伊那市創造館
名前的に近未来な科学技術を扱っているのかと思いきや、縄文土器や郷土の文化人がメインの資料館です。“元祖ニュータンタンメン”くらいの歪みを感じる。新しいのか古いのか、どっちやねん!
重みと分厚さのある建物は1930年に図書館として開館したもので、台湾総督府や諏訪の片倉館を手掛けた建築家が担当したそうな。良い建築なのでリフォームして再利用しています。
入館料は無料。
展示室は4部屋あって、企画展が2つ、常設展が2つ。ここは常設展の縄文土器の部屋です。
近隣の遺跡から国の重要文化財になるほどの土器が出土しており、それを展示しています。
重文の1つが「顔面付釣手形土器」。顔面が付いている釣手(紐を通して吊るせる)土器ということ。名前が直球すぎないか。
釣手土器は、お腹に開いている穴に火をともし、ランプとして祭祀の場で用いるものです。
顔の角度的にこちらを少し見下しており、金持ちの坊ちゃんに小馬鹿にされている感じがするのが特徴です。「お前、ウィズリー家の子供だろ?」
(画像はルイ15世です)
珍しいことに、背後から見ると髪の毛があるのです。
毛量が多くてカールしており、三つ編みを背中まで垂らしている。近代フランスの王侯貴族っぽい。ブルボン王朝の美容サロンは縄文時代の影響を受けていたようです。
もう一つの重文は神子柴遺跡から出土した品々だそうですが、、、あぁ、こういうの近所の資料館にもあるよ。投げつけられたら痛そうだね(鼻ほじ)
こっちは重文ではありませんが、「顔面把手付大深鉢」。大きな深鉢の上にちょこんと顔が乗っているのだ。(` 。´)
君、あまり機嫌よくなさそうね。
お腹部分には突起がついていて、「赤ちゃんが生まれ出る瞬間だ」という説があれば、「ヘソでしょ」という意見も。体長に対してヘソの比率おかしくないか。押すと何か発動しそう。
ドングリとクルミだそうですが炭化して全く区別がつきません、ありがとうございました。
常設展のもう片方は、幕末の俳人 井上井月(いのうえ せいげつ)。芥川龍之介が絶賛していて、自身の小説にも登場させているらしい。
展示室ではその書画や解説資料が並んでいますが、品物は撮影禁止なので部屋の内装だけ撮りました。
この井月さん結構な変人で、伊那にいた約40年ほぼずっと乞食として生活していた。土地家屋を与えられたこともあったそうだが定住せずその辺を放浪。ホームレスを福祉施設に連れて行っても数日で脱走されてしまうという市役所職員の苦労話を思い出しますね(遠い目)
晩年はクソまみれの状態で道端にぶっ倒れているのを村人に発見されて搬送され、数か月後に没したらしい。
クソまみれってどういうことなんだ。。倒れて全く動けなくなったけど、排泄物は勝手に流れ出てしまったのだろうか。孤独死って恐ろしいな。
当時の人、記録を細かく残しておくのは良いことだが、この部分は削除したほうが本人の名誉になったと思うぞ☆
井月展示室の外に出るとドデカ爺さんの顔面が置いてあってビックリ。なおこれは井月さんでは無いようです。じゃあ誰よ?
土器も顔面系ばっかりだったし、顔面好きなんですかねこの資料館。「顔面創造館」に改称するとちょうど良いと思うよ。
おしまい
【滞在時間】40分
【混雑度】★(誰もいない)
【URL】伊那市創造館:伊那市公式ホームページ