埼玉県立 川の博物館
埼玉県立 川の博物館にやってきました。
通称「かわはく」(電車の中で地元の高校生が言ってた)。
鉢形駅から徒歩20分。
バスも出ているようですが、本数についてはお察しください。
内容としては、埼玉県を縦断する巨大河川 荒川について扱う水族館&博物館に、お子様が遊べるプールを併設したスポットである。
入場口でチケットを買います、410円。
館内には「アドベンチャーシアター」なるアトラクションがあり、別途430円の課金が必要だが、入場券とのセットで600円くらいで売ってたはず(うろ覚え)
プールはこちらですが、冬の間は当然ながらやっていませんよ。
またお子様向けの施設ですので、スイミングガチ勢やヒャッハー勢は場所を変えようね。
遠目にプールを見ると、あんな感じ。
お子様は入場100円なので、夏場は込み合いそうである。
振り返ると思いっきり工事をしているが、あの足場の中には直径23m 国内最大規模の水車が据えられている。
ただ老朽化が進んで2015年からフリーズしており、予算の都合(貧)でなかなか改修工事が出来なかったのをようやく着手しているのです。
とりあえず空腹なのでレストハウスの食堂に向かいます。
館内に入って2Fの食堂に向かう。
たいへんな昭和らしさを感じるタイル張りであるが、大丈夫か食堂・・
と不安であったが、入ってみると普通に綺麗であった。
メニューは一般的な食堂だが、値段も800円程度なので、まぁ良いんじゃなかろうか。
食事を終えて、1Fのお土産売り場を見ます。
中央にどかどかと居座っているこいつはなんだ。
pucker powderという粉キャンディらしい。
色合いといい形式と言い、一昔前のアメリカ産アンチ・ヘルシーお菓子感がしてならない。
チューブが置いてあったが、これを本体に差し込めば粉キャンディが出てくるので、満杯に入れて、吸って食べるのだろう。
なんてクールでイケてるキャンディなんでしょう。
糖分量は知らん。
隕石のおもちゃもありますけど、ここ川の博物館ですよね?
ちょっとテーマがきわどい系アミューズメント施設に見えてきたから、埼玉県は運営委託先の責任者呼んだ方がいいんじゃないかな
そんなレストハウスはおいといて、本館の方へ向かいます。
その道中にある水車。
なかなか規模が大きく、水車で回される水が風に乗って周囲に飛んでいき、通行人を雨あられにしております。
水車の内部に入れます。
ここで水車の動力を使って、餅つきみたいにペッタンペッタンしているが、突いているのは餅では無くてコンニャクである。
(乾燥させたコンニャク芋)
コンニャクはコンニャク芋を小さく切って乾燥させてから粉末にし、その粉末を石灰水と混ぜて固めることで出来上がる。
コンニャク芋はそのまま食べると口中ピリピリしてヤバいことになるので、石灰水と混ぜることで中和して食べられるようにしている。
この水車では乾燥させたコンニャク芋を突きまくることで粉末にしてるんですね。
水車はもう一つ、東秩父のものがあります。
こちらは米を突いて精米しております。
こんな勢いよく突いたら米が割れるのではないかと不安になる勢いで突いております。
こういう感じで荒川流域では水流を利用して農業やってまっせ、という展示でした。
水車を見た後も、まだ本館には入らず、外をぶらつきます。
水族館に居てはいけない種類の人がいますね。
起きやがった。
ネコの視線の先には、「渓流観察窓」という施設があります。
はいってみませう。
内部は水族館要素であった。
ただしここは海なし県ですので、荒川にまつわる魚を置いております。
ただ初っ端はイモリなんだよなぁ。
カジカくん。
石の色に合わせて体色を変化させる特技を持っております。
大きな水槽。
川魚ならご用達、ヤマメやイワナがぞっろぞろ。
旨そう。
川魚の良さが分からないお子様ネコは帰ってどうぞ。
最後に、カメとザリガニのゾーンです。
彼らには自由に触ったり、持ったりすることが出来ます。
さいたま水族館でも似たようなゾーンがあったが、あちらではお子ちゃまがカメを鷲掴みにして大はしゃぎしていたのであった(憐憫)。
こちらはまだ過激派の波は来ていないようですね。
ザリガニ君もいまっせ。
水族館部分を出て、上を見ると巨大な壁画が。
高名な日本画家 川合玉堂の『行く春』という作品を、陶板にしてここに飾っているのである。
長さ21.6mあり、日本画の陶板画としては国内最大だそうな。
寄居のあたりを訪れた川合玉堂が、荒川に浮かぶ船車(船に乗せた水車)を描いた作品であり、地元ゆかりの作品と言うことでここに展示しているのだろう。
なんで陶板にしたのかは分からんが。
市長の趣味?
