C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。車が無いので公共交通機関利用で粘っております。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

鈴木鎮一記念館

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国際的なバイオリニストで音楽教育者 鈴木鎮一(すずきしんいち 1898-1998)の資料館です。どうみても民家なので住所を間違えてないか一瞬不安になりますが、本人の自宅を改装して作ったからなので大丈夫です。

 

松本駅お城口から信大病院行のバスで15分、「元原町」停留所から徒歩5分。

1時間に1本程度なので時間には気を付けましょう。松本駅から徒歩だと30分くらいかかります。

入館は無料です。

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(館内ビデオでしゃべる鈴木鎮一氏)

略歴ですが、20代でドイツに音楽留学し、帰国後は東京の有名な音楽学校の講師を務めたり、皇族列席のコンサートを開催したりとバイオリン界・音楽界の重要人物になりました。

戦後に松本に引っ越して音楽院を始めると画期的な指導法で名が広まり、国際的にも賞賛を受け、その「スズキメソード音楽教室」は現在46か国で音楽教室を展開し、40万人の生徒がいるそうです。

・・資料館の外観からは予想もつかない話の流れになっていて困惑している。

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話題になったその指導法とは「幼いうちから良い音楽に触れさせていれば、才能に関係なく子供は育つ」。子供が言語を習得する過程から、鈴木が築いた理論です。

幼児は言葉を教わらなくても親が話しているのを聞くだけで自然に習得できます。同じように音楽を聞かせたり演奏させたりすれば、どんな子でも能力が伸びるというわけ。

「どの子も育つ。育て方ひとつ」が鈴木鎮一の座右の銘でした。

 

ただ「私は8年間もドイツに住んでいるのに、3歳のドイツ人の子供に表現力で負けていて絶望した」とあり、高尚な教育方針が負の感情から始まってて笑ってしまった。

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展示室の模様です。応接間として使っていた部屋が開放されています。右側の部屋はレッスン場としても利用し、今でも演奏会を開催するそうな。

鈴木が使っていた道具、表彰状、スズキメソード音楽教室の演奏風景など。

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教育法が世界中で称賛されたと上述しましたが、各国で受賞した勲章・名誉市民表彰がどかどか並んでいます。音楽教室の生徒を引き連れて海外へ演奏に行っており、その際に貰ったのでしょうか。アメリカ・フランス・ドイツ・ベルギー。賞賛されすぎである。

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さらにアメリカのイリノイ州フロリダ州では「鈴木鎮一の日」まで認定しています。ただフロリダ州は10/17(鈴木の誕生日)ですが、何故かイリノイは10/3なんですよね。14日前に誕生日を祝う教えがモルモン教とかにあるのかもしれません。

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左はアインシュタインです。バイオリンを弾いております。右は鈴木です。

ドイツ留学した時の後見人が、なんとアインシュタインだったらしい。そもそも鈴木の交友関係が結構インフレしてて、尾張藩家督で維新後に侯爵になった徳川義親と知人の伝手で知り合いになり、この人が世界一周旅行する際に同行してドイツで降ろしてもらったそうな。

激動の明治時代らしい経歴で、現代における再現可能性はまぁないでしょう。

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別れの時にアインシュタインから自画像が送られました、、友人との別れに自分の似顔絵を送るのか。これがドイツの風習ですか。

後頭部が断崖絶壁、髪型が寝起きである理由はよく分かりませんが、きっと相対性理論の結果だと思います。

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ドイツ暮らしが長かったので完全ヨーロピアンかと思いきや、書斎は和室でした。棚にはカセットテープが置かれていて時代を感じさせます。

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時計もバイオリン型です。実家は鈴木バイオリン製造(株)で、父親が創業者なのです。そのため幼少期からバイオリンに囲まれており、兄弟喧嘩ではバイオリンで殴り合っていたそうな。あのさぁ(呆れ)。

また鈴木がバイオリン演奏を始めたのは17歳のときであり、幼少期には特にやってなかったようなので、「幼い時から音楽に触れていれば能力が育つ」というテーゼの反証を自分がやってしまっているのであった(完)

 

というわけで、小さい資料館ながら世界規模の話を展開するところでした。

おしまい

 

【滞在時間】40分

【混雑度】★(他に誰も居ない)

【URL】鈴木鎮一記念館