浜松市楽器博物館
浜松市にある楽器博物館は、世界中の楽器をコレクションしている博物館である。
浜松駅から徒歩10分。
浜松市はヤマハや河合楽器の創業地であり、また大手楽器メーカーも移転してくるなど、一大楽器産業都市になっている。
入場料は800円。ちょっとお高目な感じ。
しかしその入場料を取って当たり前なくらい、この博物館は規模が大きい。
なんの規模って、置いてある楽器の数である。
世界各地域の伝統・民族楽器など1000点を優に超える展示品を所蔵している。
まず入り口から階段で地下に降りると、小さい演奏ホール。
ここでは土日などに不定期で演奏会をやっており、めったにお目にかかれない珍しい楽器の演奏を聴くことができる。
この階ではまずオセアニア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパの楽器を扱っている。
さっそくジャンルが広すぎるようですが。
展示エリアには試聴ブースも数多くあり、様々な楽器の演奏を聴けます。
これは嬉しいところ。
ただヘッドホンは、浜松に特に関係のないaudio technicaである。
1000点もの楽器をいちいちカメラに収めていくと閉館時間を過ぎそうなので、印象に残ったやつを選んでいく。
まずはアステカの笛。
そもそも楽器として扱う気があるのか、というような形をかましている。
メキシコの「テポナストリ」。
中は空洞になっており、木魚のように上からポコポコ叩いて鳴らす。
なので上面以外は好き勝手な装飾をしている。
マラカス。
さんばさんば!
笛と太鼓。
オッサンかわいいな、おい。
パプアニューギニアの竹笛。
長いものだと、3mもある。
これを成人儀礼で吹くことになるらしい。
日本に生まれてよかった(織田裕二)
アフリカのハープ。なんか、これじゃない感がする形。
真ん中に立っている棒みたいなのは、ヴァリハというマダガスカルの弦楽器。
よくみると縦に弦が張ってあって、これをポロポロひく。
(ヴァリハの演奏風景)
ただの丸太にしか見えないのだが、コンゴ民主共和国のスリットドラム。
(演奏風景。コンゴほど変なスリットドラムではないが)
ドラムというよりは木琴のたぐいな感じ。
ちなみにドラムの横端には、得体のしれないお顔がくっつけられています。
サハラ以南で見られる、親指ピアノ。
どうやって使うのかと思ったら、こんな風に立てて、中にある鍵盤を親指で弾くようだ。
伝統的な楽器は、動物から取られたものが多く存在するようである。
クジラのヒゲも弦に使ったりするしね。
しかしこんなものまで楽器にするかね。
また変な楽器かと思ったら、椅子だった。
バンジョーぞろぞろ。
アメリカの弦楽器で、黒人白人双方に使用されてきた。
後ろの模様も様々でシャレオツ。
ここから欧米ゾーンに入っていくので、さっきよりは見慣れた楽器が出てくるかもしれない。
と思ったら、やけに細かいのが出てきた。
アルプス地方のチターという楽器で、弦が35本もある。
指足らんがな。
これまたなにかと思ったら、たたんであるアコーディオンだった。
ギターや笛、トランペットのゾーン。
不思議な穴があいているギター。
イタリアのキタラ・パテンテという。
金属弦なので、鋭い音が鳴る。
穴の拡大部分。
掃除が大変そう。
こちらは鍵盤を付けてしまったイングリッシュ・ギター。
5:40くらいから登場します。
鍵盤はひくというより叩いている感じである。
当たり前の話だが、ギターと言えども時代ごとに流行廃れがあり、想定以上に多様化していたということを思い知るのである。
とはいえ分解するのは控えてクレメンス。
あとはクネクネしたホルンやトランペットの形をみてお楽しみください。
演奏しているところより、この複雑な造形が個人的にはたまらないのだが。
どうしてここまで奇怪な形にしてしまったのか。
付いている部品、ぜんぶ使ってるんですかね。まぁ使ってるんでしょうけど。
トランペットは古代エジプトの時代からあって、音で軍を指揮するための道具だったようである。
十字軍の時代には、軍を統率する王家の旗をトランペットに下げるため、形がやたら長くなったとか。
水道管かな?
そんなわけでトランペットと権力はかなり結びついた状態だったので、フランス革命ではトランペット職人まで標的になり、一時期かなり衰退した模様。
ただ逆に権力の手から離れて、より自由に扱える楽器になったんだとさ。
ここまで入館してからすでに1時間経過しているわけだが、まだこのフロアの半分しか見ていないわけである。
もう半分はピアノエリア。
ちょっと多すぎやしないですかね(唖然)
ここで面白かったのは、様々なピアノの鍵盤の仕組みが見られること。
ちゃんと解説ボードも付いているので、分かりやすい。
時代によって全く造りが異なる。
まぁどう違ったのか、展示品が多すぎて覚えていませんが。
皆さんはピアノとオルガンの違いを分かっていますか。
私は知りませんでした。
前の写真のように、鍵盤を押すと弦を叩いて音を出すのがピアノ。
鍵盤がパイプに空気を送って音を鳴らすのがオルガンなんだと。
なのでオルガンと言えばパイプオルガンなのである。
教会ご用達。
足元には、踏んで音に変化を加えるペダルがあるか、昔のピアノはここに装飾を施していたらしい。
たしかにハープのような造形がされている。
そそくさとピアノゾーンを抜けて地上階へあがりましたが、これまたすごいことになっています。
アジアゾーン。
これはなんだ、そもそも楽器なのか。
なんてことない、竹筒8本があってそれに装飾をしまくっているだけである。
しかし巨大なので、馬乗りになって叩くらしい。
こちらも盛大なお祭り騒ぎになっているが、ジャワ島の「ガムラン」というもの。
きらびやかな打楽器を使って大人数で行う、演奏形態。
それにしても大ごとですねぇ(困惑)
演奏風景。
とにかく演奏に多少の支障が出る程度に装飾を施しまくったり金粉を塗りたくっている。
太鼓もでかい。
上の部分、要るのか?
得体の知れなさでは、中国も負けていません。
これでもかと鐘をならべて叩く、編鐘(へんしょう)という楽器。
中国では未だにあるそうだが、日本では天平時代に伝わるもさっさと廃れた模様。
一方でインドは意外と小ぶりな楽器で対抗しております。
われらがジャパンも登場。
まぁ見慣れたものですわね。
ただ一枚の板に、1本しか弦を張らない「一絃琴」という、あまり聞かない楽器もあった。
音階の表現たいへんそうだな。作るの簡単そうだけど。
2時間以上経過しておりますが、まだ残っております。
これでもかと電子楽器をならべて、疲労困憊の訪問者を最後に殺しに来ている。
ハーモニカ。
吹いても吸っても音が出てしまうので、わりと難易度は高いらしい。
手作り感すぎるアコーディオン
電子楽器ゾーンを抜けて、最後は演奏コーナー。
置いてある楽器を自由に鳴らすことができる。
ドラムとかなかなか触る機械が無いので、幸せな太鼓の達人をやって終了。
以上。
【交通手段】浜松駅から徒歩10分
【入館料】800円
【混雑度】★★★★(すぐ横に人)
【滞在時間】2時間半
【URL】