竹田扇之助記念国際糸操り人形館
飯田市は「人形劇のまち」だそうです。江戸時代には20以上の人形座があり、専用舞台も作られました。明治~昭和初期に衰退したものの、地域や学校で人形劇クラブを結成し、伝統芸能を継承しつつ今に至っています。
そして「20世紀最高の人形劇人7名」の1人である(らしい)竹田扇之助がこの地域出身なので、功績を讃えたりコレクションを展示する資料館を作りましたと。
元善光寺駅から徒歩15分。入館料は400円です。
また隣に「旧座光寺麻績学校」という、歌舞伎舞台と学校を兼ねる謎の足し算をした校舎が保存されています。
館内には人形劇で用いられる人形が展示されています。人形の手足や顔に糸が付けられれており、その糸を上から操って動かすのです。
館員さんが実演してくれますが、見ての通り糸が大量にあるので、かなり難しそう。1本隣の糸を引いてしまうだけで顔と体が奇怪な動きをしてしまうので要注意です。
竹田扇之助さんは、17世紀に大阪で発祥し、戦後に東京で復活した「竹田人形座」に加入していました。なのでこの糸繰りスタイルは竹田人形座のものです。
なお人形劇には他のスタイルもあり、パペットマペット形式はその1つです。3人がかりで動かすので、糸繰り方式に比べると人形のサイズが大きいですね。3人の息が大事です。仲たがいして上演中に殴り合いの喧嘩を始めないよう気を付けよう。
(竹田扇之助記念国際糸操り人形館 - 飯田市ホームページより)
歴史ある竹田人形座には多数の作品がありますが、その1つ『雪ん子』です。顔も服も真っ白な女の子です。ストーリー概要を館内ビデオで見られます。
雪を降らす仕事を天上でしていたけど退屈なので地上界に突撃、人間の子供たちと仲良くなりますが神様から呼び戻し命令が来て、最期は炎の中に身を投げておしまい。雪ん子の可愛らしさに反して、意外と劇的な話であった。
竹田扇之助が竹田人形座を率いるようになって以降、テレビやショーなどメディア露出をかなり強化したそうです。NHK教育テレビ朝の人形劇、ピンポンパンなど。
大阪万博では市川崑監督とともに『鶴の恩返し』を公演しました。そのビデオも館内で見られるし、人形も展示されています。
以上で人形館はおしまい。
隣に建っているのが、旧座光寺麻績学校校舎。明治初期に建築され、長野県では最も古い学校です。歌舞伎の舞台と小学校の両方を兼ねる物として作られましたが、なんでその2つ合わせたかね。見栄を切らないと死んでしまう教師でも居たのだろうか。
なお入館するには、人形館の館員さんに開けてもらう必要があります。
村の学校なので、そんなに広くは無いです。
これで授業をしながら歌舞伎ができるぜ!と教員が喜んだのも束の間、「遊興施設と教育機関をごっちゃにするとは何事か」と上部機関から怒られたので、結局学校に特化したらしい。悲しいなぁ。
舞台裏っぽい造りをした部屋と、2Fの部屋です。展示品は当時の教科書や建物仕様です。学校には見えませんねえ。体育館の倉庫かな?
3Fは入れませんが、写真がありました。校長室だそうです。威厳を保つにはインテリアを相当気合入れないと難しい気がします。「失礼します」って中に入ったら布団敷いてありそう。
教職員との懇親会はいつでも出来そうだし、酔っ払って踊りたくなったら歌舞伎舞台があるから便利ですね!
なお公式HPには「民家の様式を活かしているので、西洋要素はありません」って書いてあるんですが、思いっきりシャンデリアなんだよなぁ。不平等条約改正のため、西洋要素も多少は無いとね?
おしまい
【滞在時間】75分(人形館は60分)
【混雑度】★★(他に数人)
【URL】竹田扇之助記念国際糸操り人形館 - 飯田市ホームページ