谷村美術館、玉翠園
新潟県の糸魚川にある美術館です。まったく美術館の外観に見えませんね。『007』でジェームズ・ボンドの敵キャラが中で豪遊してそうである。シルクロードの遺跡をモチーフにしており、内部は石の洞窟になっていて仏像彫刻が立ち並ぶというアジア系異国情緒あふれる空間になっております。
同じ敷地内には玉翠園なる閑静な日本庭園があり、セットで楽しめます。
アクセス・入館料
アクセス
糸魚川駅から路線バスです。市街地巡回線という路線があり、西まわり系統だと10分、東回り系統なら15分で着きます。美術館HPのアクセスページに時刻表が載っています。
西回り系統も東回り系統も2時間1本しかないのですが、まぁ合わせれば1時間に1本だし、多少はね?バス停の周辺は何も無いので、帰りの時間は気を付けたいところ。
入館料
500円です。
なおここから1kmのところに「翡翠園」なる大規模庭園があり、セットで800円(時間の都合で今回は行けませんでした)
谷村美術館
さて入場口を通ると、打って変わった風景が広がるので驚きます。ここはシルクロードです(断定)。手前の砂利敷きは中央アジアの砂漠を見立てているようですね。西遊記の世界です。ごつごつした岩の壁が荒涼感を纏っております。
各部分で天井の高さがまったく合っておらず、丸型だったり角型だったりと珍妙さをあちこちに加え、造形的には長いこと眺めていられる面白さ。
赤坂離宮の改修をしたり箱根や高輪のプリンスホテルを設計した名建築家 村野藤吾によるものです。現在の横浜市役所もこの人ですが、2020年に全面移転予定で取り壊しになるみたいです。谷村美術館の希少性がますます上がりますね(そうじゃない)
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— 翡翠園、玉翠園・谷村美術館 (@tanimura_museum) June 8, 2017
外観を存分に眺め終わったら館内に入ります。内装は中国の石窟寺院をイメージしており、白いざらざらの壁が天井まで高くそびえていて、天窓から差し込む光の先には仏さまがいらっしゃいます。天に召されてしまいました(完)
という感じで館内の雰囲気も見事なものですが撮影禁止なので、美術館の公式Twitterでお楽しみください。
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— 翡翠園、玉翠園・谷村美術館 (@tanimura_museum) May 8, 2016
館内にいる仏さまは、彫刻家 澤田政廣が製作したもの。外観も内部もこれで完全に石窟寺院ですね。
澤田は熱海出身の芸術家で絵画や陶芸もでき、その地元には記念美術館があるのですが館内に長嶋茂雄の像を展示しているらしい。巨人ファンかよ!失望しました。
外観から分かる通りですが、館内はさほど広く無いです。ゆっくり見ても所要20分~30分ですかね。
玉翠園
美術館を見終えると、順路はそのまま隣の玉翠園に向かいます。ここは日本庭園ですが庭を歩ける回遊式では無く、外から眺める鑑賞式です。それも建物の中から窓越しに見渡すようになっています。
館内では抹茶やドリンクを販売しているので、館内でのんびり鑑賞してねという趣旨のようです。
昭和最高の造園家の一人 中根金作が携わっています。目の前には植栽や広大な池が広がっていますが、そこに注がれている小川は借景されている背後の山々から流れ込んでいるように感じられ、物語の壮大さとともに「ここ日本海沿いの町だよなぁ」と現在地を見失いそうになるので要注意です。海鮮じゃなくてキノコや鹿肉が食べたくなったらアウトです。
館内では他に、美術館建築時の参考模型や当時の資料、村野藤吾を解説する雑誌などが展示されています。
バスの時間を逃してしまって1時間待ちになったら、ここで庭園を眺めながらぶらついていると良いでしょう。
おしまい
【滞在時間】60分
【混雑度】★★(他に2~3人)
【URL】