C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

旧田中家住宅

 

川口市にある、田中さんのお家にお邪魔しました。

最寄り駅は川口元郷だけど、赤羽からバス15分「坂口」で下車すると、すぐ目の前です。

 

 

周辺は高層マンションが立ち並んだり近代化バリバリなのに、ここだけ旧時代の建築になっていてタイムスリップ感がすごい。

 

この正面にある建物は1923年に造られたレンガ造り。

1923年と言うと関東大震災でレンガ建物は片っ端から死んでしまい、鉄骨造に取って代わられた起源ですが、川口ではそこまで地震被害が無かったのだろうか。

 

 

入場。

田中家は味噌の醸造商人だったので、この正面玄関も「お店」機能があります。

 

 

木の模型とか屏風っぽいものとか置いてあるけど、このスペースに番頭さんとか帳簿役がいたんでしょうね。

 

 

さっそく時代を感じる正面玄関ですが、入場券はまさかの食券システムである。

ラーメン屋かな?

1杯200円になります。

 

 

玄関から一つ奥に入ると、大きな金庫。

 

 

ご丁寧に金庫って書いてある。

書かなくても分かるのよ?

 

 

番頭さんが使っていたというデスク。

案外、モダンですねぇ。

 

 

玄関の左手は応接間。

 

 

窓は2重ガラスになってますが、もともとは外側は無く、1重だった。

正面の道路は交通量おおいので、粉塵や騒音を防ぐためかもしれない。

 

 

天井にも装飾が施されており、描かれているのはアカンサスらしい。

古代ギリシャ建築に始まり、西欧建築文化では頻出の植物だそうな。

 

 

 

応接間から勝手口に出られます。

ここにアカンサスが植わっているそうですが、どれだかは分かりませんでした(無知)

 

 

勝手口側から建物を見た図。

荘厳な雰囲気。

 

 

 ただ、手前に居るのはこま犬くんである。

和洋折衷ですねぇ。

 

 

館内に戻って、2Fにあがります。

これまた富豪感すさまじいレッドカーペットである。

 

 

2F最初の部屋は、ご主人様の書斎です。

 

 

外にはバルコニー。

この下が、さっきの勝手口。

 

 

隣の部屋は和室です。

 

 

畳、不思議な張られ方しているな。

サイズが合うやつ無かったのかしら。

 

 

こちらの座敷は接客用のもの。

数寄屋風書院造というらしい。

 

床の間はあまりゴテゴテしておらず、すっきりした造りにみえる。

わりと簡易的?

 

 

と思ったけど、欄間を見たら気合がかなり入っていた。

 

 

3Fに登る前に、左手に小部屋を発見。

まるで隠し部屋である。

 

 

建物の持ち主、田中さんのご紹介をしています。

 

(田中家の一族)

 

田中家は江戸時代から続く味噌醸造商・材木商である。

このあたりでは良質な大麦と地下水が得られるため、それらを利用した麦麹の味噌をつくっていた。

当主は代々「徳兵衛」を名乗っている。

 

 

4代目徳兵衛は、先代の急逝をうけて19歳で相続したが、事業の拡大に成功。

東京・新潟・千葉にも所有地を持つ大商人となり、のちに貴族院議員にも就任した。

 

 

当時の田中家の味噌醸造場。

でかい。

これ一帯がぜんぶ味噌くさかったわけです(適当)

 

 

そんな4代目のときに、この洋館を建築しました。

材木商なので木材の選定にも余念なし。

 

建築費用は現在の価格にして2億5千万円程度。

たしかにこの写真見ても、一般住宅と言うよりラストダンジョン作っている感じがしますね。

 

 

さて3Fへ。

 

 

のぼりました。

あの小部屋すごい気になるけど、残念ながらSTAFF ONLYです。

 

 

こちらは控室。

横に大広間があるので、お客さんがスタンバっていたのだろう。

 

 

