木曽福島郷土館
山道を歩いていると突如現れる堅牢そうな建物がこの資料館です。
生い茂っている木に取り囲まれているし、明らかに年代物の外観なので、寂れた温泉街の廃墟ホテルではないかと疑わしくなる。いちおうこれでも公立施設なのです。
この資料館、開館日時がパターン3つくらいある。
5月~7月は土日祝のみ開いていて、8月~10月は木曜だけ閉まっている。11月~4月は「要確認」と公式HPに書いてありますが、たぶんやってないでしょうな。
入館しました。が、中に誰もいない。客ではなくて館員さんが。
2Fへの階段があるけれど電気が消えている。点けてもらわないと見れないぞ。
しゃーない。見られるところから見るとするか。階段横の展示スペース。
展示というよりは物置といった方が相応しいくらい乱雑に詰め込まれていて笑ってしまう。せめて段ボール箱は片づけよう!
石壁から飛び出している大砲くんは展示品としてのわずかな矜持である。
口径15センチ。いつの時代のどこのものだかは書いてなかったので分らん。とにかく大砲です。QED。
木曽の町並みをあらわした模型は手作り感があって良いのだが、段ボールの山の奥の方に押し込まれており、かき分けて近くまで辿り着くのに苦労した。
庭にはウサギ・・いや足が長すぎるから、ヤギか?謎の生物である。いずれにしろ皆してコケているのは哀愁を誘いますね。
5分くらい写真撮ってたら館員さんが戻ってきた。あまりにも客が居ないから出かけてたのだろうか。
入場料300円を払ってようやく2Fに通してもらえたのだが、床も壁も天井も一面コンクリートで寒々しいな!これは冬の営業できませんわ。
外観もそうなんだけれど、一体なにをモチーフにこういう建物にしたんですかね。立体駐車場?
展示物は中世~近代までの福島宿で使われていた道具たち。農具とか民具とか衣服。
日本刀もあるのだが、この建物セキュリティ大丈夫なのか。
さすがにセコムとか入ってると思いますが、盗まれないか不安である。
防御用のカツラ。鉄製で後頭部を守るそうな。
いろんな意味でカモフラージュが出来るな。日ごろから装着して、敵を騙すためにまず味方から騙していこう。ヅラは世界を救う。
他にもいろいろあるのだが、一列に並んでいる彫刻が気になって仕方ない。君らも江戸時代に作られたのかな?
木曽を代表する彫刻家 千村士乃武(1910-1957)によるもの。検索してもあまり出てこないから、かなりローカルみたいだなぁ。真ん中の作品は片腕が割れて無くなってるし。
という感じで、展示品よりも建物の古さや哀愁っぷりの方が気になる施設でした。よくこれで営業できると思いましたね。開業当時の計画に大変興味がある。
まるで生きながらにして廃墟になっているかのようだ。
退館しようとすると、館員さんが「資料館の裏手にお堂と古民家があるから見てってください」と情報をくれた。
まったく気づかないところだった、ナイス。最初受付に居なかったことはチャラにしよう。
これがお堂。内部には山の神の像が祀られている。
どうせこちらも廃墟なのではないかと、崩壊寸前の祠を予想してたんだけれど、意外としっかり建っていた。疑ってめんごめんご。
山の神です。でかいオッサンだなと思ったら、母子像って書いてあった。分らんって。
ずいぶん盛大だけれど、作られたのは1970年代だそうです。
なんだ、昔から使っていたわけじゃない、書き下ろし作品か。
その隣にある古民家は、実際に使われていた農家を移築してきたもの。
ちゃんと明かりが点いていたのが驚きですね。メンテは大丈夫かな?
中に上がれるけれど、入り口付近に虫が居たのでやめときました(貧弱)
おしまい
【交通手段】木曽福島駅から徒歩25分
【入場料】300円
【滞在時間】30分
【混雑度】★(だれもいない)
【URL】