神長官守矢史料館
館名が読めない。「じんちょうかん もりや しりょうかん」です。
神長官は諏訪大社のNo.2神官にあたるそうです。その役職を古来から務めている守矢氏の資料館、という意味。
守矢氏の先祖は洩矢神(もりやのかみ)というGODだったのですが、出雲から来た建御名方神と戦って敗れました。建御名方神は諏訪大社の祭神として鎮座し、守矢氏はその祭祀を担うように。
しかし時に、No.1の人間よりも実務を担当するNo.2の方が実質的な権力を握っていたりするものです。トップの諏訪氏は自ら現人神となってしまったので、神事は守矢氏が取り仕切っていました。神々と交信できる唯一の存在であり、守矢氏が動かねば諏訪氏は裸の王様なのだ・・。
ラスボス臭はなはだしいですが、そんな守矢氏のもとにたくさんの記録が残っているので紹介するよという資料館です。
資料館の建物は印象的です。農家住宅とも倉庫とも言えない外観は、木造と鉄筋コンクリートが半々。諏訪の神はコンクリートに寄付いて交信するのです。
んなわけなくて、1991年に東大の名誉教授の設計で建築したそうです。
内装も石窟寺院のようです。諏訪大社って神社なんですがね(困惑)。
左は階段が屋根裏部屋に続いているようですが、あの梯子どうやって降ろすんでしょうか。ダイナミックジャンプして飛びつけばいいのかな?
右は会議室スペース。ごりごり系の強面さんを連れて行けば、周囲の石壁のフィールド特性と相まって交渉相手に圧力をかけられそうです。
さて肝心の文書資料はこちらのスペースで展示されています。内容は撮影禁止です。
武田信玄や真田昌幸の書状がありました、、、あまり特筆することはないなぁ。歴史や宗教知識が豊富にないと古文書って難しいね(こなみ)。
初心者むけゾーンはこちら。諏訪大社の儀式「御頭祭(おんとうさい)」を再現した展示です。農作物の豊穣を願い、神のお使い役(村の子供)が周辺地域を巡回するんですが、その出発のお祭り的な感じ。
しかしこのウサギ、串刺しにされてますねぇ。農作物の豊穣を祈るのに残虐表現が必要だったのでしょうか。CERO A(全年齢対象)は貰えなさそうです。
壁の上部を見ると、鹿とイノシシの首が大量に捧げられています。農耕とはいったい。
江戸時代の祭祀の模様が記録に残っており、それを再現した展示になっています。鹿は75頭を生贄にささげたそうです。
諏訪はあまり肥沃な土地ではなかったので、人々は山に入って狩猟もしていたそうです。鹿やウサギは貴重な食糧だから、こうして神にお供えしているんですかね。
首だけじゃなく肉もお供え。
「脳和え」という料理です。鹿の肉と脳みそを和えたものです。なぜ脳みそなんだ・・。魚とかカニ味噌のノリなのだろうか。
関係ないですが、パキスタンでは羊の脳みそを使ったカレーがあり、池袋にそれを出す店があります。豆腐っぽい食感ですが、わざわざ食べるほどかと言われると、食べなくても良い気がします。
というわけで、諏訪の神事の神髄や守矢さんのマジカルパワーにはあまり触れられませんでしたが、ゲテモノ料理愛好家の興味を引く展示だったと思います。
おしまい
【滞在時間】20分
【混雑度】★★(他に数人)
【URL】神長官守矢史料館 - 茅野市ホームページ