伊奈町立郷土資料館
ここは伊奈南中学校だが、用があるのは中学校ではなくて、敷地内にある伊奈町立郷土資料館である。
丸山駅から徒歩10分。
近くまでくると手作りの案内看板があちらこちらに登場する。
道中は完全に田舎町だが、ニューシャトル君が何気に開発の呼び水になっており、人口は右肩上がりである。
大宮までの距離も近い分、フロンティアになる可能性が微レ存?
資料館部分は、中学校の敷地に入って左奥。
人の気配が無いので、やっているのかどうか凄い不安になるが、電気が付いているのを見て安心する。
入館は無料。
展示の2/3は伊奈町の歴史・文化。
いつもどおり旧石器時代からのスタート。
縄文時代は海面が高く海が入り込んでいたので、伊奈の人たちは貝が食べられましたという話。
伊奈町は大宮台地という少し標高の高い位置にあり、綾瀬川なども近くを流れているので、人は集まってきたようである
3~5世紀の古墳時代前期には、そんなに広くない町内区域に4~5つも古墳が作られるなど、人口密度の高さを思わせる展開になっている。
しかし古墳時代中期からパッタリ遺跡が減っており、人が居なくなった模様。
その後、伊奈人の姿を見たものは誰ひとり居なかった(完)
人が復帰し始めるのは鎌倉時代になってから。
鎌倉幕府により「武蔵の荒れ地よろしく」と煽られた地頭 足立氏により開発が進み、伊奈にも集落がポロポロ増えた。
そんな足立氏も北条家に近寄り過ぎたため、鎌倉幕府滅亡時に北条氏とともにアーッされてしまった。
秩父名産の板碑。
足立氏が居なくなった後は清久(きよく)氏という武士がこの一帯を支配したが、あっさり足利尊氏に敗れている。
田舎のヤンキーが都会の主人公にボコられた感。
板碑アップ版。
戦国時代になると、伊奈地域は岩槻城の太田氏の支配下に置かれる。
太田氏は上杉方なので北条と敵対していたが、太田資正が息子により岩槻城を追放されるドタバタの中、北条氏政(味噌汁の人)により奪われてしまった。
そんな北条も敗れると、関東は徳川家康の支配下になり、この地域には伊奈忠次が転勤してくる。
この伊奈町の名前の由来になった人。
伊奈氏の出身は長野県にある伊那郡である。
そちらの方で城をもっていたのだが、城主が若死にして後継ぎが小さな子供になったとき、親戚のおじさんが「坊やが大きくなったらお城を返してあげるからね」と持ってってしまった。
んで大人になっても返してくれなかったので、三河に流浪してきたのだった。
そして幾代か経って、伊奈忠次の父親の時代。
最初、家康に仕えていたが、三河一向一揆で一揆側に付いてしまい、家康の怒りを買ったのでトンズラ。
だが長篠の戦いに参戦して、家康の息子である信康の面前でフィーバーしたので、そのまま信康の配下に。家康にバレなかったのかしら。
伊奈忠次も父と一緒に信康に仕えることになった。
その後、織田信長の無茶ぶりにより信康が切腹すると、三河に居場所が無くなった伊奈親子は親類を頼って堺に行く。
そして本能寺の変。当日、堺でぶらぶらしてた家康は、落ち武者狩りに追われつつも三河に命がけで逃げ帰る。
このとき、堺にいた伊奈忠次が決死のお供をしたので、ふたたび家康の配下となる。
伊奈忠次はそれから才能を発揮。
検地の実施や治水政策で高い能力を見せ、また豪雨なのに焦って大井川を強引に渡ろうとした豊臣秀吉をどやしつけてビビらせるなど、徐々に家康の評価を上げた。
家康は関東に来てから、側近たちを各地域に派遣して地域の開発・防御拠点の構築をさせているが、伊奈忠次もその一人。
関ケ原の戦い以前は、家康は有力大名の一人に過ぎず、上杉のような有力者が東北に居たり、秀吉派の大名も近辺に散らばっていたので、防護を怠るわけにはいかなかった。
資料館の最寄りである丸山駅ちかくに、伊奈忠次の屋敷跡がある。
この場所は、当時は小高い位置にあって防衛に適していたらしい。
すでに大きな古刹があったのだが、これをどかして自分の屋敷を建てたんだと。
坊さん涙目。
伊奈忠次はお得意の治水分野で尽力し、利根川東遷の着手や新田開発をガンガン進め、伊奈の人たちは豊かになったとさ。
めでたしめでたし。
というわけで伊奈忠次のイメージソングが出来たようです(迫真)
カラオケもあるから、伊奈愛するニキは歌って、どうぞ。
郷土のお祭りコーナー。
中萩地区の「お獅子様」というイベント。
獅子を担いで回るそうだが、写真を見ても獅子は居ない。
担がれている箱の中に仕舞われているらしい。
そして担いで歩くときは箱を大きく揺らしたり、一回転とかしたりして、お獅子様を割とひどい目に合わせているのだが、こうすることで願望アピールになるんだとか。
それ脅迫ってやつですかね(すっとぼけ)
違う地区のイベントでは、ちゃんと獅子はスタンバっています。
巡行中の一行。
端の方に追いやられている感があるが(憐憫)
最後は獅子についている布で頭をパサパサやってもらって、悪魔祓い。
このとき動作を間違えると、中の人と幸せなキスをして終了となってしまうので要注意。
最後は伊奈出身の人間国宝である、田口善国について。
とりあえず蒔絵の名人だそうですが、作品がぽんと置かれているだけ。
芸術に説明は不要、爆発しろ!ということだろう(岡本太郎)
これで展示内容は終了。
あと最近、資料館の方で伊奈忠次についての映像資料を作製したと言うことで見せてもらった。
所要20分くらいで、NHK特集まんまの作風だったので、まぁ分かりやすかったとさ。
以上
【交通手段】丸山駅から徒歩10分
【入館料】無料
【滞在時間】45分
【混雑度】★(誰もいない)
【URL】伊奈町立郷土資料館の利用案内 | バラのまち埼玉県伊奈町公式ホームページ Ina Town Official Web site