C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。車が無いので公共交通機関利用で粘っております。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

高遠町歴史博物館

高遠と言えば武田氏の支配下にあった1582年。

大正義織田軍が伊那地方にどがどが進軍し、小さい城たちはあっさり蹴落とされ、最後に残ったのが高遠城

武田側1,000人vs織田6万人というオーバーキル状態で降伏勧告を浴びせられるも、城主 仁科盛信は主家への忠義を貫いてこれを拒否。織田の大軍にむかって玉砕突撃、高遠城は陥落。まもなく武田氏も滅びたのでした。

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・・という話をするのは戦国好きだけであり、普通は高遠さくら祭りに行き当たると思われます。城跡の公園に咲き乱れて、「さくら名所100選」にも入る。壮大な宴会場です。
私が行ったのは9月ですが、いやぁ桜の花びらが綺麗ですねぇ(幻覚)

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その桜公園の端っこに博物館があります。高遠駅バス停から徒歩20分ほど。

戦国の城は山城なので登りの傾斜がけっこうキツい。日ごろの運動不足を試されます。

入館料は400円。

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常設展示室と企画展示室が1つずつ。私は常設展はがっつり見るけど企画展は流し見なので、滞在1時間でした。
高遠が武田に支配されるまでの話、さっき書いた高遠城の戦い、高遠藩になってからの話について説明されています。
展示室内は撮影禁止なので、中の雰囲気が若干分かる程度で、室外から撮っています。

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保科正之さん)

高遠藩の歴史を概観します。

初代藩主は地元出身の保科氏。この保科氏を徳川家はかなり信頼していて、2代目将軍の秀忠が大奥の女性に産ませた子が高遠に預けられてくるほど(正室にブチ切れられるのが怖かったので、地方に逃がしたらしい)
この子がのちに「日本史でも名高い名君」と呼ばれる保科正之になるわけですが、有能すぎて藩主になってから5年で栄転してしまったので、高遠の民はあまり恩恵を受けられなかった模様。

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鳥居元忠さん)

1633年代わりに来たのが、家康の親友でおなじみ鳥居元忠の子孫である鳥居家。

残念ながら子孫は無能だったようで、家督相続でモメて山形の所領を没収され高遠に流されてきたのでした。

早く出世して昔に戻りたい当代 鳥居忠春は幕府のご機嫌を取るために城普請や軍役をいくつも受注したので藩の財政は見事な赤に染まりました。圧政に耐えかねて3,000人の領民が山を越えて木曽に逃げたらしい。幹部の歓心を得たいために部下にひどい目標を課す無能管理職の先駆け。出世できればヨシ!

しかし悲願叶う前に、パワハラに耐えかねた部下によって斬られてまさかの死亡エンド。大名として情けなさ過ぎる。幕府にも見切られて、鳥居家はさらに小規模な能登へ左遷。焼き鳥にされてしまいました。

 


このあと1691年~幕末までは内藤家の統治になりますが、この人たちはマトモだったようです。
とくに最後の藩主 内藤頼直は人格者で、明治の廃藩置県により大名たちは東京へ強制移住となったのですが、お別れに武具や酒など領民にたくさん振舞ったそうな。

感動した領民がお返しの品を上納したところ、内藤家はさらに返礼品を下賜し、全領民に涙させました。百姓を痛めつけてなんぼの江戸時代の大名としては、良い人過ぎるので減点です!

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内藤家時代に1つだけ大きな出来事がありました。大奥に仕えていた絵島という30代の女性が遠流されてきたのだ。江戸で悪事を犯したため、高遠の地で30年弱、61歳で死去するまで幽閉されていたのだと。

軟禁されていた屋敷が博物館内に再現されてまして、「絵島囲み屋敷」と名付けられています。

ちなみに罪状は・・門限までに帰宅しなかったから。は?

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(2006年映画『大奥』)

戸塚ヨットスクールもビックリな超絶処罰ですが、政争絡みだそうな。

18世紀初頭、将軍 家継はわずか6歳だったので新井白石一派が実権を握っていましたが、これに譜代大名が反発。大奥でも前将軍の正室vs現将軍の母という対立があり、前者が譜代連中、後者が新井派について激化。大奥に出入りしている商人も利益を引き出そうと争いに絡み、秩序はめっためた。

そんなときに絵島の門限遅刻事件が起こったので、両陣営これに油も火もそそぎまくって大問題。ついでに秩序を乱す連中も処罰だ!絵島の兄は妹の監督不行き届きで死罪、恋人の役者は三宅島に島流しというエクストリーム断罪の嵐。

 

政争に巻き込まれて華の江戸を追放され、死ぬまで30年軟禁されて暮らした女性の悲哀ということで、絵島事件はその後多くの創作のタネになったわけです。

2006年の映画『大奥』もその一つですが主演が仲間由紀恵なせいで、不良生徒や阿部寛をドヤしながら大奥を叩き潰す絵しか浮かばないのはキャストミスだと思います。

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絵島さんですが、大奥の華やかな生活とは打って変わり、ここでは木綿1枚、冬でも暖房器具は火鉢1個のみ。冬の信州でそれは辛すぎるだろう・・せめてハイアールの激安エアコンでも入れてあげてください。

 

おしまい

 

【滞在時間】1時間

【混雑度】★★(他に数人)

【URL】伊那市立高遠町歴史博物館:伊那市公式ホームページ