C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

埼玉県 学校給食歴史館

ここは北本市にある埼玉県給食会の本部です。給食の歴史を扱っている興味深い資料館があると聞いてやってきたのだ。

アクセスは北本駅から川越観光自動車バス「富士重工業線」に乗り、ワコーレ北本で下車すると目の前です。バスは30本に1本程度。

ワコーレって下着メーカーのことかと思ったら全然関係なくて、マンションだった。ワコール間違いだった。

敷地に入ると給食輸送トラックが並んでいる。ここで調理をしているわけではないけど、冷凍ものなどを保管する倉庫があるので、それらを運び出しているようです。

給食歴史館というネーミングに緩い雰囲気を感じて来たら、思いっきりガテン系の人々が作業していて意表を突かれることになります。オッスオッスと挨拶をしていきましょう。

運送場の奥にある建物が歴史館です。周りの倉庫とあまり違いない外観なので、一瞬素通りしてしまった。大丈夫なのかこれ。

なお開館日は平日のみです。土日休日はやっておりません。給食配送する日しかやらないのね。なので私は有休を取ってきたのです。

外観がプレハブじみていたから不安だったが、内装は打って変わってキレイであった。 入場料は無料です。 

では給食の歴史を学んでいくわけですが、各時代ごとの模型が置いてあって大変わかりやすい良い展示になっています。

日本最初の給食は1889年山形県鶴岡市でのこと。大督寺という寺院が学校を開設しており、貧しくて家から弁当を持ってこれない子供たちのために配給したそうです。 メニューはおにぎり&鮭。魚が食べられるのは意外と豪華ではなかろうか。

 山形県に始まった給食は日本各地で取り入れられていきますが、戦争が本格化するとどんどん侘しいものに変わってます。1942年の献立は、すいとんの味噌汁と・・左上にあるのはお手玉ですかね。給食のメニューに お手玉。どういうことでしょう。手を動かして口数減らせという意図なのでしょうか。

戦後のメニューです。ミルクやシチューなど、洋風である。

別に好んで洋風にしていたわけではなさそうだ。戦後日本はひたすら物資が足りなかったので、アメリカの日系人やら宗教団体が慈善活動として食料や衣服を送ってきてくれたのです。通称「ララ救援物資」。

送られてきた物資を活かそうとすると、自然と洋風な給食になるんじゃないでしょうか。しかし脱脂粉乳はこの世の終わりみたいな不味さというトラウマが私にはあるので、支援物資はタリーズコーヒーでお願いします()

食器も進歩しています。戦後から1950年代頃まではこのアルマイト製食器が使われていました。特徴は熱をよく通すことで、つまりホットな食べ物は食器が熱くなりすぎて持てません。持てない食器とか革新的過ぎる。岡本太郎の“座らせない椅子”かな?

持ち上げられないなら犬食いするしかないのだが、マスコミからいろいろ叩かれました。

現在の食器はポリエチレンナフタレートという物質を使っているそうです。汚れに強く、食べ物に変な影響も与えない。

これに辿り着く前には「強化ガラス製にしてみた→重すぎて生徒が持てなかった」「ポリプロピレン製→有害物質が溶け出して死の給食に」など様々な試行錯誤があった模様。

平成の世になると、バイキング給食なんてのが登場したんですね。

「自ら考えて食べるものを選ぶ給食へ」なんていうおキレイなワードで飾られていますが、偏食を助長する気がしないでもない。まぁ嫌いなものを無理やり与えられても残すだけかもしれないか。いずれ飲み物だけは回避の選択肢がなく、牛乳との必須戦闘に突入します。

調理師さんがアイデアを出した面白い給食もあり、コンクールも開催されています。

このメニューは「地産地消」がテーマで地元の食材を使っているのだが、そんなことよりパンが豪快過ぎる。ブルーベリージャムをふんだんにかけていて美味しそうなんですけど、これどこ持てばいいの。パンはフォークで食べるものというエポックメーキングな一作である。

 コンクールに関する説明を読んでいたら、「34回目の開催です。お母さんと同じくらいの年かな」と書かれていた。

お母さんが今34歳。この文章は小学生が読むことを想定していると思うので、子供の年齢は7歳~12歳。つまりお母さんは22歳~27歳のときに出産している。ちょっと若すぎやしませんかね。こんなところで時代の変化を感じるのであった。

たくさんの給食模型を見終わると、あとは資料コーナーです。給食に関連する本や資料が置いてあります。

テキトーに1冊手に取ってめくってみたら、まったく給食関係ないのが出てきた。

ブルマーで疾走する女の子はたしかに美しかった」。この資料館のテーマと合わないとか以前に通報ものじゃないですかね。著者が学校教職員でないことを祈ります。

食べ物ネタのクッションや人形も置いてあった。柔らかそうなシュウマイですね。腰掛けたり肘置きに使えるかもしれない。

 と思ったら、これ中身開くのだった。やたら具材が詰め込まれている。これ中身の需要あるんですかね。キノコだけ取り出しても何に使うんだ。口を縫い合わせた方が効能あがりそうです(用途台無し)

 

 おしまい

 

【交通手段】北本駅からバス15分

【入館料】無料

【混雑度】★(だれもいない)

【滞在時間】45分

【URL】学校給食歴史館 | 埼玉県学校給食会