C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

穂高神社

 

信濃国三宮として由緒があり、交通安全の神として観光地にもなっている穂高神社です。

穂高駅から徒歩5分ですぐ来れます。この写真の入り口は駅と正反対のところにあるもので、10分くらいかかりますけども。

 

穂高神社は859年に編纂された『日本三大実録』に名前が記載されている。

平安時代には都の方まで名前が知れていた有名な神社」ということで、ただのローカル神社ではないのです。あなたとは違うんです(福田総理)。

なので境内はなかなかの規模があるし、山林に囲われて俗世間との境を区切り、まさに神域という雰囲気を醸し出している。ただ昔はもっとデカくて一面森林だったそうな。

 

 

 

犬とお参りができるそうです。良かったねワンコ。

持ち込めない神社が多いのだろうか、神前でフンされても困るから?

 

 

交通安全を祈念する神社として知られていますが、珍しいのは車のお祓いを受けられることです。

車ごと境内に乗り込んで、そこで奉り候~って感じである(適当)

1台5000円~。

 

交通事故が増えている昨今だし、高齢ドライバーは特に参拝しましょう。

あと免許も返しましょうね(参拝の意味なし)

  

 

舟が置いてあります。

山なのに舟?と初見参拝者は思うでしょうが、穂高神社を開いたとされる「安曇族」は九州からこの安曇野に移住してきており、九州時代は海運を司る部族だったので、それが関係していると思われる。

 

安曇族は実は結構偉くて、各地での反乱鎮圧のために派遣されたり、天皇の食事を司る「内膳司(うちのかしわでのつかさ)」という部署の長官を務めたりしていたのだが。

527年磐井の乱で反乱勢力側に回ったり、朝廷内での勢力争いに敗れたりで衰退した。

所領をボッシュートされもしたので、それで九州から点々散り散りになり、一部が安曇野に辿り着いたとされている。

 

 

安曇族が奉じている神の1つに「綿津見(わたつみ)神」がいて、これが海上交通や漁業を司っている。

九州で海運を担っていたことの名残であるが、信仰をそのままこちらまで持ち込んでおり、穂高神社でも綿津見神は祀られております。

 

海上交通の神 → 交通安全全般になって、それで車のお祓いも扱うようになったんでしょうか。事業の多角化は成功の秘訣。

 

ということを偉そうに語りましたが、以下の本に書いてありました。

図説 穂高神社と安曇族|長野の出版社 龍鳳書房

下記に書いているウンチクぶったことも、この本を参考にしております。

 

 

 

馬の厩舎がありますね。

 

 

祭事で使われたり奉納されたりで神社で飼っている馬を「神馬」と呼びますが、現代社会で馬の管理なぞコスト掛かって仕方ないから、模型で代用しております。

伊勢神宮とか東照宮では飼育しているそうだ。巨大神宮でないとリアル馬は管理できないやね。

  

 

境内の中心部に入りました。

最初に立ちはだかっているのは神楽殿。名前の通り、お神楽をここでやるんだと思う。

確か2016年あたりで建て替えられたはず。

 

 

奥にあるのが拝殿で、おみくじやお札、賽銭はこちら。横にすごい長い。

この裏に本殿があるのだが、一般ピーポーはそこまで踏み入れない。背伸びするか柱の横から覗き見しましょう。

 

 

お祓いをする自動車はここまで入ってこれるよ。

正月にはお祓い客も多いので、どかどか自動車が入ってきて埋まる境内という珍妙な光景が出現するそうだ。

 

 

メインの祭神は「穂高見命(ほたかみのみこと)」で、綿津見神の息子。

綿津見さんは先述の通り海の神なのだが、このジュニアは山から降臨しているのだ。親子で正反対だな。安曇族が山地である安曇野に移って来てから、登場した神なのだろう。

 

なお穂高見命の姉である玉依毘売命(タマヨリヒメノミコト)は神武天皇の母なので、穂高見命は天皇の叔父にあたり、朝廷との距離の近さが伺えます。それなのに、どうして追放されて安曇野に流浪してしまったのか、慢心・環境の違い。

 

 

安曇野の近隣には酒造が多いので、酒もたくさん奉納されています。

参拝するついでに全部のみましょうね。

 

 

