日野宿本陣
ここは日野宿の本陣です。
新選組フレンズである佐藤彦五郎の屋敷が、本陣に充てられておったとさ。
地図を見てもらうと分かるが、佐藤彦五郎資料館とこの本陣は背中合わせになっている。
昔は同一の敷地だったのだろう。
本陣と名乗ってはいるが、正確には「脇本陣」であり、本陣のサブである。
日野には佐藤の家が2軒あり、西側の「上佐藤」の家が本陣を、東側の「下佐藤」の家が脇本陣を務めていたが、1849年に大火があって両方焼けてしまった。
脇本陣の方は1864年に佐藤彦五郎によって再築され、そのまま脇本陣が本陣として利用されていた。
その脇本陣がこれ。築150年以上たっているわけだ。
だから入口に堂々と「本陣」という看板を出しているのだが、敷地内に入ると「ここは脇本陣」という説明版が出てくるわけである。
ややこしいよ!
甲州街道で当時の本陣建物が現存しているのは、ここの他には大月の下花咲宿と、相模原の小原宿だけである。
相模原と言っても相模湖の方なので、横浜線では行けませんざんね~ん!
全国だと20か所ほどは現存しているようだ。
敷地に入ると、ご立派な正面玄関が見えます。
ただ正面玄関を使えるのは大名とか幕府の使いだけなので、一般のお客さんは脇の土間から入りましょうね。
入場料は200円です。
特に断らなければ、ガイドさんも付いてくれます。
靴を脱いで座敷に上がる。
見るからに記念撮影ゾーンだが、ここはスルーで。
案内を始める前に、ガイドさん「今日はこれまでどの資料館を回ってきたの?」
この質問は、雑談では無い。
周辺には新撰組関係の資料館が幾つもあるので、下手をすると説明内容が被ってしまう。
事前にこの質問をすることで、客たちが「ふ~ん、その内容もう知ってるけどね」とならないようにしているのである。
館内の間取り図はこちら。
さすが本陣扱いだけあって広い。
この先写真が暗いですが、外がすごく曇っていたうえに館内がめちゃめちゃ暗かったからです。
あと私の撮影技術がうんぬんかんぬんなので、ご了承ください。
ここが正面玄関。
大名クラスはここから上がれるよ。
玄関入って最初の部屋だが、ここは土方歳三の昼寝部屋に使われていたらしい。
ちょっと!玄関の正面で寝るなよ、大名と鉢合わせしたら斬られるぞ(大汗)
まぁ大名クラスの来客があるときは事前に分かっているので、さすがに土方も危ないチキン睡眠レースはやらなかったであろう。
隣の間は、大名の使い達が控えるところであった。
暗くてよくみえないが、書画の類が貼られている。
こっちは絵。
土方の長男が三味線浄瑠璃や俳句を得意としており、佐藤彦五郎も同様の趣味であったそうなので、その関連ネタでこういうものが置いてあるのだろう。
そうそう、土方家は若くして両親を亡くしているので、その長男や歳三は佐藤家に転がり込んでいたのだった。
釘隠しとして、コウモリの装飾が施されている。
夜行性のコウモリは、寝ずの番をして住人を守ってくれるものであり、ポジティブなイメージがあったそうな。
今では悪いイメージの方が先行しているが、きっとドラキュラ伯爵のせいである。
玄関入って一番右手の部屋は、市村鉄之助が逗留していたとのこと。
市村は歳三の部下であり(小姓?)、玉砕死直前の歳三から遺品を預かって、佐藤家に持ち帰ってきた人物である。
2年ほど滞在したそうだが、その後は地元の大垣に戻り、そこで病死したとも、西南戦争に西郷側で加わって戦死したともされている。
ここは上段の間であり、大名を通すところのはずですが、ガイドさん曰く「特にエピソードは無い」。
あれ、一番格式高いはずなのに。
床の間もさっぱりしてるなあ。
いちおう鎧おいてあるけど、ガイドさん「何もないと寂しいから置いてる」。
奥の廊下です。
玄関から正面奥にある部屋。
ここは当主である彦五郎のスペース。
広すぎない分、整理されている印象。
こっちの釘隠しはウサギ。
繁殖力が強いから、という理由だったはず(うろ覚え)。
主人の寝室にこの装飾がされているわけである。
昨日はお楽しみでしたね(ゲス顔)
他の記事でも書いたが、この佐藤家の敷地内に、天然理心流の道場があった。
井上源三郎の兄である松五郎を通じて、近藤周助をこの地に招聘。
天然理心流を継いだ近藤勇が、門下生である井上源三郎・沖田総司・土方歳三らと道場に入り浸っており、完全に「使い勝手のいい友達の家」状態である。
座敷部分はおしまい。
左奥のほうに、屋敷の昔の瓦とかの展示があるけど、撮影禁止なのでスルー。
ビデオコーナーもあります。
『鞍馬天狗』でも見てってクレメンス。
まぁ映画版だと計46本あるらしいけど。
お土産もあるけど、やっぱり土方歳三一色である。
ここの屋敷の持ち主のことも、たまには商品化してあげてください(憐憫)
こういうのもあります。
庭に出ました。
白砂部分は入っちゃいけないようだ。
野良猫は悠々と通っていったけど。
今ではもう住宅街であるが、幕末当時は一面田畑だったそうな。
お屋敷の方。
最後にもう一度、正面玄関を眺めておしまい。
以上。
【交通手段】日野駅から徒歩10分
【入館料】200円
【混雑度】★★(他に2~3人)
【滞在時間】40分
【URL】