照的でよく合います。川根茶はさらっとすっきり系で食中酒・・じゃなくて茶に良いと思いました。こなみ。

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食事を終えたので展示を見ます。入館料は300円。

3F→2Fという順路で、3Fは世界のお茶について。お茶の起源から、各国で飲まれている様々なお茶、ティータイムの過ごし方などが紹介されています。

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お茶を最初に利用し始めたのは中国東南部 雲南省に住む山岳民族。それが他のアジア、特に漢民族に伝わって広まったとされています。樹齢1,000年近くにもなる巨大な茶樹を大切に使い、茶を収穫しているそうです。

・・というか、茶って木なんですね。野生だと高さ10mにも達しますが、栽培用だと1m程度に刈り込んでるそうです。10mの木々の間をターザンロープで滑空しながら茶葉を摘むとなると相当な訓練が必要だし、農業者というより妖怪に近くなってしまうからでしょう。

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「茶」は各国で「ティー」とか「チャイ」とか呼ばれてますが、なんと発祥はどちらも中国。中国の広東語では「ちゃ」、福建では「てー」と言っていた。広東語の地域から来た日本や西アジアでは「ちゃ」。インドやトルコの「チャイ」はこれ。

福建ルートで来たヨーロッパでは「tea」とか「tee」になったとさ。

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ポルトガルだけは「cha」と、欧州各国と異なるんですが、この国は大航海時代に東洋進出したのが最も早くて広東語ルートで仕入れたのが、あとでオランダにボコボコにされて勢力圏を失い、そしてオランダが福建ルートで欧州中に交易したからです。お茶を学びに来たのに、こんな思わぬところで母国屈辱の歴史を思い知らされるポルトガル人観光客が不憫でならない。

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お茶の起源は雲南省だったわけですが、世界各国で栽培されるうちに様々な種類の茶が出来ていきました。

そんな茶葉を片っ端から集めたので、匂いを嗅いで違いを比べてみてね。引き出しを開けると茶葉が入ってます。とても面白いコーナーなんですが、種類多すぎである。ぜんぶ見てたら1時間は飛びますね。

なお日本国内で栽培しているお茶だけでも100以上の品種があるそうです。

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世界のお茶と文化の紹介。

中国にある「茶楼」という喫茶店では、店内で音楽の生演奏があったり、国内各地のお茶を取り揃えていたりとお上品な時間を楽しむことができます。ジャッキーチェンの映画だとしょっちゅう店内で乱闘したりバイクが突っ込んできたりして破壊されている気がします。

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チベットの“現代”住宅です。最新型ですよ。何も知らない観光客が「良い古代建築ですね」と言って家主にエルボされる絵が浮かぶ。

チベットではバターや岩塩を入れた茶を飲む習慣がありますが、これを飲まないと鼻血が止まらなくなるそうです。前世でなんの罪を犯したのでしょうか(高地で農耕が難しいので栄養素の摂取が難しいことが関係?)

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東南アジアでは「食べる茶」があります。お茶の葉を漬物にするそうです。写真だと真ん中に盛り付けられている物ですね。これを色々な具と和えるのですが、最後に味の素を掛けるそうです。それ「食べる茶」ではなく「味の素」じゃないですかね。

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3Fが終わって2Fへ。この階では国内の茶の歴史や生産方法を展示していますがほとんど撮影禁止なので書くことがありません。まぁ十分書いたから、もういいでしょう(適当)

写真は県内の茶の産地を示してますが、静岡西部だけで20種類くらいありますね。

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お茶関連製品の紹介。酒のボトルに入れるだけでなく、ついにスパークリングまでさせてしまった。緑茶ハイのハイボール抜き。そこまでいくともう特殊性癖である。

天然緑茶を使った香水もあります。

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あとはお土産コーナーと庭園を見て、バスの待ち時間を潰してください。土産品は多数のお茶の他、茶を使ったお菓子や抹茶アイスもありました。

 

おしまい

 

【滞在時間】3時間(食事込み)

【混雑度】★★★(周りにちらほら他の客)

【URL】

tea-museum.jp