C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

立山博物館まんだら遊苑

富山県庁がお送りする北陸最大級のレジャースポット。それはみんな楽しい遊園地でもなく、新鮮な魚介をふるまう海鮮市場でもなく・・・
あ、ホタルイカを生食すると寄生虫にあたる可能性があるのだけれど、特効薬が見つかってないので、手術で皮膚や腹をかっさばいて虫を直接摘まみだす羽目になるらしいよ。みんな気をつけようね!

 

 

で、なんの話だっけ。あぁ、富山県には県営の珍スポット「まんだら遊苑」があるってことですね。
東京ドーム何十個分だか分らんがとにかく広大な山の中に、立山に伝わる信仰をモチーフにして天界や地界の様子をどか~んと再現。現世が微妙なアナタ、転生なんて考えなくても、ここでは極楽と地獄ダブルで楽しめますよ。

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そんな面白げな施設ですが、しかしアクセスが悪すぎる。
公共交通だと富山地鉄富山駅から1時間、有峰口という無人駅で下車。山へ向かって徒歩40分。もうすでに地獄なのでは。
タクシー会社も近隣には無いので、富山方面から相当お高い迎車料金が取られそうですね。

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まんだら遊苑ですが、富山県立の立山博物館の一施設という立ち位置。すぐ後ろに控えている立山連峰は古代から信仰の場であり独特の伝承が残されているので、それを研究する施設です。
なので遊苑の近くに博物館(展示館)や、立山信仰を映像で学べる「遙望館」、信仰に関連する遺構、あと何故かカモシカ飼育施設が並んでいます。全部見ると半日かかる。まず遙望館の上映時間が40分あるからね(遠い目)。

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残念ですが時間の都合で、まんだら遊苑のみ見学します。入場料は400円。県営施設なので安いですね。
最初は地界ゾーン、つまり地獄。ゴツゴツして威圧感のある建物の中に、それはあるそうです。

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え、なにこれ。暗い。暗い。怪しい。奥の方でごーごー言ってる。ちょっと普通に怖いんですが止めてもらって良いですか富山県さん。

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閻魔大王のいらっしゃる地底の灼熱地獄を表現しているそうな。ところどころ聞こえる不快音は炎で焼かれる鬼共の悲鳴。サイレントヒルの裏世界みたいだ。
とにかく怖いのでさっさと抜けたいです本当にありがとうございました。「400円で味わえる地獄ww」とか馬鹿にしててすみませんでした。

 

なんとか外に出られましたが、ここは地界ゾーンなのでまだまだ地獄が続きます。
次のエントリーは、、針山地獄だぁ!!

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・・あれ・・急に作風が変わってない?さっきまでの緊張感はどこへ行ったの?工事現場でこんな素材見た気がするよ。

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これは水泡鬼。鬼たちの怒りが泡となってブクブク足元まで浮かんでくるよ。まるでジャグジー風呂みたいだね(雰囲気台無し)
右の写真は頂点が鋭角な石を並べてますが・・なんだっけ。たぶん足つぼ地獄です。内臓が悪い人間を痛めつけて不摂生を思い知らせます。

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フタが手で開けられるようになっていて、中から地獄の匂いがしてくるそうです。だいたい薬草系の香りでしたが、同行者が「カメムシの臭いがする!」と騒いでました。カメムシ地獄。鬼どころか閻魔様も嫌がるだろうなぁ。

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地獄っぷりがトーンダウンして拍子抜けした人も多そうですが、ここで「高所恐怖症ぜったいに殺す地獄」が登場。崖の先端まで橋が突き出ており、床はグレーチングだから下がのぞける仕様(雪落としのためだと思う)。
先端までいくと「救済の鐘」があるんですが、コロナの影響で取り払われており、誰も救済してもらえませんでした(完)

 

地界ゾーンおしまい。けっこうありましたね。
でもゾーンは4つあるので、まだ1/4しか来てないわけです。まんだら遊苑単体でも広すぎるわ。
なので気になったところだけ紹介しますね。

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地界ゾーンの次は「陽の道」。立山連峰には2,000~3,000m級の高山があり、旧来は山岳信仰・仏教が入ると修験道霊場として栄えるわけですが、そうした修行者が通った立山登山の道を追体験するというテーマ。

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・・っていうか坂を歩くだけなんですけどね。ところどころ山中の滝や大木を見立てたオブジェはありますが。
やっぱり最初の閻魔地獄を作るので予算使い果たしたのでは無かろうか。完全なる原っぱと化しているエリアもありますよ。修験道、それは野原でのピクニックとバーベキューなり。

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一番上まで行くと立山登頂です、やったー。んでこれはまた針山地獄でしょうか。
高いところは天に近い。なのでアナタはこれから天界ゾーンに召されます。おめでとう。言い残すことは無いかな?

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天界ゾーンでは小部屋が7つありまして、現代アーティスト7名による天国をイメージした作品が展示されております。
たぶん皆さんの思う天国と相当ギャップがありますし、空海もイエスアッラーも同じことを考えるかもしれません。

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あと音楽ルームとか瞑想部屋とかありましたが疲れてきたのですっとばし、最後は「闇の道」を通って現実世界に戻ります。
この道、わりと冗談にならないレベルで暗いんですよね。足元ぜんぜん見えない。ところどころ円形の窓から射している光を目印に、やっとこさ進みます。

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この窓なんだろうと近寄ってみたら、なんか目玉っぽい。怖ッ!「お前が現実に戻っても我々は見張っているからな」という天からのメッセージでしょうか。主よ、見守るのはいいけどストーキングやめてください。

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せっかく立山登山して天界まで辿り着いたわけですが、天界も天界でろくなこと無さそうですね。現世を諦めて死後の世界に全振りしてる熱狂的宗教者は一度来た方が良いと思うよ。

 

ということでした。
おしまい。

 

【滞在時間】90分

【混雑度】★★★(ちらほら)

【URL】富山県[立山博物館]