外の風景。

リンガーハットが良く見えますねぇ。

 

 

コンセント。

 

 

天井は小ぶりな花の装飾に変わっている。

ちなみに照明器具も各部屋で全く異なるので、その辺も面白い。

 

 

こちらが大広間です。

今でこそ周辺は高層ビルだらけだが、当時はここから随分遠くまで見渡せたんじゃなかろうか。

「田中家、つよい」感を来客にインプット出来たであろう。

 

 

柱はイオニア式だそうですが、私には分かりません(こなみ)

 

 

調度品も豪華なので、お触りはご遠慮ください。

 

 

さっき気になった階段上の部屋は、たぶんここから繋がっているのだろう。

とても入りたい。

 

 

大広間の対面には、堅牢そうな扉に守られた部屋があります。

蔵だそうだ。

 

 

ここでは味噌醸造の技法について説明展示。

 長くなりそうなので飛ばしますね()

 

 

展示室の奥に、まだ部屋があるようだ。

 

 

ここは休憩室になっている。

机と椅子があるだけですが、階段歩いてお疲れになった年配者むけかもしれない。

 

しかし窓の向こうに見えるのは、思いっきりマンションのベランダである。

洗濯ものも丸見えですので、写真撮影の際にはプライベートに配慮しましょう(迫真)

 

 

暖房器具もあるけど、特に点いてないよ。

節約中かな?

あぁ足が寒い。

 

 

2Fに戻りますが、和室の奥から通路が続いています。

 

 

洋館の裏側に和館があるのです。

1934年に増築されたもの。

 

 

和館は2F建てになっており、2F部分は客間。

お泊りスペースだろうか。

 

 

襖にもちゃんと装飾。

手は抜いておりません。

 

 

しかし畳の張り方がまた複雑怪奇である。

 

畳ってサイズ規格決まっていると思うのだが、こういう富豪の建物の畳って特注品だったりするので、現代だとサイズが合う規格が無くて、それで強引に嵌めているのかもしれない。

 

 

下の階におりませう。

 

 

大広間になっている。

70人くらいのお客さんだったらここに通していたそうな。

 

現在もイベント開催時は、ここで行われる。

プロ将棋の対局でも会場になったり。

 

 

照明。

しゃれおつ。

 

 

奥座敷

 

 

かぼちゃ(大嘘)

 

 

座敷の最奥はトイレですが、使えない模様。

 

 

廊下を通って、入り口の方へ戻る。

 

 

その前に、入り口右手のスペースを見てなかった。

現代キッチン化されているが、当時は台所や土間で、使用人が行き交う。

 

 

現代化されていない部分も残っています。

この扉、用具部屋のようにみえるけれど。

 

 

中は階段になっていて、上に女中部屋があるんだそうな。

 

 

土間。

くらい。

 

 

梯子があり、上部の屋根裏みたいな部屋に続いている。

男の召使はあそこに住んでいた。

女中と違って、なかなか荒っぽいですね。

 

 

庭園もあるので見ましょう。

 

 

梅が綺麗です。

高層ビルに映えますねえ(雑)

 

 

建物の方を見た図。

 

 

池には錦鯉が大勢いらっしゃいます。

 

 

別の建物が見えてきたが、あれは茶室です。

 

 

もとは味噌蔵であったのを1973年に改築したので、内装は現代的。

 

 

茶室部分がこちら。

 

 

室内ではあるが前庭っぽいスペースも。

わざわざ京都から職人を呼び寄せて建造している。

 

 

水は流れていませんが、雰囲気はでますね。

 

 

茶室なのでレンタル可能です。

3時間で4,000円。

 

 

 

というわけでした。

 

以上。

 

 

【交通手段】赤羽駅からバス15分もしくは川口元郷駅から徒歩10分

【入館料】200円

【滞在時間】45分

【混雑度】★★★(ちらほら)

【URL】

www.kawaguchi-bunkazai.jp