そしてこちらも大きく広がる模型。
荒川沿川の地形を1/1000にしたもので、屋外模型としては日本最大。
さっきからやたら日本最大に拘っているんですが、「とりあえず目立てば良い」という行政らしい安直なアイデアがプンプンしておりますな。
そりゃあ、水車が3年間もフリーズするほどの予算不足になりますよ(煽り)
そして中流~下流までは平たんで見た目さほど面白くないので、地形マニアでない限りスルーするのが通常の振る舞いのようである。
かわはくも堂々と登場しております。
しかし源流部分にくると山だらけで極端にカオスになる。
もうどこから荒川がはじまっているのか分らんぜよ・・
という模型を一通り楽しんだ後で、本館にようやく向かいます。
1Fからも入れるけれど、なんとなく上から。
あの展望台に行きます。
登ったところからの風景。
さっきの荒川模型が良く見えますな。
展望台から降りてきました。
ガラスケースが。
中にいたのは、小さくて目が大きなカエルであった。
階段を上がって、常設展示に向かいます。
ミラールームみたいだな。
おっと予想以上に広い。
そして、暗い。
暗いのは、ムービーが始まるからであった。
1時間に1本ペースで、荒川の自然環境について流しております。
ムービー鑑賞を終えて、進んでいく。
水桶の展示。
満杯になった状態の重さはこれくらいです、を示している。
担いでみたけど、めちゃくちゃ重くて全く上がりませんでした(軟弱)
さて、こちらは鉄砲堰に関する展示、もとい大型の模型。
上流から下流のほうへ大きな木材を運ぶのに、手作業で持って行くのは面倒だから、川の流れに載せてしまおうという考え。
川の上流部を、このように堰き止めている。
水がジャンジャン溜まるのを待って・・
堰を開放すると、鉄砲の勢いで水が流れる。
この勢いを利用して、木材を押し流して下流に運ぶというもの。
まぁこれだけで下流まで木材が届くわけ無いので、途中で回収して筏にして流していく。
急流部の山岳地帯では筏が通れないので、このような鉄砲堰を採用したのだろう。
まだまだ展示は続きます。
川合玉堂くんの絵でも描かれた、船車。
船の上に水車が乗っているのである。
どう見ても盛大にはみ出ているんですが、転落しないんですかね。
外側を見ると、ちゃんと水車が付いています。
この水車を利用して、小麦を挽いて製粉しているのです。
(1936年頃の船車。廃墟ではありません)
荒川は文字通り「荒れ狂う川」なので、洪水が頻繁に起きており、水車も普通に川べりに設置しておくと洪水で壊されてしまうので、船にのっけて逃げられるようにしたのであった。
言ってみれば「動く製粉場」なので、一見ボロ小屋でも資産価値は高く、10000㎡もの田畑を所有するのと同じレベルだそうだ。
大地主じゃん。
そんな大事な資産の横にゴミが置かれていると思ったら、これ小麦だった。
こちらは舟運に使われた舟、の縮小版。
中でご飯食べてる。
良い御身分だな、運送業。
月桂冠もあるよ。
これは飲酒運転ですわ。
ウナギやナマズを捕まえる罠。
中にエサを入れておき、ウナギらが頭から入り込めばもう脱出できません。
荒川おなじみの水塚。
洪水が来ない高い位置に建設する、避難所兼倉庫。
中には用具や食料が積まれています。
おっと、貴重な食料を荒らす連中が。
しかし屋根裏にはもっと強い人がいるので、この人の食料にされるであろう。
こうして人類の食べ物は救われたのであった(完)
以上で展示室おしまい。
(公式HPより)
あと序盤にも触れたが、この施設には「アドベンチャーシアター」なるものがある。
荒川に関するストーリーを鑑賞するものなのだが、ジョイポリスのアトラクションみたく、画面に合わせて客席が揺れて若干のスリルが生じるというもの。
というわけでシートベルト着用義務です。
気分が悪くなったら非常停止ボタンを押せば救われるよ。
周囲の視線からは逃れられないと思うけど。
なかなか重々しいっすね。
「どうせ大したこと無いだろ」と思ってたら、想像以上にガクンガクンするのであった。
だいぶ乱暴な揺れ方をするのと、シートが固いので、終わるころには万全に尻が痛い状態となっているであろう。
まぁお子様は喜ぶか泣くかのどっちかだと思う。
以上。
【交通手段】鉢形駅から徒歩20分
【入場料】410円
【混雑度】★★★(ちらほら)
【滞在時間】150分
【URL】