三井コレクション ミュージアム(千葉 香取市)
「オールドノリタケ」というアンティークの磁器があります。19世紀後半~20世紀前半にかけて(株)ノリタケカンパニーリミテドが製作したものです。
西洋のモノマネではありますが、この磁器は完成度が高いことから欧米でヒットし、現在でもコレクターの収集の的。「オールドノリタケ」で一つのジャンルが出来てるんじゃないですかね。
そのコレクション展示館が、こちらの三井コレクションです。
館長の三井さんが集めたオールドノリタケの品々を展示しています。
場所なんですが、三井といえども財閥の三井では無いです。三井記念美術館でも無いです。
千葉県香取市の、まぁ・・たいへん自然豊かな地域にあるよ。最寄り駅はJR成田線の香取駅で15分も歩けば着きますが、ほぼすべてのひとは車で来ると思います。
ただ車で来館する際も要注意。
ミュージアムの南方向から来るとメチャメチャ幅の狭い&木々生い茂っている道路を通ることになり、わりと慌てます。
北方向から入るのがベターです。
ところでここにはレストランも併設されています。というかレストランの方がメインかもしれない。
基本的に予約制でコースのフレンチ。ただ15時~17時は「ハッピーアワー」だそうで、簡単な食事やアルコール類を提供しているようだ。いろいろオシャレ。
さて現地に着くと、館長の三井さんらしき方が偶然屋外に居らしたため、入館したいことを話し、展示室に案内してもらいました。
入館料は200円。
三井さんは通常レストランの方にいるようなので、そちらに声をかければよいと思います。
館内は撮影可能です。
500点ものオールドノリタケが所狭しと陳列されている。個人のコレクションでこれはすごい点数ですね・・と思ったら。
「コレクション自体はこの5倍くらいあります」と言われてしまった。 それ仕舞うだけで相当なスペース必要になりそうだなぁ。
オールドノリタケって日本から海外に輸出されたものなんですよね。だから多くは海外にあったと。
日本人のコレクターが手にするには外国人と交渉しないといけなかった。メールや国際電話が無い時代だと相当手間が掛かりそうである。
買った品の輸送費とか、現地交渉するなら交通費とか、オールドノリタケ自体の価格より取得費用のほうが高いのではないか。
アンティーク系のショップHPを見てみたら、だいたい1点につき10万円以下でした。目玉出るほど高い、ってまでではないね。
でも三井さんはそれを2500点収集されているわけです。うーん(金額が数えられずに卒倒)
オールドノリタケの価値が高いのは、職人によって1点1点手作りされているからです。
ノリタケ社は名古屋が本社で、愛知県には焼き物で有名な瀬戸があります。江戸時代は陶磁器に絵を付ける絵付師の地位がけっこう高くて、大名お抱えの絵師も居たんだけれど、明治になって彼ら一斉に職場失っちゃったのね。
そうした絵付師の再就職先になったのがノリタケを始めとする陶磁器企業。熟練の技術を生かして磁器に手でデザインを描き込みます。だから全部1点モノ。これはロマンがありますわ。
技法も様々です。絵を描くだけでなく、小さな点々を付けるビーティングという手法。
これを手作業でやるとは凄まじく疲れそうである。
モルドという技法で、皿の上に人物が浮かび上がっており、立体感を出している。
アメリカでは大うけして、オールドノリタケ定番のスタイルになったそうです。
アニメみたいな絵が描かれている品もあり、幅が広いですね。
ノリタケ社はアメリカに現地法人持っていたので、トレンドを把握してそれにそぐうような絵付けを考えていたようです。
という感じで様々なコレクションを楽しむことができます。
なお展示している品々、販売もしているそうだ。ただしコレクターから買い求める以上、オールドノリタケ愛がいかほどかを示す必要があるかもしれません。
「この食器を手に入れたらどうしますか?」と訊かれても、絶対に「カレーを食べます」とか答えてはいけない。この食器とかどう見てもカレーだけれど。
おしまい
【交通手段】香取駅から徒歩15分
【入場料】200円
【混雑度】★(だれもいない)
【滞在時間】30分
【URL】三井コレクション・ミュージアム