田淵行男記念館
(田淵行男『双六岳より槍ヶ岳』 画像は公式HPより http://azumino-bunka.com/facility/tabuchi-museum/)
田淵行男(1905-1989)さんは北アルプスの山々を撮り続けていた山岳写真家です。
カラー写真が既に存在する時代でも、モノクロームに拘っていました。
彩りがない分、ゴツゴツした岩の頑強さ・ざらざらの砂ぼこりが風で舞う時の激しさ・人間を寄せ付けない山の急峻堅牢なプロポーションが際立つような作風になっております。
「油断した登山客を容赦なく奈落へ叩き落す、これぞ北アルプス!」「高尾山は甘え」ってな登山家の方にお勧め。
安曇野に住んでいたので、記念館が市内にあるのだ。入館料は300円。
最寄りは大糸線の柏矢町駅で徒歩20分。穂高駅からレンタサイクルしても同じくらいの時間ですかね。
安曇野市には資料館や美術館が結構あるので、自転車ならついでにいろいろ回れるので良いと思います。
(館内の様子。安曇野アートラインHPより)
館内には田淵氏の使っていたカメラやテント、撮影作品も幾らかあります。
ただ撮影禁止なのだ。作品の著作権の関係ですかね。
そこは権利を遺族から譲ってもらうとか、どうにか出来たのではないか(写真撮りたいだけ)
というわけで、載せられる写真がありません(こなみ)
仕方ないので記念館周辺のワサビ畑でも眺めましょう。しかしこんなところでも栽培しているのか、さすがワサビ大国。隙あらば生わさび。
ところで田淵行男さんは結構遅咲きの写真家で、デビューは45歳です。
もともと登山やカメラは趣味に過ぎなかったのだが、高じて作品の出来がハイクラスになっていき、それを見た知人が勝手に朝日新聞社に持ち込んで作品集出版となったとさ。
(ギフチョウのスケッチ。公式HPより。画像引用元ページは同上)
登山とともに生物調査のフィールドワークも好きで、特にチョウチョが気に入っていた。ついには図鑑まで作り始めてしまったが、その図録は写真ではなくてスケッチ。
つまり上の画像はスケッチなのです。写真にしか見えませんが。
これまた趣味でやってたにしてはレベル高すぎやしませんかね。
これらスケッチも館内に展示されています。
その代わりに昆虫系の資料館にしては珍しく、虫の標本は殆ど展示なし。
田淵氏はあまり蝶を殺したくなかったんですかね。
というわけで山の写真とチョウチョのスケッチと、あとワサビ畑が見られるという資料館でした。
おしまい
【交通手段】柏矢町駅から徒歩20分
【入館料】300円
【混雑度】★★(他に2~3人)
【滞在時間】30分
【URL】