本田宗一郎ものづくり伝承館
浜松市の天竜二俣には、ホンダの創業者である本田宗一郎に関する資料館がある。
天竜二俣駅から徒歩15分程度。
本田宗一郎は天竜の出身であり、16歳で上京するまではこの地域に住んでいた。
建物は1936年に建設された、二俣町役場の旧庁舎である。
とはいえ2009年に改築されているので、中は新しい。
ちなみに二俣町は1958年に「天竜市」と改称し、2005年にその天竜市は浜松市に吸収されて浜松市天竜区となった。
天竜の抱えている巨大な森林群まで全部吸収されたせいで、浜松市の面積を倍にさせている。
館内に入ると、あちらこちらにバイクだらけである。
HONDAといえばやっぱりバイク、ということをよほど言いたいのだろう。
入口にいきなり大きな絵がある。
本田宗一郎の手を説明しているらしい。
仕事中に負った傷を、「ハンマーで潰した」「機械に挟まれて潰された」など生々しく説明しており、入館早々に客の心理をビビらせてくれる。
ものづくりを伝承する前に、ビビッて技師を敬遠する人が増えるのでは(不安)
とにかく館内は、バイク、バイク、バイクである。
バイクも本格的なものからカブに年代物まで様々取り揃えております。
赤白黄色、と並んでいる。赤いのは消防バイク。
サイレン鳴らせるし、救急キットや消火器何台か積めるらしい。
あまり聞いたこと無いが、現場直行用としてそれなりに重要なんだとか。
飛ばし屋の敵、白バイ。
これは1969年に導入されたもの。
なおカーチェイスに備えて、白バイ隊員は鈴鹿サーキットで高速運転訓練をするらしい。
黄色いのは新聞配達のカブで、日本新聞協会からの要望があって1971年に導入された。
黄色くしているのは、雨の日でも周りからよく見えるようにするためらしい。
住宅地を走るカブならでは。
新聞は毎日新聞のようである。
ホンダと言えばスーパーカブ。
2018年で生産が累計一億台に達する見込みであり、当然世界一ィィである。
東京から札幌まで走った人たちも多いに違いない、きっと。
カブの発想元は、エンジン付き自転車だったらしい。
終戦後に、本田の奥さんが自転車で一生懸命買い物に行っていたので、「エンジンを付けた自転車があれば楽になる」と思ったのがきっかけ。
ちなみにこの時期、本田自身は特に仕事をせず、持ち前の技術を使って怪しい合成酒をつくったりして遊んで過ごしていたらしい。
エンジン付き自転車作るより、お前がちゃんと働けば奥さん楽になりそうなんですが。
んで、そのエンジン付き自転車を作ってみましたとさ。
名前は「バタバタ」。
あんまり楽できなさそうな名前っすね。
まぁしかしこれが発展して、カブ・オートバイになっていくわけである。
デザインには相当なこだわりがあり、もとい研究所に入り浸って色んなモデルいじくりまわすデザイン狂みたいなところがあった模様。
なのでこういう原色がんがんに取り入れたミニスクーターを作ってみて、これがまた売れる。
お値段88,000円らしいので、主婦とかにも手が届いて人気でそう。
その一方で日米オートバイ対抗レースに、このゴリゴリしたバイクで出場して優勝をかっさらってくるなど、やりたい放題である。
2Fへ。
あれ、いきなり展示内容が変わっているんですが(困惑)
ここは企画展ゾーンらしい。
このときは手ぬぐい特集だった。
でもバイクもちゃんと数台あり、1Fとの違いがあり過ぎるショックでバイク狂が死なないように配慮されている。
というか、たぶん1Fに収まりきらなかったのだろう。
プロジェクトX的なのが放映されている。
ホンダのエンジン開発にまつわるドラマ。
興味深かったのだが、上映時間40分以上とかいう超ロングだったので、断念。
本田宗一郎の使っていた道具たち。
本田宗一郎が描いた絵まで飾られている。
そういうのは展示までせず、趣味でやってくれればいいんじゃないかな(提案)
話が変わるが、和歌山にある「落合博満野球記念館」に行ったときに、館内に落合博満の嫁の描いた絵画が大量に展示してあって、どう見ても素人絵なんだが、夫からの絶賛のコメントが一緒に飾られていた。
それと同じ物を感じるなぁ。
ホンダの創業者なので、関連書籍はいっぱいあります。
自己啓発兄貴にもピッタリなのがきっとあるんじゃないかな(投げやり)
なんか気味悪い旗が飾ってあるんだが、これは英国マン島のもの。
マン島で行われたレースでトロフィーを獲得した関連らしいが、その旗は関係あるんだろうか。
2Fもおしまい。
以上。
【交通手段】天竜二俣駅から徒歩15分
【入館料】無料
【混雑度】★★(館内に他に2~3人)
【滞在時間】45分
【URL】