横の方には幾つか小さな社が置いてある。

比較的大きいのは若宮社といって、安曇族の英雄「阿曇磯良」さんを祀っています。

軍人として安曇族をまとめ、白村江の戦いに参戦したが、破れて戦死してしまいました。チーン。

 

若宮社にはもう一人祀られていて、「ものぐさ太郎」こと信濃中将

村でぐうたら寝ていた男がいたが、奉公人として都に送り込んだら真面目に働くようになり、綺麗な奥さんも得て120歳まで長生きしましたって昔話。

三年寝太郎ではありません。

 

 

小さい社もポコポコあるけど、これらはスサノオとかよくある神様をついでに祀ってる感じである。

朝廷との関わりを保つために、中央で奉じられている神様も祀っとくか、なノリ。

系列会社が本社創業者の肖像写真飾ってるようなもんである。違うかもしれないが。

 

 

社のむれの後ろには、この木なんの木ケヤキの木。

井上靖がこの地を訪れた際、なぜかこの木に感激して小説「欅の木」を書いている。

うーん、枝が転々バラバラに伸びまくって上空への視界遮ってる辺りがダンジョンっぽくて気に入ったのかな?

 

 

傍らにはニワトリくんが放し飼いされています。

 

 

どちらかというと大木なのは拝殿前にある方だ。

樹齢500年以上の杉の木で、病気回復を祈って毎日この木にお参りに来ていたら病気が治った、という伝承がある。

アナタもお祈りしてはどうでしょうか、花粉症とか。

 

 

お触りできますので、自身の悪いところを念じつつタッチしましょう。

みんなが余りにも触るので、その部分だけドス黒くなっている。

手垢かな?(罰当たり発言)

 

 

こちら側にも馬の厩舎があります。

 

 

普通、神馬って白なんですけどね。

これは思いっきり茶色だな。たぶん木曽馬だろう。

さっきのに比べるとだいぶ予算抑えた感がしてならない。

 

 

境内の中心を見終わったので、周辺を歩きます。

ぽつねんと立っているこの人が、安曇族の英雄こと阿曇磯良さんです。

白村江で勝てなかったけど、安曇族にとってはほぼ唯一の有名人なので、盛大に祀っているわけです。

 

 

笑顔が逆に不気味になっているこの像は「健康増進道祖神」。

手を繋いでいる部分に触れると、家族円満になるんだと。

なお独身の方にも「縁結びを願って触りましょう」とオススメされています。

 

 

境内の南側にも幾らかスポットがありますので、見てみよう。

 

 

これは「嶺宮遥拝社」。

穂高神社はここが本宮なんだけれど、その他に上高地に奥宮があり、さらに嶺宮という社があるのです。本社1つと支社2つ。

 

 

嶺宮、なんと奥穂高岳の頂上にあるのだ。標高3,190m。日本で三番目に高い山である。

そんなところに参拝に行けるか!と思うのが普通であるため、山頂まで行かずともこちらにお参りすればOKというのが、この遥拝社なのです。まさに現代人向け。時間は短縮、利益は最大に。短縮しすぎて祟られなきゃいいが。

 

 

なおこの嶺宮遥拝社は、数年前まで実際に奥穂高岳の山頂で嶺宮として使われていたものである。

老朽化してきたので山頂からこちらへ運び、遙拝社として再就職。

運搬作業、きつすぎやしませんかね。

 

 

遙拝社のうしろには池が広がっているけれど、ダイビングはあまりお勧めしない水質でした。

 

 

弓道場があって、この日も練習している人が居た。

神事に弓矢はつきものであるが、穂高神社でも3月に「奉射祭」として弓を射て邪鬼を祓うイベントをやっております。

 

 

こんなんあったけど、相撲の土俵か?

まわり砂利だし、痛そう。

 

 

最後に鉄腕アトム・・ではなくて「日光泉小太郎」の像を見ます。

安曇野の辺りはかつて湖だったけれど、日光泉小太郎がその湖の岩石をぶち壊して水を放流し、耕作できる土地を出現させたという神話。

乗っかっているのは龍です、豚ではありません。しかも小太郎の母です。

 

 

というわけでした。

駅側の入り口はこちらです。

 

おしまい

 

【交通手段】穂高駅から徒歩5分

【入場料】無料

【混雑度】★★★(ちらほら)

【滞在時間】40分

【URL】

www.hotakajinja.com