C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

隠岐酒造

(試飲の様子です)

隠岐の島にある唯一の酒蔵、隠岐酒造では酒造見学を受け付けています。島の名水を用いた高品質な日本酒のほか、海藻を使った焼酎、さらに江戸・室町時代の技法を再現した当時の酒など面白い取り組みもしているのです。

 

 

見学の申し込み方法

okishuzou.com

公式HPに申し込みページがあります。実施日は4月~10月で、日祝以外の曜日。試飲アリですが、車でないとアクセスは難しいのでドライバーさんは我慢しよう。

なお私が行ったときは無料だったのですが、いまは見学料1,500円かかります。

 

工場見学

酒造に着いたらまずは事務室で受付をしましょう。

なお駐車場はあたりに無いのでとりあえず路肩に適当に置いといて、どこに動かしたらいいか受付の人に聞きましょう。

それでは社員さんの案内で工場へ。

隠岐酒造は1972年設立なので、年代を感じる設備です。もちろん機具は現代のもの。

もともと隠岐の島には5つの酒造があったのですが、乱立して競争していると共倒れになる危惧から合併の道を選んだそうな。5社合併って、企業風土の違いで対立する以前に多民族国家なみの混乱になりそうである。

合併したことは酒貯蔵用タンクからも見て取れます。緑だけでなく青とか赤がある。初代ポケモンをリスペクトしているわけではなくて、各酒造が持ち寄ったからですね。

麹室ですが雑菌厳禁なので遠目から眺めます。壁と天井はステンレス一色。48時間職人が付きっきりで作業します。隠岐酒造ではあまりオートメーション化はしておらず、人力作業が多いようである。

もろみタンクが並ぶエリアに入ります。しっかし暗いなぁ。酒造りシーズンでは無いから照明つけていないのか、それとも照明つけてこれなのか。

職人になるには闇夜をも見透かす目が求められそうです。

そして足場もところどころにアスレチック要素があり、慣れない観光客をヒヤヒヤさせてくれます。体重に自信のない方は、このゾーンは止めておいたほうが良い。

醸造した酒を絞り、酒粕と酒に分ける圧搾機です。これもレトロな色合いですねぇ。

絞られた酒粕は板粕として販売されます。意外と栄養価が高くて動脈硬化や高血圧の防止に美肌効果もあるから、甘みを出す調味料として使われたりするそうな。ただこれをつまみに酒を飲み過ぎると血糖値モンスターになる可能性もあるので気を付けよう!

 

試飲タイム

お待ちかねと言うかこれ目当てで来ているわけですが、試飲タイムです。

なおドライバーの方へは、日本の名水百選に入っており仕込み水に使われている隠岐の名水が提供されます。

事務所に戻り、一番奥の社長室みたいなところに通されました。VIP待遇みたいで嬉しいです。まぁただの酔っ払いなわけですが。

まずは代表銘柄の「隠岐誉」。フレッシュで酸味のある純米吟醸から、米の旨味が凝縮された純米酒、さらに生酛づくりもあります。

隠岐の島町ふるさと納税で貰えるのだ。みんな飲んでくれよな!

(画像は酒造HPより)

面白い品もあります。江戸時代・室町時代の酒造文献を研究し、当時の手法を再現してつくった「江戸」「室町」です。

どちらも日本酒じゃないかのような味わいをしています。「江戸」は白ワインのようにスッキリ澄んだ辛口、逆に「室町」はハチミツでも入れてるのかと思うくらいド甘いです。甘いのでガンガン飲めてしまいますが度数17%なので気が付いたら無事死亡である。

(画像は酒造HPより)

焼酎も作っていますが、島で採れる海藻を使っているのだ。こういう変わり種焼酎は危ないものもあるので警戒するのですが、こちらは島で長年愛されている確かな逸品です。

風味は、まぁ当たり前ですが磯っぽいですね。ボウモアとかアイラ島系のウイスキー好きな方に試していただきたい。

ちなみに焼酎用の蒸留器は工場見学中にみせてもらえます。巨大だし見た目がいかついのでマッドサイエンス世界のような異界感ばりばりです。

というわけで、このときは無料でこれだけ試飲させてもらえました。有料になったので今はどうなんでしょうねぇ。

島に行かないかぎり知ることのできない酒造だと思うので、隠岐旅行をする飲兵衛の方にはぜひ寄りましょう。そしてこの味にハマり、毎年ふるさと納税をするようになるのだ。

(普通にオンラインで注文すると、離島なので送料が笑えることになりますが、ふるさと納税だとチャージ無しです。感激!)

 

【交通手段】西郷港から車10分

【滞在時間】60分

【混雑度】★(予約制なので被らなければ自分たちだけ)

【URL】隠岐酒造